第十六話『はちくのしちにん』
一気に黒幕側の陣容がわかりはじめた今回。
早速解説をば。
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フェロモン
本編中でもあった通り、百足太夫の毒煙は、ある種のフェロモンを含んでいます。
補足しておくと、フェロモンが異性にしか効かないわけではなく、ここで使っているフェロモンが異性にしか効かないもの、という意味合いですね。
その上で、武蔵四郎は五子が動けていることから、男にしか効かない技と考え、接がれた五子の腕なら動くだろうとも考えました。
しかし、実はこのフェロモンが作用しているのは武蔵四郎の脳なので、五子の腕だろうが動かせはしないはずなのです。
では、なぜ動いたのか。
はっきり言ってしまうと、プラシーボ効果です。
つまり、武蔵四郎の思い込みが激しかったというのが真相です。バカは強い。
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破輪の七剣
今回出てきた「破輪の七剣」という言葉。
耳馴染みのない単語かと思います。
輪=和であり、和を破る悪い奴らみたいな意味ですね。
元ネタは「竹林の七賢」で、これは、俗世を離れて清談(高尚な話、哲学等)をした古代中国の隠者を指します。
竹が破になったわけで、ここは破竹の勢いの「破竹」とひっかけている集団です。
そして、はちく=8、9でもあります。
それが7人いるわけですね。
つまり、「しごにんの侍」の「4、5」に対する「7、8、9」的な言葉遊びです。
余談ですが、企画当初は「絶輪の七剣」という名称でした。
アダルティな要素を排するために今の形になりましたが、数字の語呂合わせ的にはよかったかなと思っています。
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七剣なる者たち
その破輪の七剣ですが、修羅百八が「あとの六人」と言う通り、残りは六人。
それがこの画像の万象を除く六人を指します。
つまり、百足太夫は七剣ではありません。
七剣に選ばれるのにはある条件があるのですが、百足太夫はそれに合致していませんでした。
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辞世の句?
辞世の句を拒否し、「何も残さずこの世から消える男がいてもいい」と言っていた百八が、最後に何やら言葉を残しています。
ただ、七五調ではないことからわかるかもしれませんが、これは辞世の句ではなく、不意に浮かんだ素直な言葉です。
ですので、武蔵四郎らに聞こえているかもしれませんが、本人的には聞かせようとも聞かせまいとも思っていないものです。
さて、次回、第十七話ブログはちょっと空きまして、4月3日(水)、『しごにんの侍』第十七話はその前週、3月27日(水)に公開予定です。
というわけで、今回ここまで。また次回のお楽しみ。