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人に寄り添うモノづくりを楽しむ。『鱗-RIN-』鱗さんにインタビュー【THE HANDMADE HUB】

こんにちは、CAT+v編集部です。
ハンドメイド作家さまにインタビューしていく新企画『THE HANDMADE HUB』。
第二弾は、主に天然石とレジンを使用した生き物の雑貨やアクセサリーを制作なさっている『鱗-RIN-』鱗さんです。

モノづくりを始めたきっかけや、作品づくりに関するこだわり、鱗さんご自身が制作しているオリジナルモールドの秘密についてもお話を伺いました!

『鱗-RIN-』ブランドロゴ

おうち時間を活用し、お子さまと一緒にモノづくりを始める。
生き物(とくに蛇)や、天然石、開運グッズが好き。
こちらのブランドでは、天然石とレジンを使用した生き物の雑貨やアクセサリーを制作。
レジン作品の一部はモールド(シリコン製の型枠)から自作し、オリジナリティのある唯一無二の作品が魅力。

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はじめは趣味の制作から。「売ってみよう」と一歩踏み出したハンドメイド販売

――――レジンと天然石を組み合わせた作品を制作されている鱗さんですが、作家になろうと思ったきっかけは?

鱗さん(以下、敬称略):とくに作家になろうと思って始めたわけではなくて、コロナ禍で時間があったので「子どもと、なにかやろうかな」と思って以前から興味があったレジン制作をはじめました。
コロナが始まって少ししてからですかね。

――――作品のクオリティを拝見していると、もっと長くやられているのかな、と思っていました!

鱗:いやもう、全然、全然です。
最初はただ、つくっていただけで。あまりにも溜まってきたので「売ってみようかな」と。かるーいノリで。

――――最初はご趣味での制作だったんですね。
興味があったレジンを始めてみたとのことですが、以前からレジン以外のモノづくりはお好きだったのでしょうか?

鱗:嫌いじゃないけど、基本不器用なので……。
じつはレジン以外にもいろいろやったんです。羊毛フェルトとか。
でも、できなかった……できなくはないけど、「売り物にはできないな」と。

――――売ることを意識してレジンを触ってみて、どんどん自分のデザインが確立されてきたという感じなんでしょうか?

鱗:そうですね。
天然石も好きなので、「それも使える!」と思いました。

――――石を使用したものといえば、ジュエリー制作などは?

鱗:粘土でつくるシルバーアクセサリーは、やりました。
あれもなかなか難しいし、一発勝負みたいなところがあるじゃないですか。

――――やり直しが効かないところはありますね。

鱗:しかも高い!

――――いろいろと試行錯誤されていって、今に至るんですね!

ブランド名、『鱗-RIN-』に込めた想い

『鱗-RIN-』ブランドロゴ

――――ブランド名の理由をお伺いさせてください。

鱗:最初は趣味の制作だったので、違う名前で販売していました。
でも、その名前には特に思い入れとかはなくて。
2年前から今の『鱗-RIN-』という名前を使っています。
爬虫類とか鯉、メダカなどの魚類を主に作っていたので、共通する『鱗(うろこ)』を使いたかった感じですね。

――――ブランドロゴは三角形が3つ重なっていますが、なにか想いがあるのでしょうか?

鱗:あれは、鱗紋(うろこもん)なんですよ。
みつうろこ』というもので、三角が3つで鱗に見えるから『鱗紋』。

――――なるほど、ピッタリですね!
続いて、作品のコンセプトをお聞かせください。

鱗:コンセプトは『心の拠り所になれるように』です。
趣味で制作していた間にも購入してくださった方がいて、心の拠り所がほしい人が多かったんです。
なので、お守りみたいな感じで持っていただけたらいいな、と思っています。

天然石の効果は保証出来るものではないのですが、不安なとき、いざ!というとき、背中を押してほしいとき、癒やされたいとき……などなど、さまざまな場面でいろいろな方の心の支えになれたらいいな。

感覚としては、「ひとりじゃ心細いからついてきて!」とか、「注目してほしいから手伝って!」、「自信ないから背中押して!」とか。
そういう方の心の拠り所になれたらいいな、と思いながら制作しています。

――――なるほど、心の拠り所!

鱗:心の拠り所が欲しい方って、いろんなジャンル、いろんな年齢層の方がいらっしゃるじゃないですか。
なので、子供用にキーホルダーなら欲しいなとか、好きなアクセサリーにしたいから無加工がいいなとか、こんな和小物あったらいいなとか……そういったお声をお聞きしながら、皆さんに届けられたらいいなと思っています。

そういうとき、生き物が好きな方は拠り所にしやすいんじゃないかな。

お客様のご意見の数だけ増えていったトカゲとヤモリの作品たち

【トカゲ/ヤモリのアクセサリー色々】
元はストラップとして販売しようとしていたもの。
耳飾りやネックレス、指輪やブローチなどなど……お客様のご意見をどんどん取り入れていったら、いろんなアイテムが増えたとのこと。
簪や帯留め、ポニーフックなどもあるそう!

