ホワイトデーまで7最終回後編
前回までのあらすじ。
メッセージを残した私の元には、
一番初めに考えていた最悪の展開だった。
そして…。
(違うので前回のも読んでみてください。)
実際に返信が来るとは考えていなかった。
ただ14日に、と送ったのだから。
現実は一番初めに考えていた最悪の展開だった。
返信メッセージが来ていて、
どう説明するも何も、
口をつぐむ以外の選択肢を与えられていなかった。
もしも、何か一言でも送ったら、
その時点で全て終わる。
内容を読めば明らかだった。
「やっぱり送るべきではなかった。」
消え入りそうな声で呟いた。
一番はメッセージの内容に
「嫌な思いをしたくなくて言ったのに」
の一文。
あの人に嫌な思いをさせてしまった。
なかったことには出来ない。
もしかしたら嫌な思いをしたのではなく…
推測や憶測はやめよう。
気を遣うあの人が書いたメッセージ。
実際には書いた内容以上に辛い気持ちになった。
そういうこと。
14日に送るメッセージの内容を
下書きで書き留めていった。
なるべく時間を取らせないように。
読むことで負担にならない程度の長さに。
きっと最後に送るメッセージ。
LINEはコミュニケーションツール。
連絡を取る為のツールではない。
今までの謝罪、
それから感謝の言葉を綴り、
最後は、返信不要。
いや、さようならか。
一方的に嫌な思いをさせてしまった。
すれ違いでケンカをしたのなら、
話し合いをする余地もある。
一方的に嫌な思いをさせてしまった。
「DVだよ、自分がしたことは。」
そう、言葉の暴力を奮われたのと、
あの人にとっては同じこと。
話し合いの余地はない。
色々なことを思い出しながら、
3月14日に送るメッセージの下書きを
書き留めていった。
あとは3月14日にメッセージを送って、
全ておしまい。
トークルームの削除はしない。
ブロックもしない。
ただ、全ておしまい。
そして3月14日にメッセージを送った。
もちろん返信は来ない。
期待もしていない。
そういう内容を送ったのだから。
こうして3月14日は特別な日になった。
ホワイトデーまで
(終わり)