見えない世界
こんにちは!
潮干狩りは今の時期がチャンス。
Sportszoneの望月です。
先日かわさきFMでサッカー実況の機会を頂きました。
明治安田J1リーグ第5節
川崎フロンターレvsFC東京
通称多摩川クラシコ。
ラジオでのサッカー実況でJリーグ実況デビューしました。
「ラジオでサッカー実況?」
と思われる方もいるかもしれません。
サッカーはテレビやネットを始め映像が映っている中継が多いですが、
ラジオのサッカー中継も存在します。
テレビとラジオの最も大きな違いは
「視聴者が試合を見えるか否か」。
これにより実況のスタイルが大きく変わります。
例えば、映像が映っていると、
「家長、クロス、エリソン!」
という表現でも伝わりますが、
ラジオになると、
「右サイドの家長、左足でパスを受けてから前にドリブル、ゴールライン手前で右足でマイナスのクロス、ファーサイドでエリソンヘディング!」という描写(例)になります。
仮にもしラジオで前者の表現をした場合、
「家長はいまどこにいる?」、「どういうクロス?」、「エリソンのポジショニングは?」、「どういうシュート?」など、不明点が多く出てくる可能性があります。
後者の表現を変えることでこれらの不明点を減らすことが出来ます。
加えてこの場合は、利き足が左である家長が右でクロスを上げたことが分かるので、左足に比べると幾分か精度が劣るというイメージも出来ます。
口で説明すると簡単ですがいざやってみるとこれが難しい。
瞬時の判断が必要になります。
サッカーは相手陣に深くなるとボールの動きがより早くなるため、
言葉数が多くなるとプレイに追いつかない可能性が出てきます。
そのため、言葉数を減らさなくてはいけません。
どの描写を捨ててどの描写を使うか。
刹那のタイミングで取捨選択をします。
加えて、中継では自分一人ではなく解説の方もいらっしゃいます。
今回は川崎フロンターレスカウトの向島建(むこうじまたつる)さん。
言葉数が多くなると解説の方が話す機会も減ってしまいます。
なので、その兼ね合いも大事です。
他にもシュートの質やコースの説明など、
普段テレビで喋っている時には意識しないこともラジオ中継では意識する必要があります。
さらに、「スローインを入れた」、「蹴った(コーナーキックなど)」といった始まりを知らせる基本プレー描写もラジオならではだと感じます。
挙げていけばキリがなくなるくらい、意識すべきことがたくさんあります。
ラジオでの実況では思考を巡らすことがたくさんあり、「見えている前提」の実況とはまた違ったものを感じます。
「見えている世界を見えていない視聴者に向けて実況する」。
難しさと同時に面白さも感じた実況になりました。
次はさらに質の高い実況を目指して。
それでは!