救いの神はまだか
日本人のほとんどが「私は無宗教です。」と即答するだろう。
お正月には神社へ行き、厄年には厄払いをし、死んだらお坊さんを呼ぶのに。
なんでそんなことを思ったかというと、最近ネット上(Google、You Tube、SNS…)で邪魔な広告を観察してみて思う事が。
私は、自分に合った広告が表示されるようにはしておらず、時間帯とか見に行くサイトで広告が付けられていると思う。
そこで良く目に付くのが漫画の広告で、
誰からも相手にされない、いじめられっ子の冴えない女子高生が、ある日、超『大金持ち』で『美形』な転校生に突然結婚を申し込まれる。とか
イケメンの友人に婚約者の振りをしてと頼んだら、向こうが真剣になっちゃって振りじゃなくなって…とか
イケメンで、性格悪い上司に意見をしに行ったら、そのまま口説かれて、そんなつもりじゃなかったのに…
みたいな。
なんか、他人任せで事が自分の望む方向へ動いて欲しい。イケメンで金持ちが、自分の羞恥心や社会的な圧力から解放するかのように、強引に今の現実から引き剥がしてほしい。って願望が日本人女性の中にあって、こういうのが刺さると、広告側は読んでいる。
ディズニーのお姫様が救われるみたいに。
ということは、広告側の読みが正しいとすると。日本人女性は、自分から行動する勇気はないが、向こうから来たら…と妄想しているのだ。今の現状に満足ではなく、でもその矛先は夫や会社の同僚、姑くらいの狭い範囲に向けられていそうだ。しかも大抵は何か言いたいのを我慢している状態。
現状に不満があるのに、それがフェミニスト運動等の社会運動に繋がらない理由がそこにある気がする。
そしてさらには、日本の女性は忙しすぎて本を読む時間がない。学校教育で高学歴の切符を手にしなかった人は、大抵、学ぶことにコンプレックスがある。そういう理由も、言いたいことがあっても黙ってしまう事に繋がるし、『私なんか…』が始まってしまう。
日本の社会運動が大きくならない理由は、わかっているのに。何故左派はそういう人から信頼を得ることができないのか。
それは多分、『強引さ』が無いからなんだと思う。強引に金持ちイケメンに連れ去ってもらいたいのだ。
だから維新が受ける。
これはもしかしたら男性も同じなのかもしれない。絶大な力を持つスーパーヒーローに自分を現実から救ってほしいのだ。
神はまだか
ファシズムへ秒読み段階。