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メルマガ小泉悠と読む軍事大国ロシアの世界戦略(定期購読版)

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2024年3月の記事一覧

第259号(2024年3月25日) 14個師団増設は動員の前触れか?(多分違うという話)

【インサイト】戦時下で進むロシア軍改革 14個師団増設、「河川小艦隊」設置など 3月20日、モスクワでは定例の国防省幹部評議会が開催されました。四半期に一回開催されているものです。実際に何が話し合われているのかは明らかでないのですが、ショイグ国防相の発言録だけは毎回公表されます。今回は表題に掲げた通り、重要な論点が幾つか出てきたので詳しくみていきましょう。 物資装備補給担当国防次官の交代  ショイグ発言の冒頭は人事で、物資装備補給(MTO)担当国防次官がアンドレイ・ブル

第258号(2024年3月18日) ロシア軍の軍管区再編が意味するもの

【今週のニュース】ウクライナ向け砲弾供給計画続報 ほかロシア海軍総司令官罷免?  先週、ロシアのマスコミ各社は、ロシア海軍のニコライ・エフメノフ総司令官が罷免されたのではないかという観測を一斉に報じた。出元は『イズヴェスチヤ』の記事である。  この戦争が始まって以来、ロシア海軍はミサイル攻撃と水上ドローン攻撃によって巡洋艦1隻、潜水艦1隻、大型揚陸艦4隻、哨戒艦2隻、ミサイル艇1隻など多数の損害を出している。第二次世界大戦後のロシア海軍が被った損害としては例を見ないもの

第257号(2024年3月11日) 2024年度版の「ミリバラ」と「ニュークリア・ノートブック」ロシア編を読み比べ

【今週のニュース】「ロシアが宇宙空間に核兵器配備」疑惑について ほかウクライナ向け砲弾80万発の購入資金集まる(?)  前号で紹介したように、チェコは欧州域外から80万発の砲弾を有償でかき集め、ウクライナへと送る計画を立てている。これまでのようにEU内で生産して戦略援助としてウクライナに送るのではなく、EUの外から買ってくるということだ。世界中に存在する榴弾砲の弾は80万発どころではないだろうが、少々外国に売っても大丈夫なくらい備蓄弾薬に余力があり、尚且つ政治的にウクライ

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第256号(2024年3月4日) 「核使用基準」とはなんなのか ロシア軍流出文書報道から考える

【今週のニュース】ウクライナへの砲弾80万発供与計画アウディーウカの陥落とその後  2月17日、ロシアのショイグ国防相は、ドネツク州のアウディーウカを完全に掌握したとプーチン大統領に報告した。アウディーウカは2014年に始まったロシアによる最初の侵略でも戦場となり、その後、要塞化されていたが、ついに陥落したことになる。  その3日後、国営TASS通信のインタビューに答えたショイグは、アウディーウカ攻略に関して詳しく語っている。ショイグによれば、昨年夏以降に行われたウクライ

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