トベない夢の話
空を飛ぶ夢をたまに見る。
のだが、動力飛行であったことが一度もない。
つまり背中から羽根が生えるとか、ジェットエンジンがついてるとか何か不思議な力で空に浮かべるとかそういう設定ではなく、毎度滑空なのだ。
そして毎度必ず、失速して飛べなくなる。
しばらく前に見た夢は、それでも割にちゃんとしたハンググライダーのような翼がついており、高層ビルの合間を飛び回っていた。
だが、「それじゃあこのまま大阪まで行っちゃおうかな」とか調子こいた瞬間に何故か実家のベランダにおり、「この高さじゃ滑空できないな」となんだかしょぼくれたことを考えていた。
毎度こうなのだ。
その後、高校の野球場のバックネットみたいのに登って「こここらなら行けるかも」と思っているところで目が覚めた。
先日の夢はもっと情けなく、昔から我が家にある緑色のタオルケットを両手で広げて自宅のベランダに立ち、「いくらなんでもこれじゃ無理だ」と思っている夢であった。
胸には赤ちゃんのおくるみのようなもので猫をゆわえつけていた。
まあそれにしてもタオルケットじゃな。