ノイバラ

2017年忘備録 1

かつて借りていた家の庭の一角に芽生えた小さなノイバラ。
日当たりの悪い隅っこにあったそれを植木鉢に移し替え、
しばらくしてから日当たりのいいフェンス前に下ろしたところ、
あっという間に見事な大株に育ちました。

6月の開花はそれはそれは見事でした。
祖父が育てていたノイバラはいつになっても咲くことがなく、
いつかその花を見てみたいと密かに願っていた子供時代。
そんな小さい頃からの夢が叶って嬉しかったのですが、
数年して引っ越しが決まりました。

大きく育ちすぎたノイバラ。
最初は持っていくのを諦めていましたが、
家を買ったので今度こそ引っ越しはなしです。
やっぱり連れていきたいと悩みに悩んだ挙句、
寒い時期にキツイ試練になるだろうとは思いましたが、
ノイバラの強さを信じて掘り起こすことにしました。
2月の寒空の下、ひとりで4本の株と悪戦苦闘。
太い根っこは必死になってノコギリで切りました。

切り詰められて枯れ枝のようになったノイバラ。
新しい庭に下ろしましたが2年間はほとんど成長もなく、
じっと土地になじむのを待っているかのようでした。

そして迎えた3年目。
初めてびっしりと新芽がついて、それが次々とほころび、
ノイバラたちは一気に伸び上がって再び大株へと成長したのです。

嬉しかった。ものすごく嬉しかったです。
「シークレットガーデン」と命名した私のローズガーデン作りと
そんな庭での愛しい時間は、この瞬間から始まったと言っても
過言ではないかもしれません。

ノイバラやその周りに植え足していったイングリッシュローズたちが
競って咲き始める春先が、我が家の庭のテーブル時間の幕開けです。

まずは忘備録。そこそこの写真が残っている2017年分から。
ノイバラが満開になったら小さなローズガーデン内に、
いつもより一回り大きいテーブルを運び込みティーパーティ。
テーブルにも降ってくる花びらがとっても素敵です。

市販のクラストにカスタードクリームとホイップクリームを重ね、
一口大に切ったイチゴを贅沢に盛り付けました。
その結果・・・・クリームの水分で生地がふやけてしまい、
切りわけたらこの状態。新しいデザートに早変わり。
今日のデザートはタルトではなくてトライフルだったのだと
そう思うことにしました(笑)。

食器はアメリカンコレクティブルズ。
アンカーホッキング社のスナックセット(葡萄柄)。
爽やかなクリアガラスはリラックスタイムにぴったりです。

ノイバラのティーパーティを皮切りに、夏に向けての庭での時間。
残念ながらしばらくすると、蚊がでて悩まされてしまいますし、
あまりに暑くなるとさすがにキツイので、楽しみは7月の中旬まで。
ですから軽いランチや早いディナーなどできる限り庭に出ようと試みます。家族には少々引かれてしまいますが、そこは食事担当者の強み。
この時ばかりはわがまま言い放題なのです(笑)。

どんなお皿を使うか、どんな色でまとめるか、そんな楽しみもあります。
もちろんメニューを考えるのも私的には至福の時間。
デザートも忘れてはいけません。
庭で採れるブラックベリー、ラズベリー、イチゴを使ったものをメインに
あれこれ検索してはレパートリーを広げるチャンスだったりします。

庭のテーブル、今日はこの辺で。
2017年忘備録はマガジンのバージョンを変えて、この後3回続きます。

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