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第221号(2023年5月15日)ウクライナ軍反攻始まる? ロシア動員兵の交代問題 ほか

【今週のニュース】黒海艦隊司令官が語るウクライナ戦争 迫る動員兵交代 ほか

ゲラシモフは「手強い敵」 ザルジニー総司令官

 ウクライナ軍のザルジニー総司令官は、13日、YouTubeでのインタビューで、ロシア軍のゲラシモフ参謀総長を「手強い敵」と呼んだ。また、ゲラシモフ参謀総長の著書(正確には演説の書き起こし)を常々愛読しているとも述べている。

黒海艦隊創設240周年

 ロシアで最も古い艦隊である黒海艦隊(ChF)が13日に創設240周年を迎えた。これを記念してロシア軍の機関紙『赤い星』が12日に掲載したソコロフ黒海艦隊司令官に対するインタビュー記事では、現在の戦争を「再び台頭したナチズムとの戦い」と位置付けた上で、艦隊の作戦について次のように述べた。

・黒海艦隊は特別軍事作戦に直接関与している。特に開戦諸島にはベルジャンシクへの上陸作戦を行なってザポリージャ、ヘルソン、マリウポリの解放に貢献した。
・ウクライナ海軍に対して壊滅的な打撃を与え、その主要艦艇をオデッサやオチャコフに撤退させた。
・カリブル巡航ミサイルによる攻撃でウクライナの防空システム、部隊終結地点、弾薬庫、燃料貯蔵庫、航空基地、鉄道駅など180以上の重要目標を破壊した。
・バール及びバスチョン対艦ミサイル、及び砲兵部隊も使用され、70目標を破壊した。
・この結果、敵は海上作戦が不可能となり、クリミア内の黒海艦隊施設や民間インフラへの攻撃にシフトせざるを得なくなっている。黒海艦隊は空・海からのドローン攻撃、破壊工作グループ、機雷への対策を重点的に行なっている。
・航空宇宙軍と協力してドローン対策のためにレーダー覆域を広げたほか、水上・水中ドローンを阻止するセンサー類を展開している。
・アゾフ海の機雷掃海を完了し、アゾフ海内部での水上空通を復活させた。

予備役を訓練のために招集

 5月10日、プーチン大統領は、予備役を訓練のために招集する大統領令に署名した。大統領府の公式サイトには言及がないが、政府の法律ポータルサイトでは公表されているとのこと(本稿執筆時点ではアクセスできず)。
 ウクライナでの戦争が続いている最中なので「隠れ動員」が当然のように懸念されるが、国営紙『ロシア新聞』はこの点を強く否定する記事を掲載した。これは演習の前に行われる通常の予備役招集なのであって戦争とは無関係だ、という軍事評論家ヴィクトル・リトフキンの見解も引用されており、同人の意見によればこれは秋に実施される「ザーパド2023」演習に関係しているという。
 他方、『ヴェドモスチ』は軍事専門家ヴィクトル・ムラホフスキーの見解として、これが昨年秋に動員された予備役兵の交代要員を訓練するためのものであろうとしている。

 さりげなく述べているが、つまりは第二次動員の準備であるということになる。実際問題として、動員された兵士も一定期間が来れば除隊させて家に帰さねばならないわけだから(ウクライナ軍も同様)、現在の兵力規模を維持しようとするならばいずれ第二次動員は不可欠となろう。同様の見方は『独立新聞』のウラジーミル・ムヒンも示している。

【インサイト】ウクライナ軍反攻始まる?

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