第187号(2022年8月8日) HIMARSはゲームチェンジャーか? ほか
【今週のニュース】ロシア側専門家は戦況をどう見ているのか ほか
今次戦争について ルスラン・プーホフへのインタビュー
『モスコフスキー・コムソモレーレツ』2022年8月6日
有名軍事シンクタンク「戦略技術分析センター(CAST)」のルスラン・プーホフが『モスコフスキー・コムソモレーレツ』のインタビューに答えている。言葉遣いはまるきりクレムリンのプロパガンダをなぞっており、いかにも「戦時下」という感じがあるが、そこで述べられている知見には相変わらず鋭いものがあるので、以下に要点を紹介してみたい。
インタビューの後半は「いかにも」という感じではあるのだが、現在の戦況をロシア側の専門家がどのように見ているのか(そして語っているのか)を知る上では貴重なインタビューと言えよう。もちろん、ヘルソンやイジューム付近でのウクライナ軍の反攻をどう考えるのかとか、西側からのさらなる大規模援助があったならどうかという点はスルーされているので、その点は割り引く必要はあろう。
ベラルーシが「ヴォストーク2022」演習に参加
『イズヴェスチヤ』2022年8月4日
8月4日、ベラルーシ国防省は、ロシア軍東部軍管区大演習「ヴォストーク2022」に部隊を派遣することを明らかにした。前号で紹介したように、同演習は今月30日から極東で実施される予定である。
ただ、前回の「ヴォストーク2018」に参加して話題をさらった中国(とモンゴル)は今のところ参加・不参加を表明しておらず、他にも参加を表明する国はこれまで出ていなかった。こうした中でベラルーシの参加表明は、初の(そして今のところ唯一の)ものである。
また、ベラルーシはこれまでロシア西部での大演習には参加してきたものの、極東で実施するヴォストーク演習への参加は例がない。穿った見方をすれば、ウクライナ危機で孤立するロシアと合同演習をしてくれる国がいないのでやむなくベラルーシを引っ張り込んだとか、ベラルーシ側もロシアからの参戦要求をのらりくらりとかわし続けているので、演習くらいは付き合わざるを得なくなったとか、そんな事情が想像されよう。
なお、ベラルーシの参加兵力は250名とされており、この点からしても政治的・象徴的な少数の参加に留まると思われる。
他方、北アフリカのアルジェリアは今年11月にロシアとの合同対テロ演習を同国のハマギル演習場で実施予定である。ロシアはたしかに「西側から」孤立しているものの、決して世界全体でもそうであるわけはない、ということがこの点からも改めて確認されよう。
ロシア軍の損害は7-8万人 米国防総省
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