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Cloudberry Jam「Now and then」

2013年1月30日リリース

概要

所属していたレコード会社の廃業等により、当時はアジア地域限定・iTunes限定でリリースされた。

また、本作と同時に再結成後のベストアルバム「Brick by brick, stone by stone」がリリースされるとともに、iTunesで旧譜の購入も可能になった。
音楽業界は不況の境地に立たされているが、あらゆる手段で音楽を届けてくれるCloudberry Jamに心から感謝したい。

インタビュー

コーラスで参加している Sofia Gustafsson について教えてください。また、どの曲に参加していますか?

Jorgen: Sofia Gustafsson は、Jorgen の家の近所に住んでるシンガー・ソングライターだよ。
「Close to the earth」にゴスペルっぽいコーラスを加えたいと思って参加してもらったんだ。
彼女のコーラスを数パターン加えることによってうまく表現できたと思ってるよ。

「Someday Soon」や「Please Don’t」など、昔の曲をアレンジし収録していますが、当時と今で音楽と向き合う気持ちやアレンジのプロセスに変化はありますか?
また、今回はいつも以上に重厚(音に厚みがある)なサウンドに仕上がっているように感じました。
サウンド作りに変化はありましたか?

Jorgen: 過去の曲を何曲か加えることによって、自分たちの過去と現在をリンクさせたいと思って収録したんだ。
過去よりも上手くなったような気もするし、少なくともプロダクションやアレンジ面においては、そう感じることができたよ。
もちろん、最近はコンピューターが進歩してるから当時よりは簡単に音楽が作れるようになったっていうのもあるけど、Cloudberry Jam としては今でも「アナログ」にこだわってるし、ほとんどの音を古い楽器や機材を使って「リアルな音」でレコーディングしたんだ。
いつも以上に音に厚みがあるかどうかは、正直自分たちで狙ったわけじゃないから、なんてコメントしたらいいかわからないけど、その時の自分たちのフィーリングをセッションで作り上げていって完成したサウンドだよ。

Jorgen に質問です。使用している機材(エフェクター、ペダル)を教えてください。

Jorgen: このアルバムで使った機材は、70年代初期の Ludwig のドラムセット、Fender のジャズベース、ギターは Rickenbacker と Fender Jazz Master、Guild と Ahlanderのアコースティックギター、Wurlitzer のエレクトリック・ピアノ、Hammond L100 と leslie のユニット、 グロッケンシュピール、ヴィブラフォンとパーカッションとか、本当にたくさんの楽器を使っているよ。
マイクやスタジオ機材は Sennheiser、Urei、Apogee、Oktava、Universal Audio、Joemeek、 Bang & Olufsen、Earthworks、Apple Logic の Bellari Studio ソフト、Softube、Kuassa、Waves、Soundtoys も使ったよ。

Jennie に質問です。使用している機材(マイク、アウトボード)を教えて下さい。

Jennie: マイクや機材は、RTT MKA-100 russian tube mic とヴィンテージのプリアンプ (swedish neve-inspired pre amp) とヴィンテージの Urei/Teletronix LA-3A コンプレッサー。

全曲解説

GROWING UP IN THE 80′S
この曲を聴くだけでも、アルバムを買う価値があると思う。
「Your love」を彷彿とさせるミドルテンポのポップチューンは、春から夏の通勤・通学にぴったりの珠玉の1曲に仕上がった。

GIVE ME THE NIGHT
George Benson が1980年にリリースしたアルバム「Give Me the Night」のタイトルトラック。
Quincy Jones がプロデュースし、ブラック・コンテンポラリー・ミュージックの傑作の一つと言われているこの曲が Cloudberry Jam らしい現代的なダンスミュージックに仕上がった。

EVERYTIME YOU GO
かなり前に書いた曲とのことだが、アレンジを試行錯誤したうえでこのタイミングで発表された。
聴いてみると確かに「The Great Escape」や「right here, right now」の頃の作調を感じるソウルフルで物悲しさのある楽曲だ。

CLOSE TO THE EARTH
「ウォール・オブ・サウンド」と言われる、重厚なアレンジが特徴の音楽プロデューサー Phil Spector の影響を受けて制作された楽曲で、たくさんのコーラスやストリングス、パーカッションなどを幾重にもしたアレンジになっている。

それでいて、難しさを感じることなく耳に入り、バックで鳴っている一つひとつの音にまで意味を感じることができるのは、プロデューサーとしての Jorgen の実力にほかならない。

NOTHINGS GONNA STOP ME NOW
ピアノとボーカルだけで始まるこの曲は、メロディだけをなぞるとダンスミュージックのようだ。3声のコーラスも美しい。
アルバム全体のバランスを考え、ダンサンブルにせず、このアレンジに落ち着いたのではないかと感じている。

SOMEDAY SOON
2011年4月23日、Cloudberry Jam は結成20周年(2012年)を記念して、過去の楽曲をリメイクすることを facebook 上で発表した。
その際、私がリクエストしたうちの一つがこの「Someday Soon」だった。

今回は、ポップな演奏と優しいボーカルによるアレンジとなっているが、実はこのアレンジがオリジナルで、1st アルバム「Cloudberry Jam」レコーディング時は技術的な課題により、アコースティックなアレンジとしたとのこと。
忘れられない想い出と紐付いたこの曲が、新たな魅力を備え収録されたことに、個人的にも喜びを感じている。

TODAY AND THEN FOREVER
クリーントーンの Rickenbacker に、Henrik・Jorgen・Jennie の順番で重ねられていくボーカル。
ベース・ドラムが入り込むとともに、パーカッション・アコースティックギターが曲を彩る。
聴いているだけで楽しくなる実験的なこの楽曲、個人的にはこのアルバムを象徴する1曲だと思っている。

FALLING IN LOVE AGAIN
Hamilton, Joe Frank & Reynolds というアメリカのバンドが1975年に大ヒットさせた楽曲で、メンバーも物心つく前の時代の大人びたソウル。

70年台のソウルを愛する Jorgen は、「こういうソウルフルな曲がもう一度ヒットチャートを賑わすような時代が来ることを願うよ」と語っており、原曲以上にソウルフルに仕上がっている。

PLEASE DON’T
「Someday Soon」同様、1st アルバム「Cloudberry Jam」からのリメイクで、ファンからのリクエストにより収録された。

Jorgenは、当時は同じようなスタイルの曲がすでにアルバムの中に何曲かあったから、あえてパンクっぽいアレンジにしたんだ。どっちのバージョンも気に入ってるけどね!と語っている。

STAY CLOSE TO YOUR DREAM
Jorgen が「映画のエンディングのような曲」を語るとおり、幾重にも重ねたストリングスと緊迫感のあるドラムなどにより、重厚な楽曲に仕上がっている。
長いアウトロの、少しワウのかかったギターのカッティングもかっこいい。

ELEVATOR 2008 (2012 REMIX)
2008年7月30日に iTunes 限定でリリースした楽曲だが、近々iTSで購入できなくなってしまうことから、再録しボーナストラックとしたようだ。

「Nothing to declare」と並んで日本のファンから絶大な人気を誇るこの曲は、Cloudberry Jamが、その愛に感謝し2006年以降、6/8拍子に再アレンジし、ライブで披露しているものだ。

収録曲

Growing Up in the 80’s
Give Me the Night
Everytime You Go
Close to the Earth
Nothings Gonna Stop Me Now
Someday Soon
Today and Then Forever
Falling in Love Again
Please Don’t
Stay Close to Your Dream
Elevator 2008 (2012 Remix)


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