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第202号(2022年12月12日) 膨れ上がるロシアの国防費

【NEW CLIPS】珍しい「酔って饒舌なプーチン」

 12月8日、戦争英雄への勲章授与式で記者からのインタビューに答えたプーチンの様子。「ウクライナの電力インフラへの攻撃は先にウクライナがクリミア大橋を攻撃したからだ」といった持論を展開しているが、ところどころ呂律が怪しいところがあり、パーティーのシャンパンで酔っているように見える。プーチンが人前で酔っている様子を見せるのは非常に珍しい。

【インサイト】2023年度ロシア国防予算は1兆5000億ルーブル以上増加

2023-25年度ロシア連邦予算法が成立

 12月5日、プーチン大統領は2023年度予算及び2024-25年度計画予算に関する連邦法に署名しました。同法自体は途方なく巨大なものなので、ここではロシアの銀行業界誌(らしい)『バンク・セヴォードニャ』のサマリーを紹介しておきたいと思います。

マクロ経済に関する想定(GDP/成長率/インフレ率)
・2023年度 14兆9949億ルーブル/マイナス0.8%/5.5%
・2024年度 15兆9714億ルーブル/6.51%/4%
・2025年度 17兆598億ルーブル/6.81%/4%

歳出/歳入/対GDP財政赤字率
・2023年度 29.1兆ルーブル/26.1兆ルーブル/2%
・2024年度 29.4兆ルーブル/27.2兆ルーブル/1.4%
・2025年度 29.2兆ルーブル/27.9兆ルーブル/0.7%

『コメルサント』によると、以上の想定は事前の予測よりもやや厳しい想定に基づくものであるようです。例えば2023年度の税収は26兆1300億ルーブルと想定されますが、これは2022年度に比べて1兆6000億ルーブルも少なく、他方で支出は2022年度を600億ルーブルほど上回っています。また、この結果として財政赤字はGDPの2%と想定されていますが、これは6月時点で経済発展省が予想していた1.1%のほぼ倍に当たります。

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