サラリーキャップ、ミニマムチームサラリー
こんにちは。cba manです。
今回はCBAの中で最も基本的な概念とも言えるであろう、サラリーキャップ(Salary Cap)について書いていきます。
サラリーキャップというのはNBAに限らず多くのプロスポーツで採用されている制度で、
各チームが選手に支払う年俸の合計に上限を設けるというものです。その額はリーグ全体の収益に基づき、
シーズン毎(7/1〜6/30までを1シーズンとする)に決定されます。
これによって、資金の豊富なチームがその財力で有利に選手を集めることを防ぎ、リーグの戦力の均衡を保つ効果が期待できます。
サラリーキャップはスポーツリーグによって、いかなる場合もサラリーキャップを超えてはいけないハードキャップ(Hard Cap)と、
特定の条件下ではサラリーキャップを超えてもよいソフトキャップ(Soft Cap)の2種類に分けられ、
NBAは後者のソフトキャップを採用しています。
(特定の状況ではハードキャップになることもあります)
ソフトキャップの目的は、選手を1チームに長く在籍させやすくさせることです。
ハードキャップ下では極端に言えば選手、チーム、ファンの誰もが残留を望んでも、
その選手に見合った内容の契約を提示できないという理由だけで、その選手がチームから去らざるを得ないといった状況が発生します。
ソフトキャップを採用しているNBAではそういった状況においては、
バード例外条項(Bird Exception)を用いることでサラリーキャップを超えて再契約をし、残留させることが可能です。
(例外条項についての詳細は別の記事にて)
とはいえ、あくまでサラリーキャップというのは前述のような目的があり基本的には超えてはいけないものです。
特定の条件下ではサラリーキャップを超えてもよいというソフトキャップではそのコンセプトとの矛盾が生じ、その穴を埋めるのは容易ではありません。
矛盾を解消するために、時代とともに様々なルールが協議により追加されていきました。
CBAの内容が非常に複雑化しているのはこのためです。
2021年現在でも未だにルールの抜け穴や、不完全で歪なルールは存在します。
複雑だからこそ奥が深く、面白いのです。
当noteではそういった複雑な部分をなるべく多くの方に理解して頂けるような記事を書いていきたいと思っています。
また、今までのサラリーキャップの推移と今後の予想額はこちらにまとめられています。是非一度目を通して頂けたらと思います。
2020-21シーズンのサラリーキャップは109.14Mです。
"マックス契約"という言葉は聞いたことある方が殆どかと思われますが、
マックス契約の金額はこのサラリーキャップの25〜35%になります(詳しくは別記事にて)。
この後の記事で紹介するタックスのことも踏まえるとスター選手は1チームに3人、
かなり頑張っても4人が限界ということを感覚的に理解していただけたらと思います。
また、合計の年俸には下限もあり、
ミニマムチームサラリー(Minimum Team Salary)と呼ばれます。
これはレギュラーシーズン最終日のチームサラリーを、最低でもサラリーキャップの90%にしなければならないというもので、
2020-21シーズンは98.226Mです。
レギュラーシーズン最終日にこれを下回っている場合、不足分を所属選手に分配する必要があります。
どのように分配されるかは選手会次第とのことです。
分配された結果マックスサラリーを超えることはできません。
こちらはあまり意識することはないルールなので、こういったものがあるという程度の認識で問題ないかと思われます。
今回は以上になります。お読みいただきありがとうございました。
(CBA FAQ1、2、3、14を参照しました)