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「本気のクリエイター発掘大作戦 」について考えてみよう

 以前このブログでお伝えした第2回「本気のクリエイター発掘大作戦」2021ですが、おかげさまで既にいくつかの作品をご応募いただいております。ただこれから応募をお考えの方の中には「プラキット化は良いけど、それってチョイプラに限られるんだよね?」とか、「プラキット化が前提なら、それに合ったデザインの方が有利だし選ばれやすいよね」などと考えて応募をためらっている方も多いかもしれません。そこで今回は皆さんの疑問にお答えするべく「本気のクリエイター発掘大作戦」について皆さんと一緒に本気で考えてみたいと思います。

①そもそも本当にプラキット化されるの?

まず最初に気になるのはここだと思います。私も「(自称)クリエイター」の端くれ、応募するならまず最初にそれを考えます。極端な話、良いデザインやアイディアだけ取られて「はい、それでおしまい」かもしれません。ですが、ここではっきりと断言しておきます。キャビコはグランプリ作品を必ずプラキット化します。なぜそう言い切れるのか?それはキャビコがこれまでいくつもの個人クリエイターの作品をプラキット化してきたからです。前回の発掘大作戦でグランプリを獲得されたARATA氏の「Smart daughter / eos 」も(時間が掛かってしまいましたが)チョイプラNo.011としてプラキット化して一般販売いたしました。キャビコは最初の製品こそ著名なメカデザイナー大河原邦男氏の「iXine |イグザイン」でしたが、その後は「Ⅳ号人型重機」「陸上自衛隊07式戦車なっちん」「クレオパトラwithオベリスクタワー」「モータースーツ ・アモデウス」など、多くの個人クリエイターの作品をプラキット化してきました。キャビコにとって個人クリエイターの作品をプラキット化することは、最大の使命とも言えるものなのです。以前のブログにも書いた通り今回の発掘大作戦はキャビコが次なるプラキット化アイテムに出会うための企画なのです。

で、そこで浮かんでくるのは次の疑問だと思います。

②プラキット化するって言ったって、結局タダで版権を取られちゃうだけじゃないの?

確かに個人を対象にしたコンテストの中には、これに近いことが行われているケースもあるようです。実は私も10年以上前「〇〇化シナリオコンテスト」みたいなものに応募しようとして、よくよく規定を読んだら「著作物に関する権利はコンテスト主催者に譲渡する」みたいなことが書かれていて気持ちが萎えたことがありました。実際には違っていたかもしれませんが、採用されたら自分にどんなメリットがあるのかを考えるのは当然のことだと思います。では今回の「発掘大作戦」でも権利譲渡が条件なのでしょうか? 答えはNOです。キャビコ公式「本気のクリエイター発掘大作戦特設ページ」の「特記事項」にもある通り、キャビコはグランプリを獲得されたクリエイターと商品化許諾基本契約書と個別商品化契約書を取り交わさせていただきます。キャビコとクリエイターはあくまでも対等な立場で、お互いが同意した契約内容に基づいて使用料(ロイヤリティ)をお支払いいたします。もちろん作品に対する著作権など、権利の譲渡を契約の条件にはいたしません

なるほど、その辺は大丈夫そうですね。そこまでは分かりました。で、

③実際どんなモノを出したら採用してもらえるのよ?

と言うのが次の疑問ですよね。でもそこは一旦考えないでおいて下さい。まずは「これこそがマイベストオリジナルメカ!」と思う渾身のデザインをキャビコに送ってください。「こんなに尖がったデザインじゃプラキット化は無理でしょ?」とか「キャラっぽいデザインは採用されにくいよね?」とか、「そもそも手描きのイラストしかないけどこんなんじゃ伝わらないよね」などと言ったことは考えなくても大丈夫です。なぜならキャビコはこれまでそう言ったクリエイターのデザインもプラキットにして来たからです。

例えばチョイプラシリーズNo.006「モータースーツ ・アモデウス」は僧侶氏原作のコミックに登場する機体ですが、タカノリ氏が立体化したディテールバッキバキのガレージキットの魅力を、チョイプラの小さいスケールに最大限落とし込むことに成功しています。

アモデウス1

キャラっぽいプラキットは確かに再現が難しい部類ですが、だからと言って不可能ではありません。ひいらぎはじめ氏の「クレオパトラwithオベリスクタワー」もどちらかと言えばキャラ寄りのデザインですが、問題なくプラキット化することが出来ました。

クレオ6

上記のお二人からは立体物であるガレージキットをお預かりして設計作業を進めましたが、だからと言って必ずしも立体物が無ければダメと言うことではありません。チョイプラシリーズNo.003の「陸上自衛隊07式戦車なっちん」はもともとデザイナーのmoi氏が描いたイラストしかありませんでした。

なっちん1

このように手描きのイラストだけ送ってくだされば、あとはキャビコがプラキット用の設計をし、打合せと監修を繰り返しながら商品化進めて行きます。

④プラキット化はチョイプラ限定なの?

基本的にはチョイプラです。ただし作品の持つ可能性次第ではチョイプラに限られるわけではありません。最終的にグランプリを獲得した作品の魅力を活かすためにチョイプラが良いのか、それともチョイプラでは無いキットが良いのかを熟慮して決めたいと考えております。

⑤最終選考10作品を選ぶ審査員はどんな方々?

さて、これも最大の関心事であると思います。前回の第一回では全て一般の方々による投票で選考を行いましたが、今回はキャビコにゆかりのある3人のクリエイターさんを外部選考員としてお招きいたしました。

ARATA

「Smart daughter / eos 」の作者で第1回本気のクリエイター発掘大作戦でグランプリを獲得された個人クリエイター。ワンダーフェスティバルなどのイベントを中心にオリジナルガレージキットディーラー「Mega Sculpture メガスカルプチャ」を展開している。

moi

言わずと知れた「陸上自衛隊07式戦車なっちん」の生みの親。「その企画からロボットのデザインを考えたい!」としてSNS上で精力的にオリジナルロボットを発信している。

MiZ

「MARUTTOYS」として活動中。
近未来の架空企業「ATARASY」が提供する架空のロボットシリーズ「ATARASY Products」などを展開している。
2019年冬のワンダーフェスティバルにて第36期WSCアーティストに「MAMORU」が選出される。
2020年にはコトブキヤからプラスチックキット「TAMOTU」を発売。
2021年冬には「HAKOBU/RIKU」のプラスチックキットの発売をキャビコで予定している。

このメンバーとキャビコのスタッフが最終選考に進む10作品を選出いたします。その後キャビコのホームページ上で行う一般参加のWeb投票を経てグランプリ作品が選ばれます。つまり最終的には一般の方々によってグランプリ作品が選ばれることになるのです。そういった意味では最終選考の10作品に選ばれることもちろん大事ですが、それと共にどれだけ多くの人たちを魅了するデザインを生み出せるかもポイントになります。

 さてここまで長々と皆さんが疑問に思われているであろうことを、キャビコなりに本気で考えて来ました。でもまだ「こんなことはどうなの?」と言うこともあるかもしれません。ただ最後に一つだけお伝えしたいのは、キャビコはいつも多くのクリエイターさんの「オリジナル」に出会いたいと思っていると言う点です。そのための「本気のクリエイター発掘大作戦」であることをご理解いただけたらとても嬉しいです。

それではまた来週お会いしましょう。担当Nでした。


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