妊娠中の記録②<妊娠初期2>
あっという間に38週目も半ば。
先日37週の検診があったが、産院によって内容がかなり違っているらしい。私の通うところは経腹エコーとNST(ノンストレステスト・赤ちゃんの心拍とお腹の張りをみるもの)があり、内診はなかった。
内診がなかったので子宮口の様子は分からなかったが、張りと赤ちゃんの位置から38〜39週のうちに産まれてくるかもしれないとのことで、毎日ソワソワしながら過ごしている。
さて、前回に続いて妊娠初期の振り返り。
仕事
私は妊娠発覚時、いくつか仕事を掛け持っていたのだが、うち2つはシフト制かつ現場で走り回る仕事だった。妊娠が発覚した時点で事情を伝え、今後のシフトを全キャンセルしてもらう他なかった。当日急遽シフトを代わってもらうことでかける迷惑を考えると、結果的に5〜6週の心拍を確認できないような時期に職場に妊娠公表をすることになったが、幸いにもどの職場の方々も温かいお言葉をかけてくださり、シフト変更などすぐに対応してくださった。
またある仕事は週4で電車通勤をしていたが、6週頭の時点で電車に酔うようになってしまった。事情を話したところ、幸いにも在宅勤務でなんとかなる仕事内容だったのと、在宅用のPCも手元にあったため、翌日から在宅勤務をさせてもらえることに。当初はつわりが終わったら出勤させていただくつもりだったものの、ご相談させていただいた上で産休までオール在宅で働かせていただくことが出来た。本当にありがたい……。
つわりが大変な時期こそ、休ませてもらったり仕事の仕方を調整させてもらうことが必要なのに、世間にはなんとなく安定期まで隠さなきゃいけないという空気が流れている気がする。
私自身、この時期は本当に妊娠を継続できることが奇跡のように思えていたし、妊娠を伏せておくことが万が一つらい結果になってしまった時に自分の心を守ることにも繋がるというのは理解していたけれど、変わりゆく体調を目前に、現実的にそれは難しいということを実感した。
メンタルが崩壊した日
5週の始め頃のこと。
前述の通り、現場系の仕事はシフトの交代や退職をお願いせざるを得なくなった。
今や「妊婦は普段通りあれこれこなせなくても仕方ない」というマインドで過ごしているが、この時期はいつも通り動けなかったり、体調が悪かったり、出来ない仕事や家事があることが受け入れられず、それが本当に悔しかった。
午後からは微熱とだるさで頭が働かない日々。例えるなら連続使用して熱くなったPCのよう。脳を使う作業はなるべく午前に回したが、退勤間際には色々と限界を迎える。
そんな状態で帰ってきて、仕方がなく洗濯を回したりと家事を少ししてみるが、例えば洗濯を干すと目眩がしてきたりして、簡単な家事すら満足に出来ない自分が辛かった。
そんな時、夫が仕事で行き詰まった様子で帰ってきた。普段なら心に余裕を持って「どうしたの?」と話を聞くことができるのだが、この時の私は、自分の身体に守らなければならない不安定な命があること・思うように仕事することもままならない体調であることに悩んでいて、仕事の「内容」に関する悩みなんて1次元上の悩みだと感じていた。自分の身体は日々赤ちゃんのために変わっていき、それによって諦めなければならないもの(仕事や友達との外出)が沢山あるのに、夫の生活は親になることが確定してからも何一つ変わらない。それが羨ましくて、同時に辛くて。
普段、感情的になりそうな時はその日は一旦早めに寝て、次の日に頭が落ち着いてからできる限り冷静に伝えるよう心がけているのだけど、この日はさすがに限界で、号泣しながら思っていることをぶちまけてしまった。
ただのホルモンバランスの崩れだと思われるかもしれない。けれど当人にとっては心身ともに本当につらく、ホルモンバランスのせいだ、という一言で片付けられるにはあまりにもしんどかった。
血液型不適合妊娠
妊婦検診には、初期・中期・後期各1回ずつ血液検査が組み込まれている。
初期の血液検査で、私の血液がRh-であることが判明した。
200人に1人の割合らしい。こんなところでレア感発揮しても仕方がないのに……。
両親もRh+だったからRh-である可能性はミリ単位でも想定していなかったし、手術や献血も経験してこなかったため、この歳まで判明せず。(これは後々知ったのだが、叔母がRh-だった)
詳しいことは大きく割愛するが、母体がRh-・配偶者がRh+・赤ちゃんがRh+の場合、最悪の場合死産や流産となってしまう可能性があるという。(赤ちゃんの血液については産まれてからの検査になるが、配偶者がRh+の場合は高確率でRh+になるそう。そんな中私はなぜRh+の両親から低確率であろうRh-の子として生まれてきたのか……疑問。)
その恐ろしい事態を防ぐためには、28週・出産後3日以内・その他お腹の中で出血するような事態が発生したときにグロブリン注射を打つ必要がある。注射は保険適用だったが、それでも6〜7000円/回近く自費で支払った。高いよ〜。何度も打ちたいものではないので、ただでさえ妊婦は転んだら超リスキーではあるが、より一層転ばないように注意を払いながら過ごすことになった。
なお、この注射についてネットで検索すると「筋肉注射でとても痛い」と出てきたりするが、コロナのワクチンを30秒くらい打ち続けるような感じで、私の場合は副反応もちょっと腕がだるくなるくらいで済んだので余裕だった。もし不安に思って検索してこの記事に辿り着いた方がいらしたら、少しの安心材料としていただければ嬉しいなと思う。
ベルリンフィルのコンサート
11月、ベルリンフィル来日時のコンサートのチケットを(私たち夫婦にしてはかなりの高額をはたいて)夏頃に入手していた。
しかし11月に入りつわりの症状は日に日に悪化。この時期、近所へのお出かけもままならず、電車は検診の際に10分くらい我慢してなんとか乗るくらいだった。
私たちは滋賀に住んでいて、会場のフェスティバルホールのある大阪までは1時間以上かかる。現実的に考えればホールへの往復が特に厳しい。けれど高額を出した手前、どうしても諦めきれない。
そこで、コンサート前日に1日かけて移動しホール近くのホテルに前泊することにした。
案の定電車はしんどかったが、常に夫と喋り続け気を紛らわせ、飴を舐め続け、カイロを貼って、保険でエチケット袋を持って……とできる限りの対策をとりなんとかかんとか移動。
そして、ホテルで翌日昼までのんびり休んでホールへ。ギリギリまで部屋で休んだものの、この日は高熱の日のようにフラフラしていた(※あくまでつわりの症状)のでしんどかったが、念願のフィルの演奏に、ワクワクふわふわとした心地のままあっという間に時間が過ぎた。
この公演、団員の方が演奏中に倒れてしまう大変なハプニングがあった。その方の命に別条はなかったようでホッとしたが、そんなトラブルもあり途中から自分のつわりの心配どころではなくなったのは確か。
家に着いたら気持ち悪さで起き上がれないほどのダメージだったが、結果的には無理をしてでも聴きにいけてよかったと思っている。
おまけ
この記事の画像として設定したトツキトオカアプリの赤ちゃん、毎日色々なことをお喋りしてくれて可愛いのだけど、ショパンの木枯らし知ってて笑った。人生何周目なんだろう。
妊娠中期以降の記事はまた今度。
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