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3月14日ホワイトデーまで4
前回までのあらすじ。
仕事を終えてストリートピアノを弾きに。
そこで…。
(嘘なので前回のも読んでみてください。)
自分なりに気分転換をしてみると、
もうかなり夜も遅くなっていた。
「ああ、そうか。金曜日だから、
カップルが多いんだ。」
そう言葉にして口に出してしまっていた。
「外より寒い家に帰ろうかな。」
そのまま初日の3月11日を終えるつもりだった。
3月12日と3月12日は超激務のスケジュールで、
仕事を入れてある。
「この予定通りでいけば、
3月14日なんてすぐだ。」
ボソリと呟きながら賑やかな、
元居た場所を振り返らずに早足で歩き出した。
あの人のことばかり考えて、
いつも過ごしていた自分は、
出来るだけ、あの人のことを考えないようにと
そういう過ごし方に変わっていた。
いや、過ごし方を真逆に変えていた。
出来るだけ、あの人のことを考えないように。
思い出す時間も無いようにと。
(続く)