Eastern State Penitentiary in Philadelphia, PA

画像1 イースタン州立刑務所。ペンシルバニア州フィラデルフィア。829年に建築されて1971年に閉鎖されました。独房を採用し孤独と向き合うことで更生を促す、近代的システムを取り入れた初めての刑務所です。
画像2 閉鎖後一切の修復がなされず、そのまま廃墟となっていますが、一部は博物館として公開されています。 子供たち用のハロウィンイベントが行われたり、アーティストの発表の場となっていたり。家人の仕事に便乗して数年前の5月末に見学しましたが、底冷えのする巨大な空白は忘却そのものだと感じました。
画像3 苛酷な過去の時間を抱えているのは本当ですから、幽霊がでるといった噂があったり、心霊スポットだと騒がれたりもします。けれど、廃墟ならではの迫力はあっても、そんなおどろおどろしさはもうないような気がしました。こういう場所を撮影するのは初めてでしたから、最初は多分に構えていましたし戸惑いもありました。けれど予想していなかったものがそこには残されていて、私は大いに驚かされたのです。
画像4 突き抜けた感と言いましょうか、浄化、昇華、そんな感じ。時の流れは残酷だと言われますが、ここでは 限りなく優しいものを感じました。なにかを開放するということ、なにかを受けとめるということ。小さな窓から差し込む光が、色褪せ崩れゆく壁の前に静かに降り立って輝く、ことのほか綺麗な午後でした。

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イデ クララ ユカ
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