#7 自宅での一週間とフリーランサーとしての葛藤
抗がん剤治療による再入院は一週間後と決まった。
次の入院は少し長くなる。
この段階で決まっていたことは以下の通りです。
抗がん剤治療は1週間後から始める。
1クール10日~2週間の治療を、間隔をあけて3ターンする。
3クール目が終わるのは12月になる。
副作用次第で入院期間は変わる。
抗がん剤治療は3カ月近くかかるが、それで取りきれるだろうという事です。
まぁ、どこかで再発することもあるのかもしれないけど、それはもうその時の話だと思う。
今回僕は、自覚症状が出てから1カ月くらいでここに至っているわけだから、年一検査で気づけずにステージがすすむなんて、結構普通にあることなんだろうと思った。
僕の理解ではがんは、生物の繁栄にそれほど悪影響を及ぼしていないと思っているので、淘汰圧はかからないんだろうと思うんです。
よくがん家系なんていうけど、淘汰圧がかかるならそんな家系は存在しないはずですもんね。
人類の最適解と余生の存在は折り合いが悪いと思っています。
少子化が止まらないのは今生きている人間の命の価値が高騰しているからで、相対的に新しく生まれる命の価値が目減りしているからですよね。
人が何歳まで生きるのが最適解なのか?
この問い種の繁栄で答えると、せいぜい50歳くらいじゃないかと思うんです。アマゾンの原住民の平均年齢が短いのは、環境が過酷だからではなく、それで種が成り立つからですよね。
長生きに夢を見れるのは、そういう社会だからとしか言いようがない。
もちろん、長生きを否定するわけじゃないし、みんな死ぬまで生きればいいんですけど、50代で子育てが終わって、その後の50年に何をするのか?
長老は村に数名だから重宝されるわけで、そこを自己完結的に余生を楽しむとか言い出しているわけだから、もはやすべてが匙加減ですよね。
そういう考え方なので、客観視できているのかもしれないです。
フリーランスとしての3カ月
この間はさすがに対応に追われた。
毎日何人もと連絡をしていた。
実家の問題であったり、いろいろやっつけた。
バタバタと時間は過ぎていき、寝たり起きたりの痛さもだんだん軽くなっていっていた。
セルフブランディングだなんだって言っても、不確定要素が多すぎる。
時々脳みそがぴりぴりといやな悲鳴を上げる。
この間の稼ぎの心配をしていると思っていますか?
そんなことじゃありません。
フリーランスの人ならわかると思うんですが、自分以外の関係性をクライアントに作られたら、多分それは取り戻せないです。
3カ月はそれが起こるに十分な期間です。
その影響は、その後どれくらい尾を引くかわかったもんじゃない。
だから僕にとって、この間稼働し続けるという選択肢しかないわけです。
先生のお話を聞く限り、50%稼働くらいはほぼ確実にできそうです。
50%稼働で乗り切る?
それも選択肢の一つ。
100%稼働が出来ないのも確定です。
少なくとも、のべで5~6週は対面で人に会えない期間がある。
ただ、コロナ以降、皆さんオンラインに慣れているので、かなりそれでフォローできる。これもこの時期でよかった。コロナ前だったらもっと困っていたかもしれない。
それともう一つ、僕が今事業内容を転換していっているところなので、今止まりたくないというのもある。
むしろ加速したいところです。
何にしても、予測できないのが副作用です。
どれくらいでるのか?
そこが読めないので、結局1クール目をやってみないとなんともいえない。。。
準備をすればかなり可能ではある。
しかし、準備を怠ればどん尻でもある。
そして、副作用次第では全部瓦解する可能性もある。
とおもいつつも、セルフブランディングで決めたキャラ設定で展開していく。リアクションを見ながら、やっぱり「がん」はインパクトが強いと実感する。そこが一番、いまはありがたい。
この日記を書くことにしたのも、人生100年時代の後半戦に入ったばかりで、キラーワードを手に入れたフリーランスのデザイナーが、それを最大限利用しようとしている様を面白がってもらえたらなという思いからです。
そして、それが可能であると思ったからです。
キラーワードというのは・・・・
という事だそうです。
多分この3カ月、普通にやれば縮小です。
そしてその後3カ月くらいかかってもどす感じだと思う。
でも僕は、キラーワードを持っているんです。
ワンチャン拡大できるんじゃね?
ちょうど新しい展開を試みている矢先なので、ここはこれにかけるしかないんじゃないか?
この状況をてこに飛躍を画策してもいいのでは?
そして、可能なのでは?
いやしかし、副作用がわからない。
副作用がひどければ入院しっぱなしの可能性もある。
白血球が減るってことらしいので、無理して出ることはできないだろう。
再入院までの数日、その思考を何度もぐるぐるした。
出来る、出来ない、出来る、出来ない。やってみないとわからない。
でも、やるしかない。
そうこうしている間に、再入院。
いよいよ抗がん剤治療スタート。