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第51号(2019年8月30日) ボルトン安全保障問題担当大統領補佐官のウクライナ訪問


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【インサイト】ボルトン安全保障問題担当大統領補佐官のウクライナ訪問

 8月27日、ボルトン補佐官がウクライナ入りしました。ウクライナでゼレンシキー(ゼレンスキー)政権が成立して以来、米政府高官が訪問するのはこれが初めてということで、トランプ大統領とゼレンシキー大統領の会談に目処が付くかどうかが注目されましたが(9月にポーランドで会談?)、もう一つのポイントは中国の東欧進出に強い警戒感が示されたことでしょう。
 ロイターは、ボルトン補佐官が「魅力的な金銭的条件によって中国との取引に誘い込まれたり、中国マネーへの依存は脅威とけん制した」と伝えています(ロイター、8月28日)。
 具体的にはウクライナのジェットエンジン企業「モトール・シーチ」の中国への身売りを手控えるよう警告したと言われ、旧ソ連の技術遺産を中国に渡すまいという意図が垣間見えます。

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