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私の母は裁判官

今日は帰りが遅くなった。
いつもと同じように「ただいま」と
今日は少し小さな声で言った。
すると母が部屋から出てきては
「なんで、ただいま言わないの?」と。
最初からキレ口調。なんだなんだ?
「いや、言ったけど。」と私は返したが、母は「言ってない。」と、バッサリ。
こーなると、どうにもこうにもいかないのが母。
「じゃあ、アナタ(母)がそう”言ってない”と言うならそうなんじゃないの。」
と、私は思わずボヤいていた。
生意気よ、と母は怒る。
母はいつも自分が正しいと言い張るので、その母が”言ってない”というのであれば、事実はどうでも良いのだ。
母による判決は”言ってない”になる。
話が通じない、そこで争っても無駄。

「普通は帰ってきたら顔を合わせてただいまするのよ。」という母。
私は冷めた目で母をただ見つめた。
なにそれ。今更、面白いね。母がまずやってなかったじゃん、呆れる。

っていうか、普通ってなに?この家に普通もオカシイもあるの?
同じことを兄と弟には言わないくせに。
私にだけ普通を求めてくるの?私、十分普通だよ。
私も兄と弟のように、発狂したり暴れたり、引き篭もったり、お母さんに包丁を向ければ。普通を求めてこなくなるのかな?そうなのかな?

この家に帰ってくるのは私の気持ちを下げる。帰ってきたいと思えない。

何を言っても、母が一番正しい。裁判官か、アナタは。
母は、母だけが頑張ってアナタ達子ども3人を育てたと、言い張る。
反吐がでそう。

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