とあるツールのデザイン
はじめに
どうも、Youkeyです。先日フェンリル デザインとテクノロジー1日目の記事でMLOpsを書きました。その記事の冒頭雑談で『クレー射撃』を始めた近況を書いたら、社内で触れてもらったので本記事を書いてみようと思いました。
今回は、クレー射撃というスポーツを通じてデザインとテクノロジーついて考えてみました。なお時節柄ありがちなクリスマスっぽさは微塵もございませんので、ご了承ください。
クレー射撃とその歴史
クレー射撃?
クレー射撃協会に良い記載がありましたので、引用。
実はあのオレンジ色したクレーという標的(皿)は陶器製。
競技中に弾を外して破砕し損ねると、コンクリートの床や壁に落ちて割れると乾いた「パキン」という音が鳴ります(悲しい)。
現在は種目として「トラップ(中距離)」「スキート(近距離)」がオリンピック公式にあります。それ以外は「ランニング・ターゲット(フィールド)」など狩猟を模倣したような、地面に転がる的を撃つ競技もあり、海外では派生型の種目も多く見られます。「静的射撃(いわゆる同心円の的を撃つ)」競技もありますが、場所や利用する鉄砲に制限がある種目も多い。
銃の種類(軽め)
日本の銃刀法における銃関連の解釈が少し独特なので、本記事で使うものを書いておきます。当然ですが、所持は禁止されています。ゲームや映画、サバゲーなど筆者より詳しい方がたくさんおります
鉄砲:金属製の弾丸を発射できる、拳銃・小銃・機関銃・砲・猟銃のこと
猟銃:ライフル銃、散弾銃、空気銃
ライフル銃:銃身内に螺旋が切られ、金属飛翔体の発射ができる鉄砲
空気銃:圧縮気体で飛翔体を飛ばす(これ以外は装薬銃)
散弾銃:ライフル銃以外の銃(ベン図の残り全て的な位置付け)
なお、玩具店で入手できるBB弾を撃てるものは、トイガン。観賞用の置き物は、モデルガンと呼ぶ事が多いです。散弾銃は実は広義の種類を含み、システム開発の要件定義だったら細分化指示を速攻出すところです。
歴史
クレー射撃の歴史は古く、18世紀ごろの貴族のスポーツから庶民化され、スポーツとしても200年ぐらいは優に歴史があります。1900年 パリ五輪からは公式種目採用されているぐらい古いです。
当初は皿ではなく、鳩(Pigeon/ピジョン)をカゴから放って標的としていました。その名残もあり、標的のクレーはピジョンと呼ばれる事もあります。
標的放出をしてくれる方をプーラーと呼び、コールの掛け声「はー」「あー」などかけると射出してくれます。これも鳩を放つために籠の紐を"引け"(Pull / プル)と声を掛けたことが起源ですかね。Pullと声かける方はまだ見たことありません。筆者のコールは常時必死なため、「あー」と発音記号の(æ)みたいな掛け声でやってます。
日本でも著名人(麻生太郎 氏[モントリオールオリンピック選手ですって!]や俳優の岩城滉一 氏)含めて、10万人ぐらいは競技者がいます(ゴルフの数十分の1)。
ツールの歴史
さすがに火器の歴史を書くと沼なので、軽く触れます。猟銃はさらに古く16世紀には狩猟や兵器として鉄砲が存在し、人類はツールとして使い始めるところが起源なので、500年ぐらいは歴史がありますかね(大砲除く)。
驚きなのは、この500年でツールの概念である
"鉄砲 = 飛翔体を飛ばして当てる"
の概念は基本的に同じだということ。また誕生から現代まで、最適化のため技術進化が常に起き続けています。
点火方式(火縄による点火 ⇨ 火打ち石の火花 ⇨ 衝撃発火の火薬)
飛翔体の材質(石 ⇨ 金属)
本体の主な材質(石/木 ⇨ 金属/木 ⇨ 金属/木/プラスチック )
射出のエネルギー源(黒色火薬 ⇨ 無煙火薬)
今のところ、ガンダムの武装みたいに宙に浮いて、勝手に撃つみたいなものは存在しません。飛距離・連射性・重量・耐久性、精度など向上したものは数多くあっても、概念を崩してしまうような変更は無いです。
ITで感じるスピードと永続性
ジョン・フォン・ノイマンが提唱したノイマン型コンピュータの誕生は1949年なので、70年以上前です。鉄砲に比べたら若輩者ですが、最適化の進化は非常に速い印象を筆者は持ちます。それこそ鉄砲を凌駕。そして筆者はIT業界に身を置く人間として、憧れでもあり人生最後まで残るであろう難題があります。
コアの存在意義を変えずに、500年動くモノを作り出せるか?
ITにおいては、実現方法や手法にこだわる事は最適化観点で大事ですが、最も大事なのは利用する人の「価値」(例えば、タイムマシーンを使いこなして時間を節約できるような体験)でしょう。
人にとっての衣食住の進化や良質な文化、地球環境への影響のように、長きにわたる価値を出せるものとなっていれば、それは500年経っても永続的に利用されるかもしれません。
例え、実現する手法が変わったとしても、人や生命にとって有益で永続性のあるものを作り続ける視点が大事だとは思いませんか?
デザインとテクノロジー
アドベントカレンダーの主旨に戻ります。先述のテクノロジー以外にも永続性が出せる(可能性のある)モノを考えてみると、デザインがあると思いませんか?
現職において学んだ事は、カタカナのデザインとDesign とでは辞書としては同じでも、伝わり方が異なると学びました。
デザイン = 意匠、設計すること
Design = 意匠、設計、図面
筆者はカタカナで”デザイン”と表記すると、意匠(脳内に浮かぶ図)としか意識することができませんでした。逆に”Design”は辞書を調べて、文の前後からその意味合いを拾うため、元の意味通り捉えられると気付きました。
デザインをする。この表現は500年続くモノを作るヒントだと考えます。
文化をデザインする。
新しい住み方をデザインする。
お客様の課題解決手法をデザインする。
人生をデザインする。
ぜひ、皆様も何かをデザインしてみる、そんな年末年始にしてみるのはいかがでしょうか?ぼちぼち"デザイン"がゲシュタルト崩壊したのでこの辺で。
写真
筆者の所持許可銃、ミロク製作所 MS2000 GR1 トラップ銃です。ITにはZホールディングスの川邊健太郎 氏も狩猟をされるため、狩猟・競技者は多いと信じてます。一緒に射撃台に立てる方いらっしゃったらお声掛けさせてください。求む、競技仲間。