雨音【曲から浮かんだ短編物語シリーズ】
雨音(アメノオト)
「ちっ、雨かよ。」
サーっと雨が降り出した。
僕は、駅に向かう途中、公園の四阿で、雨が降り止むのを待った。
公園の新緑が、みずみずしい。
ブランコの下に、水たまりが広がり始めていた。
公園には、小学生くらいだろうか。
二人の小さな女の子が、傘を広げていた。
ポンポロロン
ピッチャンチャン
子どもたちは、傘を叩く雨粒の音を、笑いながら、楽しんでいた。
いつからだろう。
雨が降ると、少し、ブルーになってしまうのは。
僕は、子どもたちが帰る姿を横目に見ながら、ふぅ、っと息を吐いた。
水たまりに跳ねる、雨の、音。
ニセアカシアの、葉っぱを滴る、雨の、雫。
四阿の屋根で、雨が奏でる、音楽。
「そうだよな。」
僕は、思わず呟いた。
なんだか、懐かしくて。
気づけば、雨は止んでいた。
さとうゆうさんの「聞き流すピアノ番外編『雨音』」を聴いたとき、すぐに、佐野洋子さんの「おじさんのかさ」の物語が浮かんだので、寝る前に、ピアノの音に委ねながら、ショートショートストーリを綴ってみました。
みなさんは、どんな物語が浮かんだのでしょうね。
朗読企画「アメノオト」
(音声配信 stand.fm 内企画)
さとうゆうさんと、僕の、初めてのコラボ作品となりました。
この朗読企画は、
① 共通するハッシュタグ( #アメノオト )と、共通のサムネイルを使って、
② さとうゆうさんの「雨音」をBGMに、
③ この短い物語を朗読して、
④ stand.fmに収録する、
というものです。
あなたの「声」を通して、この物語に彩りを与えてください。
収録された作品は、ここに、リンクを貼ろうと思います。
小さいけれど、素敵な物語が広がりますように。
さとうゆうさんの朗読ムービー
さとうゆうさんのピアノ曲『雨音』から生まれた朗読企画。これをゆうさんが、さらに動画で表現されました。
ずっと、見続けてしまう魔力があります。
あ、魅力です( ・᷄֊・᷅ )
ふぅ、っと肩の力を抜きたいときに、是非見てください。
雨が流し落としてくれますよ。
朗読を紹介します。
■ あおさん
あおさんの声が、カッコよくて、感動しました。
あおさんの擬音を読む声が、とても素敵で、ぞわぞわしました。
特に、傘に当たる雨の音、主人公が一息つく音。これが、情感たっぷりで、あたたかな物語になっていると感じました。
あおさんが描いた主人公の「僕」が見ている虹を、一緒に見ている気持ちになりましたね。
朗読していただき、ありがとうございます。
また、あおさんの朗読後の感想が、本当に嬉しいです。
■ 咲さん
咲さんのとても素敵な朗読に感動しました。
素敵なお声に、優しい語り口に、心から、ほっと、とてもあたたかな気持ちになりました。
主人公の「僕」が笑顔になって、雨が上がり明るくなった空を見ている、そんなイメージが浮かびました。
朗読していただき、ありがとうございます。
■やっくん
やっくんの朗読を聞けて嬉しいです!すごく良かったです。
仕事にも慣れてきて、後輩もできて、でも、ちょっと仕事に疲れたかな、という「僕」が、公園に立ち寄って雨宿りをしている。そんな、イメージが浮かびました。
やっくんのいつも歌のような綺麗なハイトーンではなく、少し低めのボイスの朗読が、とてもかっこいいな、って思いました!
本当にどうもありがとうございます。
■マユミ母さん
朗読していただき、ありがとうございます。
とても穏やかで、癒しの響きのあるお声で、朗読を拝聴し、ほっと、あたたかな気持ちになりました。
特に雨が跳ねる音が、とっても楽しげな感じがしました。
主人公の「僕」が少し、憂いをもった気持ちで呟いているのと、対比がくっきりしていて、より「アメノオト」の色が濃く映るイメージを持ちました。
本当に、ありがとうございました!
■たりるさん
素敵な朗読をありがとうございます!
キュートなお声で、瑞々しい「僕」を感じました。
10代後半、塾の帰りに雨に当たった「僕」が、少しモヤモヤしてたけれど、子供たちの無邪気な姿を見て前向きになった、そんなイメージが浮かびました。
雨の風景の描写が、とても丁寧で、ゆっくりと「僕」が周りを見ているように感じました。
■いくみさん
朗読していただいて、ありがとうございます。
読み聞かせを聞いてるように、ゆったりと安らぐような気持ちになるお声で、柔らかなソファでくつろいでいるときの穏やかな感覚になりました。
そうだよな、と呟く「僕」が背伸びをして、よし、頑張ろうと前向きになっているイメージが浮かび、本当に感動しました!
■サカMOTOさん
朗読していただき、ありがとうございます!
一つ一つの言葉を丁寧に、聞きやすい声のトーンで読んでいただき、物語の世界にすっと入ることができました。
雨が跳ねる音が、とても穏やかでやわらかな雨の音ですが、それと対比して「僕」のつぶやきが、現実をしっかりと掴んだ、そんな決意を感じさせる物語だな、と感じました。
■どるぴょんさん
ご参加いただきありがとうございます!
とても前向きな青年の「僕」のイメージが浮かびました。
降り止まない雨はないよな、って改めて気づいた「そうだよな」、楽しげに跳ねる雨粒の音、丁寧に描かれた情景が素敵でした。
朗読の声が素敵ですね!