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第十八回『おおばかのばくだん』

やたら濃いヤツが出て来ていますが、せっかくなので今回はそいつの解説を集中的にしようと思います。

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八ン十屋銅鑼六

サラッと

お気づきの方もいるかと思いますが、八ン十屋銅鑼六はんじやどらろくの名前はここが初出です。
 
前に名前を出すタイミングについて悩むという話をしましたが、これもちょっと悩んだ部分。
 
もちろん初登場時に出すことも出来たのですが、存在自体の情報量が多いキャラなので、敢えてそこで出すのをやめました。
 
八ン十屋銅鑼六――名の通り、そして見ての通りパンジャンドラムが元ネタです。
 
パンジャンドラムは爆弾をつけた車輪型の兵器で、敵に突っ込ませるはずが、制御不能でどこに転がるかわからない危険極まる失敗兵器として有名です。
 
そのため、アイツの名前が登場と同時に出たときに、作劇上の意味でも、本人の能力的な意味でも、全部手の内がバレちゃうのもアレだなと思って控えていました。
 
「いや、こいつパンジャンドラムじゃねーの?」で留めておいて、「やっぱパンジャンドラムじゃねーか!!」と思ってもらいたかったので、登場2回目の冒頭ナレーションで名前を出すことにしました。

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黒縄地獄泥縄駒競

三之助に見習ってほしいくらいのネーミング

名前といえば、銅鑼六の技名はかなり温度感あるネーミングです。
 
銅鑼六は戦国の暴走族という立ち位置なので、ひと昔前の暴走族が難しい漢字を特攻服に書いていた、あのネーミングセンスをイメージしています。
 
天上天下唯我独尊てんじょうてんげゆいがどくそんなど、どこで知ったのかというような漢字や四字熟語が書かれていたアレです。
 
ところで、黒縄地獄では、熱く焼いた黒い鉄縄を押し付けられる(その後、そこを熱した斧で切られる)とされるのですが、ここでは黒縄を車輪のわだちになぞらえています。
 
駒競は昔の馬による駆け比べのことです。
 
銅鑼六は、チキンレースに泥縄駒競と名付け、よくそれに興じていたという裏設定です。

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この世界の爆弾

爆竹人間

以前の解説で、我々の歴史より早く花火がある設定にしていると書いたのですが、作劇上の理由としては、コイツがいるからです。
 
火薬が発展している世界ではないと出せないキャラなので。
 
ではなぜこの世界で火薬が発展しているのか、その設定上の理由はなにか。
 
心臓病の治療にニトログリセリンが使用されるのはご存知でしょうか。
 
医療用のものが爆発するわけではありませんが、ニトログリセリン自体は、もちろん危険な爆発物です。
 
それが先にあって、心臓病の治療に使用できることがわかったのが我々の世界です。
 
一方、この世界では、治療薬を研究する中で、逆に生まれたのがニトログリセリンという設定です。
 
すなわち、万象のせいです。

さて、次回、第十九話ブログは5月1日(水)、『しごにんの侍』第十九話はその前週、4月24日(水)に公開予定です。

というわけで、今回ここまで。また次回のお楽しみ。