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【第三話】もうかえりたい
キウイ(ああ疲れた…
だるい…
もうかえりたい…)
二人で歩くとハイパーイケメンのキウイとすれ違った女性達は皆振り返る。そんなキウイを側に置ける立場にあるレモンは鼻が高い。
キウイ『ん?なぜに?君はそんな、にやにやしてんの?』
レモン『ふっ。いやあ。私みたいな美人を連れてるお前はホントに恵まれてるやつだなぁなんて思ってさ』
キウイ『………ああ………うんそうか………』
レモン『ああん!?ワレなんじゃその反応はあ。ワシに何か不満でもあるっちゅうんかい?おお?』
キウイ『い、いやないよ💦
おれは世界一幸せな人間だよ』
レモン『おお。じゃろーがい。ンー。
下北ッちゅうたらやっぱ古着っしょ。あの店入ってみよ』
⚪店内
今が旬なノリやすいダンスミュージックがかかっている。
一応ダンス部のレモン、ステップクラップアイソレーションでリズムをとりながら店内で踊る。
レモン『さすが下北の古着屋よね〜
選曲もいけてるわ〜』
下北で遅めのランチしたり古着見たり下北沢を満喫する2人。
何軒目かの古着屋で2人はアロハを買うことに。買ったアロハシャツをその場で着る2人。
レモン『アロハはええねえ〜。
なんか着ちょるだけで陽気になれるわ』
キウイ『そ、そうですね…』
⚪ディスカウントストア前(夜)
店で買った飲み物をレモンが先に飲む。
レモン『ぷはーうめえー
喉の渇きは最高のスパイスやねえ』
キウイ『は、はよおれにも……』
レモン『あ、わり全部飲んじまったw』
キウイ『ま、まじか………』くらり
キウイ、そのままアスファルトの上に崩れるように倒れる。
レモン『きやああああああああああ!!!
私の彼氏がああああああ!!!』
レモンがあまりにもヒステリックなボリュームで騒ぐので人集りができた。
キウイ『………み、みず』
レモン『ミミズ?ワリヤは何がいいたいんなら!』
ギャラリーお姉さんA『水!』
キウイ、コクンコクンと頷く。
レモン『み、水ね!
わがった!わがった!
すぐ買ってくるけえ!
待っどぐんやでえ!!!』
レモン、キョロキョロ。
レモン『ちょっとお兄さん達!
私水買ってきますんで!
私の彼氏見ていてくれませんか!?』
レモン、人集りの中から二人組のイケメンを指差し指名するとスタコラサッサと店に走る。
『は?なんでおれらが?』
とイケメン二人組は眉間にシワが寄るワケだが、レモンの勢いと大衆の目線に負けてしまい渋々キウイに近寄る。
✘ ✘ ✘
レモンが戻ってみるとまあびっくり、イケメン2人は何処へやら。
キウイは3人組のお姉さんグループに介抱されているではないか。
心做しかキウイも満更ではないように見える。
レモン『お、おのれらァー!
わしの彼氏になにさらしてけつかんのじゃ!
おいキウイ!
ワレも何嬉しげな表情しとるんなら!』
お姉さん達の中から1人が立ち上がり、レモンに立ち塞がる。
お姉さん『あんた、彼女?』
レモン『おう。何か文句あるんけ?』
お姉さん『この熱帯夜、熱中症の彼氏を熱されたアスファルトの上に置き去りにする彼女ねえ……
あんた、ほんとに彼氏のこと愛してんの』
レモン『違わい!わしはこいつの為に今水を買いに行っちょったちゅうんじゃ!この行動の何処に愛が不足しちょるちゅうんじゃい』
キウイ『あ、お姉さん達…いいんです…
彼女は本当にぼくの彼女なんで…
情けをかけて頂き、ありがとうございます』
レモン(何が情けじゃ………)
✘ ✘ ✘
最終的にはキウイも回復し、レモンも機嫌が直った。
終わりよければなんとやら。
最後に2人で古着屋で買ったアロハ着たままゲームセンターでプリを撮ってFin。