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尾道の坂の上にある築100年の茶園(別荘建築)が絶景のゲストハウスに

尾道といえば、大林宣彦監督の映画の舞台になったことや尾道ラーメン、そして何と言っても瀬戸内海に面する港町と、急な坂がコントラストになっている街並みの美しさが魅力だと思います。

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そんな尾道でも空き家が増えていて、どうにか再生できないかと日々活動を続けているのが2007年に発足したNPO法人尾道空き家再生プロジェクトです。築70年の通称「ガウディハウス」やゲストハウス「あなごのねどこ」など、100軒近い空き家の再生に取り組まれています。

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そして今年春、30年近く空き家になっていた築100年の茶園(別荘建築)「みはらし亭」が、ゲストハウスとして生まれ変わりました。といっても再生されるまでは長い年月と改修作業がありました。みはらし亭と尾道空き家再生プロジェクトとの出会いは、2009年から事業委託を受けた「尾道市空き家バンク」の最初の提供物件の一つとしてだったそうです。崖っぷちにそそり立つ古い大きな建物の再生に、コスト、改修のマンパワーなど当初は他人事だったとか。その後、ご高齢の大家さんと何度もやりとりを繰り返し、活用プランを考えるワークショップや模型作りを行うなど、試行錯誤の後、先にはじめていたゲストハウス(あなごのねどこ)の再生で自信をつけていたこともあり、20015年1月から大改修工事に着工しました。

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そしてこの改修にあたってはクラウドファンディングで300万円の資金調達が行われました。ぼくも3000円ばかしですが参加して、ついこないだリターンの手ぬぐいが届きました。

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今回再生されたみはらし亭は、大正期に建てられた茶園という別荘建築です。尾道には茶園文化というものがあって、古くからお茶を楽しんだり、客人をもてなしたりする別荘のことを茶園と言ったそうです。

「みはらし亭」は尾道が港町として発展した時代に、当時の豪商たちが坂の上の眺めのいい場所にこぞって別荘を建てた茶園建築のひとつで、大正10年に千光寺の真下の石垣の上にそびえ立つように建てられました。自然豊かな千光寺公園の中、尾道水道を見下ろしながら、お茶をたしなんだり、客人をもてなしたりと優雅な時代を経て、戦後は一時旅館や貸席としても使われていたようです。坂の町・尾道の築100年の絶景空き家をゲストハウス「みはらし亭」に再生します!

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今回のみはらし亭の再生は、山と海がおりなす立体的な街並みに花ひらいた尾道独特の茶園文化を、今の時代にアップデートする取り組みと言えます。まちの歴史と文化を活かしたコンテンツづくりは、まちづくり的な発想と手法なんだと思います。

この記事を作るにあたって参考にした、画像を引用したサイトは次のとおりです。
坂の町・尾道の築100年の絶景空き家をゲストハウス「みはらし亭」に再生します!

みはらし亭(Facebook)

NPO法人尾道空き家再生プロジェクト(ウェブサイト)

100軒の「空き家再生」を可能にした尾道の移住者支援

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