ハンドメイド作家もPL保険に加入した方がいい?PL法とは?
こんにちは、CAT+v編集部です!
ハンドメイド作品を販売している皆様、PL法という法律はご存じでしょうか。
PL法とは、製造したものによって消費者に損害が生じたとき、被害者は製造者に損害賠償を求められることを定めた法律です。
製造物には、ハンドメイド作品も含まれます。
個人で販売していても、製造したものが原因で購入者に損害賠償を求められた場合、対応しなくてはいけません。
今回は、PL法(製造物責任法)についてと、PL保険(生産物賠償責任保険)についてご紹介します。
PL法(製造物責任)とは
PL法(製造物責任)とは、ハンドメイド作家様にわかりやすく言い換えると、制作・販売した作品が原因で購入者に損害があった場合に、制作者が責任をとらなくてはいけない、ということを定めた法律です。
以下に、消費者庁のQ&Aを引用させていただきます。
ハンドメイド作家様に当てはまる予測されるケースは
製造・販売したハンドメイド作品が原因で
ケガをした
かぶれなどの皮膚疾患が生じた
服やバッグなどが破けた、キズがついた
などの場合に、購入者から損害賠償を求められたら対応しなくてはいけませんよ、というもの。
購入した作品が破損した場合の修理費用の保証ではなく「製造物に安全性を欠く欠陥があった場合、治療費などを請求された場合は責任を取りましょう」というものです。
ここでいう安全性を欠く製造物の欠陥には以下の3つの種類があります。
①製造上の欠陥
制作中になんらかの原因によって粗悪な材料が混入した
制作方法や組み立て方法に誤りがあった
などの原因により、設計・仕様どおりに作られなかったために安全性を欠く場合
②設計上の欠陥
デザイン設計や素材選定などの段階で安全性が不十分であり、結果的に完成した製造物が安全性に欠ける場合
③指示・警告上の欠陥
消費者(購入者)による誤った使用方法によって事故が予測できる場合、
製造者(作家)が消費者側で防止・回避するために適切な注意書きなどをしなかった場合
指示・警告上の注意にはとくに規定はありませんが『日本ジュエリー協会(JJA)』が推奨している注意書きの例などを参考にしながら
商品購入ページに適切な注意書きをしておくこと
販売した作品にPLカードなどの注意書きを添付する
ことをおすすめします。
参考:日本ジュエリー協会HP
金属アレルギーとは
PL法で問題になると予測されているもののひとつに、金属アレルギーがあげられます。
金属アレルギーとは、金属が原因となる接触性皮膚炎のことで、金属が触れた部分の皮膚がかぶれや赤み痒みなどが発生します。
とくに金属アレルギーが発生しやすく注意が必要なのは、ピアスです。
ピアスはジュエリーの中でも唯一、体の中に触れるため金属アレルギーが発症する危険性が高いアイテム。
また、汗をかきやすい季節や、体調がすぐれないときなどにも発生しやすいため、想定されるシーンでは着用を控えるように注意書きをしておくことをおすすめします。
とくに金属アレルギーを発症しやすいニッケル・クロム・コバルトなどを原材料に含む場合には、素材に関しても十分な説明が必要です。
金属アレルギーは、日本人に10人に1人は発症していると言われているほど、身近な皮膚疾患。
市販のパーツなども含め、金属を使用した作品を制作している作家様は十分に注意してくださいね。
PL保険(生産物賠償責任保険)とは
万が一、損害賠償を求められた場合に十分に応えるためにPL保険(生産物賠償損害保険)に加入することをおすすめします。
PL保険は個人でも加入することができ、保険料は前年度の売上によって決まります。
ハンドメイドアクセサリーの展示会やイベント、委託販売先によっては、PL保険の加入が条件として規定されていることも少なくありません。
インターネットで販売している方も、いつ賠償責任を請求されるかわかりません。
加入しておくと安心して作家活動に専念できますよ。
PL保険(生産物賠償責任保険)を取り扱っている保険会社
損保ジャパン「国内PL保険」
三井住友海上「生産物賠償責任保険」
東京海上日動火災保険「PL保険(生産物賠償責任保険)」
など、保険会社各種が取り扱っています。
普段から自動車や生命保険、ご自宅の火災保険などでお世話になっている保険会社や保険代理店があれば、一度相談してみるといいでしょう。
PL保険加入時3つの注意点
PL保険に加入する際には、注意点が3つあります。
保証対象外のケースもある
自己負担額がゼロにはならない
保証範囲が「国内のみ」に設定されていることもある
ひとつずつ解説します。
保証対象外のケースもある
いくら保険に加入しているといっても、すべての製造物が保証の対象になるというわけではありません。
ひとつは、故意に欠陥を発生させたケースです。
故意ではなくても、製造者の過失が重度であった場合にも、保証が認められないことがあります。
また、ハンドメイド作家様ならあまりないケースかもしれませんが、明らかに危険すぎるものは保証の対象外になりますので注意しましょう。
自己負担額がゼロにはならない
PL保険に限った話ではありませんが、一般的な損害賠償保険では、免責金額設定というものがあります。
免責金額とは、保証対象の事故などが発生して損額が発生した場合、保険金の支払いの対象にならない一定金額のことです。
保険会社やプランによって免責金額の設定が変わりますので、契約時によく確認しておきましょう。
保証範囲が「国内のみ」に設定されていることもある
ハンドメイド作品を購入してくださるお客様は日本国内だけではありません。
全世界のハンドメイド作品が集結するEtsy(エッツィー)でショップを開設している方や、minne(ミンネ)やCreema(クリーマ)の海外販売を活用している方はとくに注意が必要です。
万が一、海外から訴訟を受けてしまった場合、国内専用の保険では保証対象外になってしまいます。
海外からの損害賠償請求額は日本国内よりも高額になるケースが少なくありません。
また、文化の違いなどもありますので「こんなことで損害賠償請求されてしまうの!?」という想定外の事例で賠償責任を求められることもあります。
海外向けに販売をしているハンドメイド作家様は、海外での事例にも対応してくれるのかをよく確認してから契約するようにしましょう。
※Etsy(エッツィー)では、2023年現在、日本からの新規出店はできません。
眺めているだけでも大変参考になりますので、ぜひ覗いてみてくださいね!
まとめ
個人のハンドメイド作家様も知っておきたいPL法、PL保険について紹介しました。
アクセサリーやジュエリーは、お客様の身に着けていただくもの。
安心して身に着けていただくためにも、作家自身がPL法について理解しておく必要があります。
また、万が一損害賠償が発生した場合でも、PL保険に加入しておけば自己負担額が少なく済むでしょう。
本記事をきっかけに、PL法やPL保険に関心を持っていただけましたら幸いです。
とはいえ、自分の作品について具体的にはどんな部分の安全性を確認したらいいかわからないという方は、当アカウントが運営するメンバーシップのご利用を検討してみてください。
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ここまでご覧いただき、ありがとうございました!
また別の記事でお会いできますと幸いです。
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