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第212号(2023年3月6日)結合する陰謀論と核戦略
【NEW CLIPS】ベラルーシのドローンがロシア空軍機に「タッチ」
BYPOL has now posted the full video online. Importantly in the attached statement they only state the drone entered the airbase and landed on the A-50. It does not mention an attack or explosions. https://t.co/Y1N30PGTLb pic.twitter.com/R76oQigCG8
— Bellingcat (@bellingcat) March 2, 2023
ベラルーシのマチューリシ基地に展開したロシア空軍のA-50U空中装軌警戒管制機(AWACS)に対するパルチザン組織BYPOLの「攻撃」の模様。実際はレドームにタッチして逃げただけで破壊的行為は一切なかったようだが、ロシア軍に対して飛行場警備の負担を強いるとか、高価値アセットをより後方から作戦させざるを得なくするなどもコスト賦課戦略、という意味での効果を狙ったものと思われる(ただの悪戯、という可能性も排除はできないが)。
【今週のニュース】ウクライナの反攻作戦は南部を狙う?ほか
イランとロシアの軍事協力が拡大中
『フォーリンポリシー』誌によると、イランとロシアは軍事協力をさらに拡大させている。NATOの当局者5人の談話をもとにしたもので、既に報じられていたイラン製自爆ドローン工場をロシアに建設する計画が実際に進んでいること、その見返りとしてロシアが戦闘機、ヘリコプター、防空システムを供与するとの見通しが強まっていると報じられている。
ロシア軍の野戦防空部隊が航空宇宙軍の直轄下に?
ロシア軍に近い筋2人の談話としてTASS通信が報じたところによると、ロシア陸軍の防空部隊は航空宇宙軍(VKO)総司令部に直接隷属することになった模様である。野戦防空システムをVKOの指揮下で統一的に運用しようという話であると思われるが、理屈では分かっても現実がそう簡単であるかどうかは別問題である。そもそも野戦軍の行動に随伴する野戦防空システムを空軍が指揮できるのか、データリンクが可能なのかどうかなど、ちょっと考えても疑問だらけではあるのだが、興味深い情報として紹介した。
ウクライナの反攻作戦は南部を狙う ウクライナ情報総局
ウクライナ国防省情報総局のスキヴィツキー副総局長は、ウクライナ軍が春までに反攻体制を整えて南部のロシア軍戦線に「楔を打ち込む」のだと述べた。ドイツ紙『ドイッチェ・ヴェーレ』のインタビューに対して答えた内容を『ウクラインシカ・プラウダ』がキャリーした。さらにスキヴィツキーはハルキウの北側にあるロシア領ベルゴロドの弾薬庫に攻撃を行うことも排除しないと述べており、全体的にセンセーショナリズムを狙ったインタビューであるようにも見える。
ただ、ウクライナ側がこうしたジェスチャーを見せればロシア側も疑心暗鬼にはなろうから、その意味では広義の情報戦の一環と捉えておくべきであろう。つまり、ドンバスの主戦線からロシアの戦力を分散させる狙いがあるのではないかということだが、もちろん実際に反攻の主正面が南部になる可能性があることはこのメルマガでも幾度か触れてきた。
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