弱さは「魅力」のひとつ。ADHDで苦しんでいる人に伝えたい事。
数年前、高須クリニックの院長が、自分の彼女に整形をしない理由に私は小さな衝撃が走った。
「人は欠損に恋をするんです。黄金率でないもの、弱いもの、足りてないもの、人はそれを見た時、本能で補ってあげようとする。
その弱さや未熟さを自分だけが理解していると思う。欠損の理解者になるのです」
これを聞いて、なんとなく分かると思う人は意外にも多いのではないか。
短所がある人は愛されるというロジック
人気マンガの人気の秘訣、それは登場人物の「弱点」
ワンピースで麦わらの一味は、全員「辛い過去」を抱えながらも仲間を大切にし、強い敵に果敢に立ち向かう。
〇〇〇〇の実を食べればどんな特殊能力も使えるという、「なんでもアリ」な設定の中で、この登場人物の「辛い過去」の描写は繊細で緻密に描かれている。(ような気がする)
中でも、見入ってしまったのが ホールケーキアイランド編の幼少時代のサンジの話だ。父・姉・兄・弟に挟まれたサンジの環境は現代社会を上手く表していると思う。
紳士でカッコよく男らしさのあるサンジだが、幼少時代は落ちこぼれで、父を筆頭に兄弟からに壮絶ないじめを受け、父の部下たちからは後ろ指をさされるという過酷な毎日を過ごし、自由と夢を追い求め親元から離れる決心をする。数十年後、家族に再開したサンジ。軋轢のある家族がピンチの時にとった行動は、様々な人間の優しさに触れながら過酷な状況を乗り越えたサンジだからこその選択だと思う。
また、スラムダンクがヒットした理由についても作者は登場人物の弱点を描く事にこだわったからだ語っている。
ジャンプの漫画はもしかして、そういう方針があるのではないだろうか?
また、おそ松くんというアニメでは六つ子すべて恋愛経験が無く、ニートという衝撃的な設定である。
このはちゃめちゃギャグアニメ、私は初期の頃なぜか斜に構えて嫌悪していたが、最近見る機会があり一通り鑑賞したところ、1人1人が自分の弱さと戦いながらも成長しようともがく姿を絶妙に社会を風刺しながら描かれており、気付けば不覚にも見入ってしまった。
誰もが羨む美女でも、闇を抱えている。
少し話しが前だが、沢尻エリカがADMAを所持して逮捕された時、ヘルタースケルターをもう一度見てみようと思った人もいるのではないだろうか。
不思議と逮捕後の方が魅力的に見えないか。
人間の持つ弱さと儚さがよりリアルに伝わってくる。
世の若い女性が羨むような美貌を持っているにもかかわらず、1人で闇の中をさまよっていた。騒動の後、手書きの文章で謝罪の意を示す姿からは彼女の不器用な人間性が感じられる。
私はこれを見て、純粋に復帰して欲しいと思った。
不器用なままでいいから、報道陣を冷たくあしらうエリカ様でもいいから、もう一度芸能界で強く生きて欲しい。
「弱さ」をさらけ出す事で愛され上手になる。
人間関係を上手く構築できる人というのは、意外と弱みを上手に見せれる人が多い。くだらないプライドを捨て、人間としての自分を無防備に晒け出せる。コミュニケーション能力に長けている人は、弱さを上手く使いこなせる。
一方で不器用な人は弱みを見せるのが苦手だったりする。プライドで塗り固められたカンペキな人間には人は心を開かない。カンペキな人間と一緒にいるのは心地よくない。
ダメ男にハマる女性がいるのも、家事をカンペキにこなし彼氏に尽くしている女性が愛されないのも、やはり、弱点を上手く使えてないからではないだろうか。
プライドとかを捨てて、素の自分をさらけ出せる人間関係って大切だ。
ADHDで悩む人たちへ、仕事が出来なくてもいい。
ADHDで悩む人に伝えたいのは、仕事が出来なくてもいいという事だ。
どれだけ努力しても、出来なくて、どれだけ答えを探しても見つからないなら逃げるという選択をしてもいい。
忘れ物をしても死ぬわけではない。フォローしてくれるパートナーを見つければいい。
悩んで、苦しんだ経験は絶対に役に立つし、同じような事で悩んでいる人の力になってあげてほしい。
努力をして、出来なかった事が出来るようになった時は誰かに教える時に役に立つ。「出来ないメカニズム」が分かるので教え方を工夫する事が出来る。
人っていうのは、自分を含めていいかげんなもので
数年前は見向きもしなかったものが急にもてはやされるようになったり
急に手のひらを返してきたりする。
もしかしたら十数年後ADHDがもてはやされている時代が来るかもしれない。ADHDは魅力の一つだと言われる日がいつかきっと来ますように。
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