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Linux liteを入れてみた
メルカリで買った古いAcerのノートPC(Aspire-R3)にLinux Mintを入れて使っているのだが、やっぱりちょっとモッサリしていたのです。ストレージをSSDに換装、メモリを8GBに増設してはいるのだけどやはりCPUがゴミみたいなもんなのでどうしようもない。その他にも不便な箇所がいくつかあって、メインで使っているわけでもなくまだストレージ容量もあるので、どうせならマルチブートにしようかなとディストリを物色して、Linux liteに当たりをつけました。今回はその報告になります。
インストール
まずはインストールイメージISOをダウンロードしてきて、LiveUSBを作ります。ダウンロードページは以下。
LiveUSBの作成
LiveUSB作成は、WindowsならRufusでよいです。
LinuxならUSB Image Writerかターミナルからできるみたいです。
今回はメインのデスクトップPCがWin11なのでRufusを使いました。USBメモリを挿してRufusを起動し、ファイルにダウンロードしてきたISOを指定するだけ。ちょっとだけ時間がかかります。
LiveUSBでLinux liteの起動
起動も、結構時間がかかる印象。MintはCUIで進行状況が見えますが、liteはUbuntuみたいな感じでそういうのないので、尚更そう感じたかもしれません。起動すると気持ちの良いサウンドが鳴ってくれます。
最初に表示されるのは初期設定画面です。「Lite Welcome」って言うアプリのようです。
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ここからインストールをするわけですが、まずネットワークに接続しなければいけないので、下部タスクバーからネットワークアイコンを探し出し、Wi-Fiに接続します。もちろんメニューは英語表記なので、よく読んで判断しましょう。しかしここで最初の問題発覚。
NumLock問題
なんだかキーボードの挙動が変なのです。そう、NumLockがONになっている。デスクトップのフルサイズキーボードならいいんでしょうけど、ノートPCの場合は普通NumLockはOFFで使うのでSSIDやパスワードを入れようとするとT*-35n2_AA//とかうまく入力できない。自分の場合[Fn]キーを押しながらだと入力できたので、なんとか気づくことができました。とりあえずOFFにして、あとで設定を変更します。
インストールは他のディストリと大差ない
インストールメニューはUbuntuなんかとあまり変わりません。指示に従って項目を選択していくだけ。ストレージのパーティション変更もサクッとやってくれます。Mintと比べるとこちらも少し長かったかもしれませんが、まぁ待ってればできるので心配いりません。
最後に「Remove media and press Enter key」みたいなメッセージが出るのでUSBメモリを外し、Enterキー押して再起動。またしてもLite Welcomeが表示されます(一番下の「Show this dialog on startup」のチェックを外せば表示されなくなります)。とりあえず「Install Updates」「Install Drivers」はやっておいて良いと思います。ここまでで大体インストール作業は終わり、という感じですね。
問題解決(各種設定)
さて、ここまででも既にGoogle ChromeやVLCプレイヤー、GIMP、LibreOfficeなどがプリインストールされておりほぼ使えるのですが、メニューが日本語になっていなかったりしますので色々設定をしていきましょう。
日本語化
あちこちのサイトで「日本語パッケージ」を追加すればすぐできる、と書いてあるんですが、今回うまくいかなかったのであちこち調べました。参考にしたのは以下の記事。
今までテキストエディタはnanoを使っていて、ターミナル内で処理していましたがliteのデフォルトテキストエディタはmousepad、これGUIで操作するのでWindows脳の人間にはありがたいです。ここで「locale.gen」を書き換え、再起動→言語設定で日本語を有効化してまた再起動。
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これでメニューが日本語化されましたが、日本語入力がイマイチ不安定なのでmozc(ibus)の設定も見直します。
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[半角/全角]キーはデフォルトで"IMEを無効化"になっていますが、これを"有効化"に変更したら問題なくなりました。ただこれだけでなくキーボード設定も変更しています。次でNumLock問題も合わせて見ていきましょう。
キーボード設定
キーボードの配列、PC本体のキーボードなら大体問題は起きない筈なのですが、再起動したときに英語配列になってしまったりすることもありました。その辺も合わせてキーボード設定を見ます。
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「レイアウト」タブで日本語配列を追加します。英語配列は思い切って削除してしまっていいのではないでしょうか(英語配列キーボードを使うのでなければ)。
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また、「振る舞い」タブでNumLockの状態記憶とキーリピート設定も変更できます。デフォルトだとリピート速度かなり遅いし開始までの時間も長いので、個人的にはこのくらいが自然。
