「意味のイノベーション」は業種を問わずスモールビジネスにも
読書日記第3弾
突破するデザイン その6
今は第3章「意味による競争優位(ビジネスの価値)」を読んでます。
おもしろいです。
自分のビジネスに関係あるのか。
関係あるとして効果があるのか。
みたいな質問への答えとして書かれている章になります。
まず大前提としてイノベーションには「意味のイノベーション」と「問題解決のイノベーション」があるのですが、従来のが問題解決型で、通信速度が遅いから技術開発して速度アップ、みたいな問題解決をしてきました。
その能力はどんどんアップして、いまでは問題解決が飽和している。問題は次々起こるけど、すぐにアイデアがいっぱい出てくる時代になっちゃった。
その結果、ものすごく変化の速度が速い時代になった。
そこで人々は意味を求めだしたというわけです。
ロウソクの話が出てきます。
電気の時代になって非常用か儀式用のみのオワコンになったはずのロウソク業界で、Yankee Candleという会社が香が出るロウソクを作って成功したっという話です。
もはや当初の機能はどうでもよくなっちゃった話です。
そして、癒されるという新しい機能を作り出した話です。
なるほどな―という感じなのですが、このほかに任天堂のWiiとかiPhoneとか、結構大きめの会社の事例が出てきます。
個人事業やスモールビジネスにも関係あるの?
僕はこれ、大ありだと思っています。
クラウドアウトソーシングは過酷ですよね
作る側の個人事業(フリーランス)にも重要な観点かも。
ウェブデザインの仕事はクラウドアウトソーシングと相性がいいし、インターネットにつながったパソコン一台あれば仕事出来るので在宅ワークにも相性がいい。
そのあたりからフリーランスや副業にも人気です。
ですが、僕は、クラウドアウトソーシングにはハッピーを感じないんです。10年後をイメージできないというか、真っ赤な海にしか見えなくて。
クリエーターは自分たちで自分の身を守れって?
ユニオンでも作らないといけないのかな?
雇用調整弁にしかならないのでは?
だってそうでしょ。
技術的な解決の海はもう真っ赤なんですよ。そこにノーコードとか別の技術的な参入もある。もっと突き抜けた技術が必要になる。
高度な技術を持った人向けのマッチングサイトもあるけど、そっちはどうなんでしょうね。うまく行っているんでしょうか。そこそこの経験者じゃないと難しいと思うので、そこにどれくらいの人がたどり着けるのだろう。
フリーランスはより高度な技術を持つか、意味を作れるか、どちらかを目指さないとハッピーになれないと思う。
技術の進歩で環境が激しく変化していくので、この波は止まらないと思う。
スモールビジネスはどうだろう?
インターネットなどを活用して問題解決はとても便利になった。
今日、問題解決のアイデアは、最も貴重な財産というわけではない。この社会の中で、もはやさほど苦労せず見つけられるもの、それはアイデアだ。現在30%以上の労働力がクリエイティブ産業に従事しておりアイデアづくりの潜在力は十分である。(P081)
この30%という数字には研究施設や出版社なども入るようですが、それはさておき、問題解決の方法はたくさんある時代になったという事です。
だからこそ、意味付けこそが重要になってくる。
意味付けの面白い事例が紹介されていました。
例えば、会計ソフトウェアの市場を考えてみて欲しい。大きな企業には財務や会計の専門部署があり、そのメンバーは洗練された会計ソフトウェアのありがたみをひしひしと感じている。しかし、クライアントが小さな企業の場合、彼らの会計に対する台とは異なるものだろう。社内に会計専門部署は無く、会計業は絶対に大工や美容師の望む作業ではない。それは単なる苦痛である。
これが米インテュイット・クイックブックスが、小規模ビジネス向け会計ソフトウェアの中で一番の人気を誇る理由である。他のソフトが一様に「会計がしたい? では私たちのソフトウェアを使ってください。」とうたっていたのに対し、クイックブックスは「会計がしたくない? それなら私たちのソフトウェアにお任せください」と逆の提案をしたのである。「(P110)
これぞ「意味」を見つけることの重要さですよね。
これって、街の税理士さんでそういうことをやっている人もいますよね。
多分すでにあったことを、ソフトウェアに結び付けたということなのですが、時代の変化とマッチすると、それが発見だったりする。
逆に、街の税理士さんから見てみると、より個別対応が重要になっていくし、その「意味」の変化をみのがすと、従来の価値では時代遅れになってしまうかもしれない。
競合がいる業種なら、スモールビジネスでも「意味」を考えなくてはならない時代です。自分たちで仕掛ける仕掛けないは別にしても。
つづく
画像はunsplashです