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第二十八回『まじんのしにがみ』

五子いつこが苦労し、それでも勝てない七剣しちけん

しかし、四剣豪よんけんごうはそれを次々打ち破っていきます。

彼らの差とは何でしょうか。

その参考になるかもしれない解説です。

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金曜十三きんようじゅうざの不死性

自分の心臓の血で消火

心臓を突かれようが、自分で握りつぶそうが平気という金曜十三の不死身ぶり。

これは生まれつきのものではありません。

万象ばんしょうが施した施術によるものです。

彼の怪力は生まれながらの呼吸法によるものであり、それを活かすために、新たに心臓を埋め込んでいます。

高い肺活量で取り込んだ酸素を、複数の心臓で全身に送ることで、更なる身体強化を図ったわけです。

そのため、片方の心臓がなくなろうが彼は平気なのです。

しかし、一郎左に唐竹割りにされてしまっては助かるすべはありませんでした。

脳は一つしかないからです。

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金曜十三について

凶行の動機は?

なぜ彼はひとをバラバラにしたのでしょうか?

快楽のため?

いいえ。理解のためです。

彼は生まれながらにあまりに力を持っていたがゆえに、簡単に生き物を壊してしまいました。

彼は、ほかの生き物がなぜそんなにもろいのか理解できず、解体することでそれを知ろうとしたのです。

また彼自身、痛みに対して非常に鈍感なこともあり、他者の痛みに対しても極めて鈍感でした。

両親は早くに亡くしていますが、彼の成長速度は常人をはるかに超えていたため、早くから一人で暮らしていたこともあり、他者への理解が決定的に欠けていました。

それゆえに、感情を出すのも苦手で、薄ら笑いに似た表情を見せるのみでした。

やがてそれが村人たちとの間に軋轢あつれきを生み、悲劇的結末を迎えます。

その際に彼は初めて感情を爆発させたのですが、使い慣れない顔の皮膚が筋力に耐え切れず、はじけてしまったため、以降は面で覆っていました。

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三途川下さんずのかわくだり

シンプルイズベスト

この技は、一郎左いちろうざが編み出した技の中で、最も基本的なものです。

何しろ、三本腕で唐竹割りにするだけなので、細かい技術は必要としませんが、地面に刀をつけないというのが、真に技を制御できた状態です。

前はこの技で道場の床まで斬っていましたが、これはなまくら刀の切れ味を腕の力で補おうとしたため勢い余ってのことで、だからこそ彼は満足していませんでした。

はたから見れば、敵を真っ二つにしてるのだから同じなのですが、そのあたりが一郎左のこだわりです。

いずれにせよ、彼にとって金曜十三は奥義を使うまでもない相手であったということです。

さて、次回、第二十九話ブログは12月25日(水)、『しごにんの侍』第二十九話はその前週、12月18日(水)に公開予定です。

といったところで、今回ここまで。また次回のおたのしみ。