でもこれだけだと初期設定が変わっていなさそうなので、メニューから「設定」→「ライト調整」(英語メニューだと「Lite Tweak」)を選択。
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「Numlock」の項目を見つけたらチェックを入れて「Begin」。
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ここで「Disable」を選択し「Apply」。これで起動時にNumLockがかかってしまうのは防ぐことができます。
各種アプリの日本語化
メニューや入力は日本語化できましたが、アプリそれぞれはまだ日本語化されておらず、しておいた方が使いやすいものを変更していきます。
VLC
VLCプレイヤーについては先程のサイトに載っているのでそちらを参照してください。
Libre Office
上記のサイトにあるLibreOfficeの日本語化は、リンク先のとおりにやってもうまく行きませんでした。そもそも7.6.7.2でなく24.2、日本語パッケージも入っているのに日本語化できない状態。
そこでパッケージマネージャを見ると、もっとざっくりまとめてインストールするらしき項目があります。バージョン情報を見ると4:24.2.7となっていて、どうやらこっちの方が新しいようです。
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なので、24.2.6の方は削除して、24.2.7をまるっとインストールします。
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ただこれだけだと24.4.6のメニューが残ってしまうのでそれも見つけて削除指定しましょう。関連パッケージで各アプリも削除できます。
それが済んだら「ワードプロセッサ」(Writer)あたりを起動してみると、日本語化されています。良かった〜。
ハイバーネートを有効にする
起動にわりと時間がかかると書きましたが、折角軽いOSですし、ノートタイプなのでそれを活かすためにハイバーネートを有効にします。参考にしたのは以下の記事。
これはMintでの実例ですが、polkitd-pklaはインストールしなくても電源メニューにハイバーネートが表示されるようになったので、そこまででもいいかも知れません。「電源管理」で細かく設定できますので、スリープや画面ロック/オフなども含めて見ておきましょう。
その他の設定
あとはGoogle Chromeにログインすれば履歴やパスワードも母艦やスマホと同期できますし、壁紙はデスクトップ設定から変更できます(デフォルトで割といい感じの画像が入ってますので、探さなくてよいのが嬉しい)。「ライトウィジェット」をONにすればデスクトップに常にCPUやメモリの使用状況を表示しておくこともできます。
画像編集
画像ビューワ/エディタに関しては、WindowsのIrfanviewが便利すぎるので代替アプリを探して、MintではXnViewを使っていましたが、パッケージマネージャでは出てきませんでした。ただし、デフォルトのビューワ(Shotwell)がトリミングもできて優秀なので、特に新たなアプリを入れる必要がなさそうです。一応、XnViewやIrfanviewに似た挙動のアプリとして「nomacs」というのがありました。ただIrfanviewのネ申機能であるパノラマ画像の作成はやはり不可能なので、これについてはGIMPを使うしかなさそうです。どうせGIMP使うなら文字入れとかレタッチもガンガンできるのでそれでいいのではないかと思います。
セキュリティ
また、ファイアウォールも「ファイアウォール構成」から有効化できます。細かい設定はわからないのでデフォルトのまま使っていますが、とりあえず無いよりはマシでしょうか。
アンチウイルスソフトはclamavというのがあって、パッケージマネージャでデータベースもダウンロードできるのですが、使い方がよくわかりませんでした。今やUbuntuだって気をつけないと…と思うので、もう少し調べてみようと思ってはいます。
残る問題
最後に、どうしても苦労するのがBluetoothまわりです。やはりBluemanかBlueZのみで、選択肢がないのです。Mintでも苦労しました(BlueZに変更したが、起動時や復帰時にOFFになってしまいどうやっても直せない)が、とりあえずデフォルトのBluemanを使用。ずっとそうなんですが、マウスは簡単に繋がるけど、Bluetoothキーボードがなかなか繋がりづらいんですよね。とは言え一度繋がってしまえばOKなので、なんとか使い慣れたLogicoolのM575とK380を利用できています。Ubuntu派生ディストリだけの問題かと思ったんですが、そう言えばAndroidもわりと不具合出ることが多く、Linux系はここがネックだと感じます。
ちなみに私は若干キーボードオタクなところがあり、英語配列のキーボードをMintで使ってみたことがあるんですが、本体が日本語配列なのに英語配列をUSB接続等で使おうとするとやはりうまく行きません。Windowsですらシステム設定で変更する(再起動が必要)ものなので、このへんは仕方がないかも知れません。今の所はK380がとても使いやすいのでこれで満足しています。
ともあれ、表示がとても綺麗なんですよね。Ubuntuってそうだったよなそういえば。MintはUbuntuベースだけどWindowsライクで、フォントもあまり綺麗なものではなかった気がします。年齢的なものもあり、文字が読みやすいというのは良いですね。私はしばらくこれをメインで使って行こうと思います。
Windows10のサポート終了期限がアナウンスされ、Win11が使えない古いマシンをどうするか問題も取り沙汰される中、このOSは魅力的です。自力でなんとかする「ずく」がある人は試してみたらいかがでしょうか。