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「内」が大事だってずっと思ってたんすよ。本当にずっと。

読書日記第3弾
突破するデザイン その8
やっと半分くらい・・・読むの遅し。

第4章「内から外へのイノベーション」まで読みました。

ここでいう内とは社内のことで、外注先やクライアント、ユーザーは外です。

従来のソリューション(問題解決のイノベーション)は外、ユーザーにこそ答えを聞けといい、意味のソリューションは内、まずは自分たちに答えを聞けという。

問題解決には外からが良く、ビジョンを作るには内から、どちらも正解でやってることが異なるので方法も違うという事だそうです。

なるほど―なところがいろいろあって、いろいろ紹介したいのですが、ここでちょっと自分の話をします。

デザインは内が基本になるべき

僕の悩みが始まったのがここです。
10年くらい前、フリーランスになって自分でやりはじめて、だんだんとデザインのコアになる部分の価値観を外注しちゃだめだという思いが強くなっていた。

それをビジョンと呼ぶのか、コアバリューと呼ぶのか、理念と呼ぶのか、哲学と呼ぶのかしらんけど、その皆さんがおっしゃる御社の「信頼と実績」のコアになっているのはなんだ? というところ。

会社員時代のデザイン事務所のお客様は中規模以上の企業が多かったことにあると思う。僕はそこで学んで育ったので、企業理念がコアにあるのは至極当然のことだった。
商品にはコンセプトがあったし、企画には目的があった。

それを大企業にやるような持って回って企画書か作るとか、そういうのをショートカットすればリーズナブルにいいデザインを提供できるじゃん。
それをやりたいと思ってました。

しかし、フリーランスになって、スモールビジネス中心になると、無い。
無いんです。
ビジョンとか理念とか。

もちろん、経営者としての矜持や倫理観はしっかり持っていらっしゃいます。でも、ビジョンという形では、ない。
「会社を成長させたい」はあっても「成長させて何をしたいか」がない。

それがないとデザインはできないから、経営者の想いやこだわりをヒアリングする。でも具体的には無いのでデザインのコアに何を据えていいかわからないので、勝手にお察しする。という事が続いていた。

だったなら、そういうデザインをしたらよかったのに、
僕はそんなデザインを学んでないものですから、
だんだんと思い悩むようになりました。

スモールビジネスのデザインは経営者自身をコアにしないと無理だ。
そこがぶれるとデザインができない。
でも、そこがぶれないようにするのはコーチなりコンサルの仕事。
デザイナーの領分じゃない。

なんか、勝手にものすごく追い詰められていきました。
デザインができない。
パッションがのらないなら、純粋な情報になる。
純粋な情報のデザインは、受け手の理解以上の情報量を持ったせても仕方がない。

そりゃ、釣り見出しがウケるわけだ。
スモールビジネスには効果効率だけでいいじゃないか。
デザインは大企業のものなのか。

と、とでも嫌になった。
デザインすることが。
何もかも嫌になった。

そんなとき、Wiredの記事でエツィオ・マンズィーニの名前を目にした。
それまではいデザイン論みたいなのは敬遠してきたけど、話の流れからすごく気になってググってみた。

それで出てきたのが、最初の読書日記を書いた「日々の政治 ソーシャルイノベーションをもたらすデザイン文化」です。

そこで僕はデザインという言葉の定義をぐっと広く使ってもいいと気づかされ、そして、デザインは専門家だけのものじゃなく、みんなのものだということにも気づかされた。

何もかも嫌になっていたのに、
デザインをみんなのものにするという目標もできた。

そして、気付きは連鎖していく。
エツィオさんの本の中で紹介されていた、今読んでいるこの本に出合う。

エツィオさんのソーシャルイノベーションでも、内から外という方向は一致する。

知りたかったことが書いてある。
読みたかった言葉書いてある。
言いたくなるワードが連なっている。
僕がずっと悩んでいたことの答えだ!

これを今の仕事に適応すれば・・・と思ったのですが、
どうもそうは簡単じゃない。

共通言語を持つための準備ってどうすんの?

スモールビジネスのお客様は大半がプレイングマネージャー。
最前線で戦う人ばかりです。
そう、彼らには、そんなに時間がない。

このデザインに対する考えは素晴らしい。
まずこれは、核心に違いない。
どんなスケールのビジネスでも知っておくべきだ。

でも、これって僕がデザインの仕事をしてきて、いろいろな企業を見てきたから何とか理解できているけど、これを一から説明って、どれくらい時間をかければ可能なんだ?

5年後、10年後に必要になるに違いないといって、だれが付き合ってくれる?

これは、無理やり導入するしかない。
サブスクにするしかない。
というわけで、仕事の取り方を単発からサブスクに切り替えてくことに決めた。

また、この概念をもっとわかりやすくして、みんなに知ってもらっうために、というか「デザイン」をのものに親しみを持ってもらうために、「デザインはみんなのもの」という価値観を広めていくことも決めた。

という事をやっていっている最中で、あらためて内から外です。
第4章は内から外への意義をしっかり説明してくれていて、この内容にはとても納得なんです。
ほんのり感動しながら読みました。

4年前の本ですから、もっと早く読んでいたらと思わなくもないですが、僕的にはエツィオさんをまず読んで意識が変わってからのこちらなので、同時じゃ多分、理解できなかったんじゃないかと思います。

っと、ちょっと本来書きたかったことじゃないことをいっぱい書いてしまった。本当は情報共有って難しいって話にもっていくつもりが、次回に続く。


画像は今回もunsplash

なんとなく、「何を見ようとするか」みたいな連想から瞳のアート。色使い的にも映っている風景が明るいのがイメージ的にはぴったり。
「映っているものが」というのがいいですね。

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CavyCraft(佐々木堅次)
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