[雑記]コンクリモザイク

「何って、主語を大きくしただけだが…?」
そう言わせたいのは山々だが、ライバルにどのようなアンチ能力を持たせるかで暗礁に乗り上げる。
単に、範囲を広げた分威力が下がる設定じゃあ無双パートを展開できないし、人質事件では露骨すぎ。

政治運動で主語を大きくするのはまだ、それなりには流行っているが経済面、ターゲット広告の伸長により目的語を大きくすればよいというものでもなくなりつつある。
「対象を全体化する能力」はソビエト連邦転生ガチ勢に任せるか、主人公を諦めてラスボスに持たせるかといった感じ。時を止める能力が全体効果だとすると、自身を加速させる能力も全体効果と言えそうだが閑話休題。


全体極大回復魔法の習得は総力戦の枕詞であり、いよいよラストダンジョンが近いことを暗示しがちである他方、全体補助魔法は比較的序盤で登場しがち。
これで頭脳派キャラの需要を引き立てると、肉体派キャラは補助魔法なくてもゴリ押せるという強みを演出できて一石二鳥か。5人以内パーティのゲームならその程度。8人編成のゲームでこれがあったのはヤバい。

少なく見積もって2割、最終ダメージを向上させる。つまり接敵しているキャラが5人いれば補助係が一人前以上の貢献を果たす。しかも5ターン持続するから残り4ターン、使用者も普通に戦闘参加できる。
何より攻撃は最大の防御、攻撃補助を入れるとワンショットキルが一気に実戦的になるゲームバランス。平均以上の攻撃力があるキャラは反撃を恐れず前進できるし、回復要員を削って攻撃に回せる。(敵は補助なくてその火力水準だが)


通常、補助が有効なのは長期戦だが、あまりに強力だと速攻でもめちゃ有効。つまりいつも有効。
現実の業務効率化もそれくらい目に見えるものがあれば残業代ありきの家計以外からは文句ないだろうが、そうなってないものにはなってないなりの闇がつきものというか、結局脳筋ごり押しプレイしか勝たんことのほうが多いのよね。

一般論として、チャージとワンキルはトレードオフの関係にあり、サポートキャラの殴り+アタッカーの攻撃で被弾前に仕留められるなら補助魔法はボス戦にとっておこうとなる。
そしていざボス戦になったとき、補助魔法使った方がダメージ効率がいいという強力なエビデンスがないと存在ごと忘れられてしまうため、バイキルトは大胆にも威力2倍という、名に恥じぬ?効果なのかなー。


全員参加社会と適材適所も、成果と能力のトレードオフな気がしてくるぜ。最適化された社会に補助の余地はなく、基本機能をどれだけサブスクに移せるかの独占的地位レース。汚職とは。
せめて、未来や過去についてじっくり考える時間が欲しい気持ちになったとて、いざその時間を手にすれば考えないことに最適化されたゲームバランスが少しくっきり見えるだけだったりする。

主語や目的語を全体化して考えた感を演出しておくのが一等効率よかったが、ライフワークバランスはゲームを無視して変化しつつあるようだ。選択と集中を実現するのは官でも民でもなく個。知らんけど。
やむなく個を突き詰めることを哲学と呼んだところでもとよりインセンティブから脱したそれに意味もクソもなく、0から1から駒が出ても喜ぶ本屋は今のGoogleかのよう。あまりに無数の手に生かされているが手を取り合うにはか細いそれぞれ、閉鎖病棟の壁や公園のベンチや塹壕の半畳にまた花を咲かせる。

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