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時刻の魔法使い、NTPとは?

みなさんこんにちは!今日は、少しマニアックだけど、とっても大切な「NTP(Network Time Protocol)」についてお話しします。

「NTPって何?ネットワークの時間を同期するプロトコル?そんなの普段使わないし関係ないんじゃないの?」と思う方もいるかもしれません。でも、実際には私たちが毎日使っているスマホやパソコンが常に正確な時刻を保っているのは、このNTPのおかげなのです。もしこの仕組みがなかったら、いろんなトラブルが起きてしまうかもしれません。

この記事では、NTPが一体どういうものなのか、なぜ必要なのか、そしてどうやって利用されているのかを、初心者の方にもわかりやすく丁寧に解説します。「NTPってそんなに重要なの?」と疑問を持っている方も、この記事を読み終わるころにはその役割の大切さが実感できるはずです。それでは、さっそく見ていきましょう!


NTPってどんな仕組み?

NTPとは、「Network Time Protocol」の略で、ネットワーク上で時刻を正確に同期するための仕組みです。コンピューターには内部時計が組み込まれていますが、その時刻は時間の経過とともにズレてしまうことがあります。なぜなら、コンピューターの時計はあくまで基準となる内部回路で計算されているため、完全に正確とは言えないからです。このズレを補正し、ネットワーク上のすべてのデバイスが同じ時間を共有できるようにするのがNTPの役割です。

コンピューターの時計はなぜズレるの?

コンピューターの時計には、「ハードウェアクロック」と「システムクロック」という2種類があります。

  • ハードウェアクロック
    これは、コンピューターのマザーボードに組み込まれている物理的な時計です。電源が切れている間も動作しており、コンピューターが起動する際にこの時計を基準に時刻を設定します。

  • システムクロック
    こちらは、コンピューターのOSが管理している時刻です。電源を入れるたびにハードウェアクロックを基準に設定されますが、その後は独立して動作するため、時間が経つにつれて微妙にズレる可能性があります。

例えば、1日の間に1秒のズレが発生した場合、1年間では約6分の差が生じることになります。このズレが積み重なると、ネットワーク内でのデータ交換や処理に問題が発生する原因になります。

NTPの仕組みは?

NTPは、ネットワークを通じて他の信頼できる時計(NTPサーバ)から時刻を取得し、自分の時刻を修正します。その仕組みを、私たちの日常に例えてみましょう。

朝、目覚めたときに時計を見ますよね?もし時計が止まっていたり、進んでいたりしたら、どうしますか?正確な時刻を知るためにテレビやスマホで時報を確認したり、家族に尋ねたりしますよね。NTPもこれと同じ考え方で動いています。

NTPでは、ネットワーク内のデバイスがNTPサーバに問い合わせを行い、正確な時刻を教えてもらいます。そして、自分の時計をその時刻に合わせることで、ネットワーク内の時刻が統一されます。

NTPの階層構造とは?

NTPは階層構造を持っており、この階層は「Stratum(ストレイタム)」と呼ばれています。

  1. Stratum 0
    最も正確な時刻源であるGPSや原子時計が該当します。ただし、これは直接NTPサーバとして機能するわけではありません。

  2. Stratum 1
    Stratum 0の時刻情報を基に動作するNTPサーバです。非常に信頼性が高いサーバで、大規模なネットワークではこのサーバを基準として使用します。

  3. Stratum 2以降
    Stratum 1サーバから時刻を取得したサーバやデバイスです。階層が進むごとに、わずかですが時刻の精度が低下する可能性があります。

ちなみに、Stratum 16のサーバは、時刻が正確に同期されていないため、他のデバイスから利用されることはありません。

日本国内のNTPサーバ

日本国内にも、信頼性の高い公開NTPサーバがいくつかあります。

  • 独立行政法人情報通信研究機構(NICT)

    • Stratum 1

    • サーバ名:ntp.nict.jp

  • インターネットマルチフィード(MFEED)

    • Stratum 2

    • サーバ名:ntp.jst.mfeed.ad.jp

  • 国立天文台

    • Stratum 2

    • サーバ名:s2csntp.miz.nao.ac.jp

これらのサーバを利用することで、家庭用や企業内ネットワークの時刻を正確に保つことができます。

Cisco機器での設定例

もしネットワークエンジニアとしてCisco機器を扱う機会があるなら、NTPの設定はとても簡単です。以下は基本的な設定例です:

  1. NTPサーバの設定
    (config)# ntp server [サーバのIPアドレス] [prefer]

例えば、NICTのNTPサーバを利用する場合:
(config)# ntp server 133.243.238.16

  1. 同期状態の確認
    #show ntp associations

このようなコマンドを使えば、Ciscoルーターやスイッチで簡単に時刻同期を行えます。

まとめ

NTPは、普段あまり意識されない存在ですが、ネットワークの安定性や正確性を保つ上で欠かせない技術です。

  • コンピューターの時刻ズレを防ぐための仕組み
    ハードウェアクロックとシステムクロックのズレを補正します。

  • Stratumによる階層構造
    時刻の精度を保ちながら、ネットワーク全体で時刻を統一します。

  • 実生活でもNTPは活躍中
    スマホやパソコン、さらには企業のサーバ管理に至るまで幅広く活用されています。

これを機に、自分のPCやネットワークデバイスでNTPがどのように動いているのか調べてみるのも楽しいかもしれませんよ!

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