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第50号(2019年8月23日) INF失効後の世界を考える
存在感を増す「軍事大国ロシア」を軍事アナリスト小泉悠とともに読み解くメールマガジンをお届けします。
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【インサイト】INF条約失効後は「大軍拡」の時代をもたらすか?(多分そうではないという話)
今月2日、米露間で結ばれた中距離核戦力(INF)条約が失効しました。同条約は射程500-5500kmの地上発射型ミサイル(弾道ミサイルや巡航ミサイル)の配備を全面的に禁じるものでしたが、今後はそのような縛りは存在しないことになります。
実際、米国は8月19日にトマホーク巡航ミサイルを地上から発射するデモンストレーションを行って見せました。従来であればこの種の地上発射巡航ミサイル(GLCM)を製造・発射することはINF条約第7条で禁じられていたので、条約失効を象徴するような光景と言えます。
発射の模様は以下から閲覧可能。
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