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第三十二回『ふっかつのめんめん』

ほとんどバトルなので、裏話も少な目……に見えて、けっこうあったりする回です。

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全員、なにかしらの面

盛り上がる場面での再生怪人軍団はお約束。

というわけで再生七剣さいせいしちけん(6人ですが)の登場です。

それぞれ異なる面をつけており、指定したのは以下の通り。

修羅百八しゅらびゃくや 鬼面きめん鉄輪かなわ
銅鑼六どらろく 嘘吹うそぶき
金曜十三きんようじゅうざ おきな 
千歳白雪ちとせしらゆき 般若はんにゃ(白)
義経二世よしつねにせい 童子どうじ
一九いっきゅう 武悪ぶあく

金曜十三だけはそのままですね。

ちなみに、これらは能面とは限らず、嘘吹や武悪などは狂言の面です。

この面と七剣のパーソナリティにはそこまで深い意味合いはなく、この再生七剣を生んだ黒幕がそれぞれに似合いそうな面を選んだ、くらいのものです。

この件の黒幕が、それぞれの七剣に対し、どういうイメージを持っていたのかがわかるかもしれません。

例えば、鉄輪は本来鬼女を表す面ですので、それを百八に選んでいるあたり、女性との結びつきを強く感じていたのでしょう。

破戒僧はかいそうの一九には仏面を選びそうなところですが、武悪なのは顔が似ていたから、くらいの温度です。

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我流・三重ノ塔

輪切り

一郎左のこの技は、見た目こそ武蔵四郎むさしろう石臼三段挽いしうすさんだんびきに似ていますが、技としては全くの別物です。

三本の腕と三本の刀で円に斬る武蔵四郎は一動作ですが、これは一本の剣で三回斬っています。

石臼三段挽きと三重ノ塔がぶつかったら果たしてどちらが勝つか?

そういう想像も楽しいかもしれませんね。

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紛い物

同じ剣のようだが……?

打ち合いの感触から、一郎左は紛い物と断じています。

そのことから、再生白雪の持つ刀は浦鮫うらさめではないのがわかります。

七剣たちの再生にはからくりがありますが、少なくとも浦鮫を複製することが出来るものではないということです。

ただ幻というわけでもなく、再生七剣の武器は実在しているので折れたりもしますし、銅鑼六の爆弾もちゃんと爆発します。

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再生七剣

あっさりと

その再生七剣が九之助きゅうのすけにあっさり倒されていますが、再生怪人のお約束で彼らが弱い――わけではありません。

その証拠に、一郎左や三之助をもってしても瞬殺できていません。

そう、九之助が強いのです。

再生七剣は、それぞれの特異な体質や特別な武器までは再現されていませんが、単純な戦闘力は本人とほとんど変わりません。

強さは人格に基づいている部分もあるため、単純な戦闘マシーンとなった彼らでは、九之助に抗しえないということです。

なぜなら、九之助自体が生まれながらに最適化されているのですから。

さて、次回、少し空きまして、第三十三話ブログは4月9日(水)、『しごにんの侍』第三十三話はその前週、4月3日(水)に公開予定です。

また、現在、『しごにんの侍』電子単行本第5、6巻が発売中です!
同時発売ですのでお忘れなく!

といったところで、今回ここまで。また次回のおたのしみ。