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第192号(2022年9月26日) ロシアがついに動員へ

【インサイト】ロシアがついに動員へ

プーチンの部分動員発言

 前回のメルマガで扱ったハルキウでのウクライナ軍の反攻作戦は、ハルキウ州のほぼ全域を奪還するという大戦果につながりました。
 特に大きいのは4月以降、ドンバス攻略の拠点であったイジュームが陥落したこと、この際にロシア軍がかなり多数の重装備を遺棄せざるを得なかったことです。ロシア軍はオスキル川を防衛線とすることで態勢を立て直したようですが、ドンバスへの大規模な攻勢が可能になるまでにはかなり時間がかかるのではないでしょうか。
 他方、イジューム東方のリマンやその南側のバフムト周辺ではまだ激しい戦闘が続いており、ロシア軍が完全に総崩れになったというわけでもありません。
 これから泥濘が本格化してくることを考えると、秋の攻勢はこのくらいまでがひと段落であり、次の大規模な展開は冬に持ち越し、ということになるのかもしれません(そう簡単に見通せないのが戦争というものの難しさではありますが)。
 こうした中の2022年9月21日、プーチン大統領は兵力を補うための部分動員を発令しました。
 ロシアの動員システムについては第175号で詳しく紹介しましたが、今回発令された部分動員は総動員に至らない、限られた数の予備役動員である、ということになっています。

 部分動員発令に合わせて公開されたプーチンのビデオメッセージによると、その実施原則は次のとおりです。

・何らかの形で軍務に就いたことがあり、現在は予備役にある者が対象である
・特にロシア軍で勤務し、特別の技能や経験を持つ者を優先する
・動員された者は戦場へ送られる前に、今次「特別軍事作戦」の戦訓を考慮した追加訓練を必ず受ける
・動員される兵士の地位、給与、社会保障などは契約軍人と同等とする

 仮に上記のような見通しに立つならば、秋の間に兵力を補充し、冬には主導権を取り返せるような大攻勢を掛ける、というのがその目的ということになるでしょう。

動員令の中身

 一方、これと同時に出された大統領令「ロシア連邦における部分動員の発令について」は、プーチンの発言をもう少しテクニカルに規定しています。以下、その全文を見てみましょう。

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