「働くを考える」を続けよう。 ~今年も出た就職人気企業ランキング~
こんにちは!
「鳥取で働くを考え支援する」を終の仕事にしたいと、ゆる~くキャリアコンサルタントをやってるくろちゃんです。
様々な調査企業が発表する「就職人気企業ランキング」。調査方法やサンプル数などによって、多少の違いはあるものの傾向はほぼ同じです。
今年も2023年度就活生向けに数社が発表したランキングを見ました。
各社によって分析は違えど、毎年世相をあらわしているなと眺めています。
人気企業の今昔物語
やっぱり今年もないなぁ~、とつい自分の出身会社を探してしまいます。今風にいうと「ICTベンダー」、昔風にいうと「国産コンピュータメーカー」。今でもサーバーやネットワーク関連機器などを製造する国内を代表するメーカー(と自負しています!)で、今の売りはAI、DX、5Gなどを駆使した法人や行政向けのITサービスだったりします。そう、いつのまにか企業ロゴが直接消費者の目に触れることが希薄になりました。
残念ながら30年前に隆盛を誇った、元国産コンピュータメーカーや外資系メーカーは人気企業上位100位に皆無です。一番の大きな理由は「革新性」をもったサービスで、圧倒的にGAFAを中心としたプラットフォーム系に後れをとったことは周知の事実ですが、それともう一つ、個人的に着目しているのはランキング上位に「BtoC」を生業にしている企業がめちゃめちゃ多いなというところ。提供する製品やサービスが、直接消費者に届けられる企業、つまり消費者と日常から直接繋がっていて、みんなが身近に感じることができる企業です。
かつて高度経済成長時代は「重厚長大」という言葉に代表される、鉄鋼、造船、化学工業、セメントなどが人気企業であり、その後対比して「軽薄短小」で表現されたエレクトロニクスやソフトウェアに軸足を置くIT産業が脚光を浴びてきた時代がありました。もちろん、今でも重要な役割を果たしているのですが、今の若い人たちには馴染みの薄いカテゴリーになってしまいました。
いまやITや素材は空気と同じ?
「BtoC」企業に学生の人気が集まる理由はなんだろう。以前から食品メーカーや化粧品メーカーなど人気企業はもちろんあったのですが、あまりにも「BtoB」企業がいなくなり過ぎていると思うのです。
例えば「BtoB」企業から提供される製品やサービスにITがあります。以前ITは提供する企業と、利用するユーザー企業が明確に分かれていました。いまでは、ユーザー企業は自前で開発できるツールや技術や人材を確保し、クラウドサービスを駆使し、個人でもゲームソフトなど作って専門家不在でも簡単に世界に発信できる環境が整っています。
またハードウェア素材は貴重だと思われていた時代から、安価に利用することが当たり前な時代になりました。環境面や経済性から新素材の開発はいつも重要なのですが、企業や消費者は入手に苦労する感覚が薄くなってしまいました。まるでITも素材も空気を吸うような、いつもそこにあって当たり前のような感覚が今の学生にあって、自分が楽しんで働ける領域とは思えないのではないでしょうか。
働く人の顔や環境がわかりやすい
また「BtoC」企業の人気がある理由に、学生からみて製品やサービスを通して企業の顔や働く環境がイメージしやすいということもあるかと思います。昨今の学生向け意識調査では、「出世」や「報酬」などより「生活」や「働く環境」などが上位にあり、価値観が多様化しています。どの企業もそのアピールに懸命ですが、アピール上手に加え普段から接している製品やサービスから得られる「安心感」は、間違いなく今の学生の価値観にマッチすると感じます。
昨年学生の就活相談を担当していて、多くの学生から感じるキーワードは「安心」と「人気」でした。そこに「やりがい」や「成長」が加わって志望企業が選別されます。人気企業ランキングは、世相を映す鏡にもなっているなと眺めています。
働くということは自分を磨く意味でもあります。自分の意志で決めて、トライして、精一杯自分を試してほしいなと思います。人生の岐路は、就職後もまだまだ続いていくのですから。
頑張れ、就活生!!!
ではでは。。。