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読みサバ【15尾目】「寒サバ」が旨い季節です!!――あれ?サバの旬ていつだっけ?の話
寒いですね・・・。
とはいえ、東京は大寒の週、わりと暖かい日が続きました。今シーズン最強の寒波がやってくると聞いていたものの、地域によって感じ方も違いますね。とはいえ、寒さを言い訳に外出が億劫になるのは同じ。幸い、サバ缶や干物、冷凍フィーレなどのストックがあるので、晩酌のつまみは盤石。こんな時期には、保存食品としてのサバ商品のありがたみを改めて実感します。
今頃は暦の上でも日本がいちばん寒い時期にあたるんだそうです。
「小寒」および「大寒」てやつですね。
これは立冬とか冬至なんかと同じ二十四節気のうちの二つで、旧暦(太陰暦)を使っているため毎年日付が変わります。
2025年の「小寒」は1月5日、「大寒」は1月20日。それで1月20日から2月2日は「寒の内」といって一年で最も寒い時期ということになるんだとか。
寒いけれど、サバ好きの皆サバにはいいこともあるんですよ。
今の時期に獲れるサバって旨いんですよね。
その名も「寒サバ」。
正月に食すという地域も多い「寒ブリ」は有名ですが、はて「寒サバ」とは??
たしかに、このnoteでも過去に「サバの旬は秋」「秋のサバは最高!」なんて書いてたような。しかし「サバの旬は秋から冬にかけて」と言った方がより正確だったかもしれません。
サバの産卵期は4月から6月頃。産卵を終えるとやせ細りますが、この時期以降に餌をたくさん食べて、秋には再び脂肪を蓄え太ってきます。これが「秋サバは嫁に食わすな」の諺まである「秋サバ」です。そして、水温が下がっていく海を回遊することでさらに脂肪分を蓄え大きくなるので、晩秋から冬にかけてのサバもまた旨いのは当然ですよね。
同じサバでも秋に獲れると「秋サバ」、冬に獲れると「寒サバ」と呼ばれるわけです。
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と、ここまでは日本で最も一般的な「マサバ」のお話。マサバは秋から冬が旬であるといっていいでしょう。
たとえば、このnoteでも紹介したことがある長崎県松浦市のブランドサバ「旬(とき)さば」。このブランドを名乗れるのは10月から2月に獲れる400㌘以上あるマサバと決められています。まさに今が旬の「旬(とき)さば」! あ~食べに行きたい。。
一方、日本でほかによく流通しているサバも見てみましょう。(読みサバ4尾目「日本の食卓で活躍するサバ三兄弟!」を参照のこと)
まず、ゴマサバ。マサバより暖かい海水温を好み、脂肪量はマサバほど季節で増減しないという特徴があります。そのためマサバの味が落ちる時期(夏)にも味の変化が少ないことから、むしろ夏(6月から9月くらい)が旬といわれています。
もうひとは大西洋サバ(ノルウェーサバ)。見た目はマサバとそう変わらず、秋に旬を迎え、脂肪たっぷりに育つことも同じです。ただ漁獲されフィーレ(三枚おろし)にしたものを冷凍したり、缶詰などに加工したものが日本で流通しますから、旬を感じることは少ないですね。
以上のことから、「秋サバ」「寒サバ」などと季節感を押し出して販売されるのは日本近海で獲れるマサバ、地域によってはゴマサバです。マサバであれゴマサバであれ、冬には秋にも増して脂が乗ります。特に大きなサバほど脂が乗っていておいしいですね。これはホントに食べるとわかりますよ。塩焼きにして白飯にのっけると・・・じゅわっとご飯に移る脂の旨いこと!
「寒ブリ」などと同様に、「寒サバ」という文字を魚屋の店先で見かけたら、それはこの時期ならではの脂が乗ったとびきり旨いサバである証。即買いですよ~。