WAN(Wide Area Network)完全解説:基礎から応用まで!
みなさん、こんにちは!今回は「WAN(Wide Area Network)」について、基礎から応用までを徹底的に解説します。企業のIT担当者はもちろん、ネットワーク技術を学びたい初心者の方にも役立つ内容です。WANの基本から仕組み、サービスの種類、メリット・デメリット、さらには応用例まで盛りだくさんでお届けします!
WANとは?LANと何が違う?
まずは基本の「WANとは何か」からお話ししましょう。WANとは「Wide Area Network」の略称で、日本語では「広域ネットワーク」と訳されます。具体的には、地理的に離れた拠点同士を接続するためのネットワークのことを指します。
LANとの違い
LAN(Local Area Network)は、家庭やオフィス内で使用されるローカルなネットワークですが、WANはそれよりも広いエリアをカバーします。以下はLANとWANの比較表です:
専用回線
LANは「自分の敷地内」で使用する私有地のようなものですが、WANは公共交通機関や高速道路に例えられます。例えば、自宅のWi-FiでネットサーフィンをするのはLANの範疇ですが、インターネットを通じて遠くのサーバーにアクセスするのはWANの仕組みを利用しているのです。
WANの仕組み:DTEとDCE
WANのネットワーク構成には、以下の2つの重要な要素があります。
1. DTE(Data Terminal Equipment)
DTEとは、ユーザーが利用する側の端末を指します。例えば、企業が使用するルーターやスイッチ、PCがこれに当たります。DTEは加入者の責任範囲内で管理される設備です。
2. DCE(Data Circuit-Terminating Equipment)
一方、DCEは通信事業者(キャリア)が提供する設備や回線を指します。これはWANの心臓部とも言える部分で、DTEと接続することで広域ネットワークを構成します。
分界点とは?
DTEとDCEの間には「分界点」が存在します。この分界点を境に、どの部分がユーザーの責任範囲で、どの部分がキャリアの責任範囲かが明確に分けられます。この仕組みを理解することは、WANトラブルの際に迅速に対応するために非常に重要です。
WANの種類と接続サービス
WANにはさまざまな接続サービスがあります。それぞれの特徴を理解し、用途に合わせて選択することが重要です。
1. 専用線
専用線とは、特定の契約者だけが利用できる回線サービスです。特徴としては以下の通りです:
1対1の接続:ポイントツーポイントで拠点間を結ぶ
帯域保証:契約した通信速度が確実に保証される
高いセキュリティ:他のユーザーが使用できないため、データ漏洩リスクが低い
コストが高い:専用線は設備維持費用がかかるため、料金が高額
専用線は主に、銀行や証券会社などの金融機関、機密データを扱う企業で利用されています。
2. IP-VPN
IP-VPN(Internet Protocol Virtual Private Network)は、キャリアが提供する閉域網を利用した仮想専用線です。
高いセキュリティ:インターネット回線と分離された独自ネットワーク
MPLS技術を採用:高速かつ効率的なパケット転送を実現
拡張性が高い:拠点追加や通信量増加に柔軟に対応
IP-VPNは、専用線よりもコストを抑えつつ、セキュリティと品質を両立させたい企業に選ばれるサービスです。
WANサービスの品質を保証するSLAとは?
WANを利用する際に注目すべきもう一つの要素が「SLA(Service Level Agreement)」です。これはサービス品質保証制度のことを指し、通信事業者が利用者に対して提供するサービスレベルを約束する契約です。
SLAで保証される主な項目
回線可用性:サービスの稼働時間を保証(例:99.9%)
障害復旧時間:障害発生から復旧までの時間
パケット損失率:データの損失がどの程度まで許容されるか
遅延時間:データが送信されてから受信されるまでの時間
例えば、「障害が発生しても2時間以内に復旧しない場合、利用料金の一部を返金する」というような具体的な条件が明示されています。このようなSLAがあることで、利用者は安心してサービスを選ぶことができます。
WANのメリットとデメリット
WANを利用することで得られるメリットと、注意すべきデメリットについても確認しておきましょう。
メリット
地理的な制約を解消
離れた拠点間でもスムーズに通信が可能。
セキュリティの向上
専用線やIP-VPNを活用することで高い安全性を確保。
安定した通信品質
キャリア提供の高品質な回線で信頼性の高い通信を実現。
デメリット
コストが高い
特に専用線やIP-VPNは初期費用や維持費が大きい。
運用の複雑さ
専門的な知識が必要で、管理や運用の負担が増加。
キャリア依存
障害発生時にはキャリアの対応に頼る必要がある。
WANの応用例:現代企業における重要性
WANは、単なる通信手段ではなく、現代の企業運営において不可欠なインフラです。以下のような用途で広く活用されています。
グローバル展開する企業の通信基盤
海外拠点とのリアルタイムなデータ共有やビデオ会議。
クラウドサービスとの接続
クラウド型アプリケーションへの高速・安全なアクセス。
災害対策
データセンター間のバックアップやBCP(事業継続計画)を支える回線。
まとめ:WANの基礎を理解して次のステップへ
今回の記事では、WANの基本から具体的なサービスや応用例まで詳しく解説しました。以下がポイントのまとめです:
WANは地理的に離れた拠点同士を接続するための広域ネットワーク。
専用線やIP-VPNなど、用途に応じた多様な接続サービスがある。
SLAを確認することで、信頼性の高いサービス選びが可能。
WANは企業のグローバル展開やクラウド活用に不可欠な技術。
今後、ネットワークの構築や運用を学ぶ際には、WANの仕組みとその選び方をしっかり理解しておく
と良いでしょう。少しでも役立つ情報を提供できたら幸いです!
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