読みサバ【13尾目】サバを持っての通行NG?「鯖くさらかし岩」とは?
皆サバ、ご無沙汰しております久々の「読みサバ」です。
このところサバ仕事や「鯖サミットin美浜」の準備などで各地への出張が多いため、机に座ってじっくりサバ思索にふける(→読みサバのネタを思いつく)といった時間がなかなかとれずにいました。
がしかし、常日頃から「サバ」というワードに敏感なため、先日ふとしたところから見つけてしまったネタを今回ご紹介したいと思います。
「鯖くさらかし岩」
なかなかのパワーワードだと思いませんか?
初めて人から聞いたときは、どんな岩やねん!と思わず関西弁でツッコミましたね。
「腐らせる」ではなく「腐らかす」。方言なのでしょうか? いずれにしても語気強めで、これはもう腐らせる気まんまんです。
場所は、長崎県西彼杵郡時津町(にしそのぎぐんとぎつちょう)。大村湾の南西岸に位置し、北は大村湾に、南西部は長崎市に接する、長崎県で一番面積が小さい自治体だそうです。
正式な名称は「継石坊主(つぎいしぼうず)」といって、突き出た岩の上に丸い大きな岩が絶妙なバランスで乗っかっていて、それが坊主の頭に見えるという、いわゆる“奇岩”の類ですね。
この岩の別名が「鯖くさらかし岩」というのです。
それには、次のような昔話が地元で言い伝えられてきたから。
ある時、鯖を売るためにここを通りかかった魚屋が、「この岩、今にも落ちてきそう…(怖)。そうだ!いっそのこと落ちてくるまで待って、それから安全に通ろうっと!」と名(迷)案を思いつき、その場で休憩を始めました。
ところが待てど暮らせど一向に岩は落ちてこない。そうこうするうちにサバは全部腐ってしまいましたとさ。。
参照サイト:時津町公式サイト「鯖くさらかし岩」 https://sabakusarakashiiwa.com/
どうですか?
これまで「読みサバ」では、古来日本人がいかにして鯖を腐らせずに運び、食すことに腐心(腐りやすいサバだけに…)してきたか!というエピソードを紹介してきました。それなのに、このお話では堂々と「腐っちゃったよ~(てへぺろ)」というオチが。。
ゆるいというかなんというか、まんま落語のネタになりそうな脱力系伝説なのです。
さてさてこの「鯖くさらかし岩」、最近は「落ちない岩(落ちないわ)」として受験生のパワースポット的に売り出し中らしく、キャラづくりや各種グッズの企画・販売などなかなか頑張っている様子。同町の公式ホームページでは、件(くだん)の「鯖くさらかし伝説」などがアニメ化された動画が公開されているのですがこれまた攻めた演出なので(笑)、ぜひ見てみてほしい!
長崎って東日本の人間的には日本の西の果て、または修学旅行で行く観光地という認識だったのですが(長崎の人ごめんなさい!)、このごろのサバやしはサバ仕事で長崎デビューを果たした(「サバ旅@松浦」を参照)こともあって、勝手に長崎に親近感をもっているのです。なんたって旨いサバに事欠かない土地ですからね。
だから、ぜひとも時津町を訪ねて「鯖くさらかし岩」の実物を拝みたいものです。
そのときまで“落ちない”で、待ってろ「鯖くさらかし岩」よ!!