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【アクセシビリティの登竜門】アクセシビリティ試験とは?

試験と聞くと、何かテストを受けるの?と思う方もいるかもしれませんが、ここでいうアクセシビリティ試験はあなたが試験を実施し確認する側になります。

何をもって試験を実施したことになるの?

アクセシビリティ対応する目的は、全てのユーザーにとって使いやすくすることにありますが、定量的な目標としては、試験を実施してその試験結果をWEBサイト公開することになります。

最終的には以下のような試験結果をWebサイトに公開することになります。

試験結果の表記方法の参考例

農林漁業信用基金

デジタル庁

SmartHR

SmartHRさんは定期的に試験結果を公開していて、「前回試験から改善した事例」や、「適合としたが注意が必要なコンポーネント」などの項目がまとめられていてわかりやすいです。

試験はいつ実施するの?

検証項目は、デザイン時点で判断できる項目と開発実装後にできているかどうかを判断する項目があることから、実装が完了した後、本番環境と同じ条件の検証環境を用意して実施しています。
例えば弊社では、デザインの段階でアクセシビリティの知見とFigmaのプラグインを駆使し、開発実装前にアクセシビリティのいくつかの項目をクリアできている状態にした状態で実装後に試験を行うケースが多いです。
Fimgaのプラグインで代表的なのものはこちら

試験は誰が実施するの?

試験の実績があるアクセシビリティ専門家に依頼するケースも多いですが、ウェブコンテンツのアクセシビリティを適切に評価できる知識を持つ者であれば、誰でも実施することが可能のようです。
公式の回答は以下のリンクをご覧ください。

試験結果は素直に表記

試験結果によって、見つかった課題は試験結果のページに素直に表記します。課題とした上で、今後どのような対応を取るかを合わせて記載します。
以下は参考サイトから引用してきた例です。

試験によって見つかった課題とその解決に向けた方向性

試験を行った結果、以下の課題があることを認識しており、それぞれの課題の解決に向けて引き続き取り組みを進めてまいります。

ウェブページ (HTML) において見つかった課題
1. 一部のリスト項目がリストとしてマークアップされていない(達成基準 1.3.1 情報及び関係性)
2. サイト内検索及び検索結果において、以下の課題を認識

以下省略

デジタル庁 ウェブアクセシビリティ検証結果より
https://www.digital.go.jp/accessibility-
statement/test-result

満たしてない達成基準の事例と対策案
1.4.3 コントラスト(最低限)

SmartHR ウェブアクセシビリティ試験結果2021年12月よりhttps://accessibility.smarthr.co.jp/development/test/2021-12/

アクセシビリティは改善

5章にわたり、アクセシビリティについてまとめましたがいかがでしたでしょうか?
調査を行う前は、ウェブサイトをリリースする際に、定められたアクセシビリティ基準に完全に準拠しなければならないというプレッシャーを感じていました。しかし、一度で全てを達成することを目指しながらも、達成できなかった項目は次回の改善課題として継続的に対応していけばよいことが分かりました。アクセシビリティの基準は今後もアップデートされていくため、定期的な試験と改善をすることで、ユーザーからの信頼をさらに高めるウェブサイトを作り続けることができると考えています。

みんなアクセシビリティ理解できると面白いし、誰もが使いやすいサイト作りを目指してがんばろー!

この記事を書いた人:ITO KANAKO
デザイナー(WEB/UI/UX)

ITO KANAKO

カバー画像:Nishimori

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