――――アイテムのバリエーションが豊富!はじめはアクセサリーじゃなかったんですね。

鱗:もともとは「子どもと楽しくできたらいいな」という動機で制作をはじめたので、最初はストラップとかキーホルダーしか売ってなかったんです。

そしたら「ピアスないですか?」と聞かれたので「じゃあつくります」って。
そのうち、「ネックレスないですか?」「じゃあつくります」みたいな。
そしたらどんどん着物につかえるもの……帯飾りとか簪とか。そういったものも聞かれたので「じゃあつくります」といった風に(笑)

ジャンルも特にこだわりはありません
ゆめかわ(『ゆめみたいにかわいい』の略)とか、そういった知らないジャンルでもオーダーがあれば調べてつくってみたり。知らない世界を知るとおもしろいです。

――――販売ページのお写真も素敵です!
これはなにか戦略があって撮られていますか?

鱗:ありがとうございます。
たくさんお花などを飾られている方もいらっしゃると思いますが……あれが苦手で。でも、作品だけじゃ物足りないので、なにか置きたくて。中に入れたものを並べてみました。

んー……でも、Twitterとかのタイムラインってバーっと流れてしまうじゃないですか。その中で、止めたいんですよ。

――――なるほど。
では、私たちはまんまとそれにハマったわけですね(笑)

鱗:そう(笑)
「えっ?」っていう違和感がほしい。

そうなると、ごちゃごちゃした感じではなくて、主体的に売りたいものを真ん中に置きたいし。なので、かわいいものなら周りもかわいくしてみたり……。
なんとなく戦略を。なんとなくですけど。

――――今はミンネで販売されていますけれど、基本的には受注制なんですか?

鱗:ありがたいことに、受注制にしないと追いつかないんです。
逆に、つくり過ぎて余るのも嫌なので、受注制にさせていただいています。

――――たしかに、在庫を抱えてしまうのは作家の皆さん全員が気になるところですよね!

鱗:出来上がってから時間が経ってしまったレジンは嫌だと自分は思うので、極力在庫はないようにしています。
黄ばみが出にくいものを使っているので、たぶん大丈夫だとは思うんですけど……。
できれば、出来たばかりの方が嬉しいじゃないですか。

――――それもご自身でご研究されて黄ばみが出にくいものにたどり着いたのでしょうか?

鱗:そうですね。いろいろ使いました。

――――試行錯誤の賜物なんですね。

鱗:そうです。勉強したわけではなく、
本当に趣味からなので。

開運グッズやプレゼントとして人気!鯉の作品

【鯉ストラップ】開運グッズがお好きな鱗さん。
開運グッズに鯉は欠かせないと語ります。
こちらは、本物の錦鯉にならないかと試行錯誤しながら制作。
「誕生石でつくってほしい」という声が多く、プレゼントとして選ばれることも。
糸魚川翡翠(みどり店様)でもご好評。
そちらでは置物として購入される方が多い人気の鯉だそうです。

――――開運グッズがお好きなんですね!
誕生石やパワーストーンにご興味が?

鱗:パワーストーンというか、石が好きですね。
宝石よりも原石の方が好きです。鉱物というか。
キラキラした宝石よりも、石自体の中に入っているものとか、層とか、そういうものが好きです。

――――瑪瑙(めのう)のような積層されたものとか……

鱗:そうそう、そうです!

――――レジンの中に天然石を封入していますが、割ってらっしゃるんですか?

鱗:割っているのもありますが、さざれ石があればだいたい入るかな。
トカゲの足などの小さい部分には入らないので、割ることもあります。
レジンに色をつけて製作することもありますね。

デザインによっていろいろとやり方を変えています。

――――錦鯉とかもそうですけど、どこに入れるかバランスも大切じゃないですか。

鱗:そうなんですよ。
裏からしか確認できないので、すごく時間がかかるポイントです。

ご自身でつくるオリジナルモールドや作品制作の裏側

一番最近つくられたという蛇のモールド。
(左から原型、モールド、レジン作品)

――――レジンで作品をつくるときに大変な作業はありますか?

鱗:大変なことは……あんまり大変だと思ってないんですよね。
楽しくないと辞めちゃうので。
「今日やりたくない」って思ったらやりませんし、あまり苦労はしていないかもしれません。

――――モールドをつくるほうが大変ですか?

鱗:そうですね。そっちの方が大変かもしれないです。

――――粘土で原型をつくってからシリコンを流して型をつくるんでしょうか?

鱗:最初の原型をつくる作業が大変ですね。
普通の粘土作品を制作するようにつくるわけではなくて、型なので。
レジンのことも考慮してつくらないといけない点が大変です。
「ここ、この厚みだと石が入らないな」とか、そういったことも考えながら。

鱗の部分なども、浅いとレジンにしたときに出てこなかったりして。
深すぎたときはレジンを塗ればいいんですけど。

――――モールドはどのくらい持ちますか?

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