10/23 ラファウ・ブレハッチさんリサイタル @ザ・シンフォニーホール
1ヶ月近くに渡り盛り上がったショパンコンクールも終わりを迎える本日。
今年8月に反田さんのリサイタルに行った際、コンチェルトまで聴けたらいいなとnoteに書いていたのですが、念願叶って聴くことが出来ましたね。しかも2位入賞。素晴らしい……!
(その時の記事がこちら。)
そんな本日、ブレハッチ様のコンサートに行くことができました。さん、よりも様呼びがしっくりくるのでそう呼ばせていただきます。
言うまでもない、ブレハッチ様はかつてのショパンコンクール優勝者。今回リアルタイムで初めてコンクールを追ってみて、2位なしであらゆる賞を掻っ攫い優勝することがどれだけすごかったのかよく分かりました。コンチェルト1番3楽章の映像は何度見ても鳥肌立ちます、、、。
本日の会場は大阪のザ・シンフォニーホール。
仕事では年2回くらい来るものの、客としてくるのは初めて。
今回2階正面下手寄り後方座席だったのですが、思っていた以上に舞台が近くてびっくりしました。視力の問題でやっぱり表情までは見えず。
今回の曲目はこちら。
前半はハ短調、後半はロ短調で統一されています。ご本人の事前インタビューを拝見すると、考え尽くされたプログラムということが分かります。
(インタビュー記事のリンクです)
https://kanagawa-geikyo.com/2021-09-14-4049/
以下、感想。素人の独り言としてお読みください。
終始とてもナチュラルなご登場・ご着席、そしてナチュラルな弾き姿でした。品よく爽やか。
バッハは一音一音くっきりはっきり。速いパッセージの複雑な対旋律も美しく展開され、こちらが追いきれなくなってなってしまうくらい。
次にベートーヴェンを聴くと同じホールピアノとは思えないほど聴いた印象が変化して、力強く端正。
実はブレハッチ様の演奏は、2010年に地元の埼玉で一度聴いたことがありました。その時の印象は、繊細でノーブル、儚げな感じ。(ポーランド生まれであることに加えて、そのような雰囲気がよりショパンを思わせるのでしょうね……)
しかし今回、ノーブルな音色の中にもパッションや知性、ヘルシーさを色濃く感じました。とはいえ、以前聴いた時はオールショパンだったので、選曲の違いは大きいかと思います。(というのも、アンコールのワルツには以前の演奏時のような印象を抱いたので)
前半も良かったのですが、後半プログラムは更に神がかっていました。
後半プログラム前半のフランク。好きな演奏でした。ホールの上側にふわっと響くハーモニーがあまりに清らかで。なんだか長崎の大浦天主堂や浦上天主堂に行った時のことを思い出しました。私は教徒ではないものの、中高がカトリック校だったので教会やミサは懐かしくなる。
弾き終わり、余韻が抜けずうっとりしていたところ、続けてショパンのソナタ3番が始まって一瞬でそちらに引き込まれました。
前述の通り、フランクとショパンの間に拍手が無かったのですが、前半は一曲ごとにわざわざ袖に戻られていたことを考えると、構成上、何らか意図があって敢えて間を開けずに弾き始められたのだと思っています。
このショパンのソナタ、ご本人のショパンコンクール時の映像も録音音源も聴いたことがあった上に、先日のコンクールでもコンテスタントの方が弾いているのをいくつか拝見したりしましたが、生演奏という点を差し引いても今日の演奏がダントツで素晴らしかったと思います。
とりわけ4楽章の疾走感は凄まじく、圧倒されました。願わくばもう一度聴きたい。
迫力のソナタの後、鳴り止まない拍手。何度もカーテンコールがあった後にアンコールのワルツ7番。わ〜〜これぞ正統派ショパン……!
ショパンコンクールで優勝すると一生ショパン弾きとしてショパンを求められてしまうのかななんて少し不憫に思いつつも、美しいショパンが聴けて嬉しかったです。
ご本人も、延期の末に熟考を重ねたプログラムを披露できる初日ということで悦びがあったのではないかと思うし、こちらとしても、健康な状態で、隔離を承知の上ポーランドから来日してくださって演奏を聴けることに感謝です。明日以降も大成功となることを願います。
今月は良い音楽(97%くらいショパン)を沢山浴びることができて幸せでした。パートナーも私も、音楽に携わる仕事をしている以上、ジャンル問わず定期的に良い音を浴びて耳を肥やすのは大事ですね。(という大義名分の元、今後も積極的にコンサートに出かけたい!!!)