グッドバイ
グッドバイという曲がある。
初めて耳にしたときの衝撃と映像を見たときの衝撃を今でも覚えている。
作者の話、あのころはどん底だった、しんどかった、辛かったとのコメントを目にしたことがあるが、その暗闇の中で生まれた作品に儚さと苦しさ、美しさを感じる。
どちらの目線の曲なのか。
亡くなった人の目線かそれとも現世に生きる、進み続ける者の目線なのか。
それを第三者的目線で見ている傍観者の目線なのか。
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ただひとつ、衝撃で考えさせられたことがあって
「先に旅立った」「自分を残して逝ってしまった」というような、
現世に留まる私たちを置いて先に進んでしまったというような表現をされるが時を止めたのは亡くなった方なのだろう。
それから進むことのない時間、とまった時間の人を置いて先に進んでいってしまうのは現世に生きる者。
時間を止めるすべはなく、ただ生きる。
ただ進むのみ、時間は無情なものである。
亡くなった人をその時間に置いて、
船に乗っているがごとく漕がずにも時間という川に流されてゆく。
時間が進むことは幸せでもあり残酷でもある。
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ありふれた幸せと別れ、いくつあるんだろう。
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グッドバイ/サカナクション