Eastern State Penitentiary in Philadelphia, PA 10 イデ クララ ユカ 2019年4月8日 20:03 イースタン州立刑務所。ペンシルバニア州フィラデルフィア。829年に建築されて1971年に閉鎖されました。独房を採用し孤独と向き合うことで更生を促す、近代的システムを取り入れた初めての刑務所です。 閉鎖後一切の修復がなされず、そのまま廃墟となっていますが、一部は博物館として公開されています。 子供たち用のハロウィンイベントが行われたり、アーティストの発表の場となっていたり。家人の仕事に便乗して数年前の5月末に見学しましたが、底冷えのする巨大な空白は忘却そのものだと感じました。 苛酷な過去の時間を抱えているのは本当ですから、幽霊がでるといった噂があったり、心霊スポットだと騒がれたりもします。けれど、廃墟ならではの迫力はあっても、そんなおどろおどろしさはもうないような気がしました。こういう場所を撮影するのは初めてでしたから、最初は多分に構えていましたし戸惑いもありました。けれど予想していなかったものがそこには残されていて、私は大いに驚かされたのです。 突き抜けた感と言いましょうか、浄化、昇華、そんな感じ。時の流れは残酷だと言われますが、ここでは 限りなく優しいものを感じました。なにかを開放するということ、なにかを受けとめるということ。小さな窓から差し込む光が、色褪せ崩れゆく壁の前に静かに降り立って輝く、ことのほか綺麗な午後でした。 いいなと思ったら応援しよう! サポートありがとうございます。重病に苦しむ子供たちの英国の慈善団体Roald Dahl’s Marvellous Children’s Charityに売り上げが寄付されるバラ、ロアルド・ダールを買わせていただきたいと思います。 チップで応援する #エッセイ #写真 #コラム #オリジナル #海外生活 #アメリカ #フィラデルフィア #アメリカの歴史 #ペンシルバニア #イースタン州立刑務所 10