夏の高校野球も終わったので真面目にLOVE LIFEをレビューするの巻
どうも。社高校があっさり負けてしまってしょんぼりしているカツペソです。
第104回全国高校野球選手権大会も終わりましたね。ついに優勝旗が白河の関を越えて仙台育英に渡ったのは歴史的快挙だと思います。
ところで、高校野球の醍醐味といえば吹奏楽部による応援も見どころの一つです。例えば大阪桐蔭の吹奏楽部は常に最新の楽曲を応援に取り入れるというスタイルが好評を博しています。(流石に鎌倉殿の13人のメインテーマは恐れ入った)
そして、吹奏楽の定番といえばhitomiの『LOVE 2000』です。今年は愛工大名電の応援で使われていたのが印象に残っています。
というわけで、本題です。
hitomiのアルバムレビューといえばこんな記事を書いた事があります。
こちらでは名盤『huma-rhythm』を熱く語っていましたが、今回レビューする『LOVE LIFE』もかなりの名盤です。ただし、ジャケ写はあまりにも際どいので購入の際は自己責任でお願いします。
入手日:2021年7月1日
入手場所:ブックオフ三宮センター街店
入手価格:確か330円で投げ売られていた記憶がある。
解説
2000年12月13日発売。全13曲で構成されています。
『LOVE 2000』の大ヒットで脱小室に成功したhitomiが満を持して世に放ったアルバムです。際どいジャケ写がインパクトに残る。
『huma-rhythm』の全14曲中7曲には敵わないが、こちらもタイアップ曲が多い。
アルバムは渡辺善太郎と多胡邦夫のダブルプロデュースで構成されていて、前半5曲が渡辺善太郎プロデュース、後半8曲が多胡邦夫プロデュースとなっています。(ちなみに後半8曲の編曲は渡辺善太郎と守時タツミ)
ちなみに、hitomiの名盤3部作(thermo plastic・本作・huma-rhythm)の中で唯一オープニングのインスト曲がない。いきなりスタートである。
Spotify
01.It's only access
作曲:萩原慎太郎
編曲:渡辺善太郎
※『huma-rhythm』のレビューでも説明しましたが基本的に作詞はhitomi本人が行っているので一部を除き割愛させてもらいます。
『huma-rhythm』の『OPEN MIND』でも解説したがhitomiの萩原慎太郎提供楽曲はデジロックが多い傾向にある。もちろん本曲もゴリゴリのデジロックである。
際どいジャケ写も相まって歌い出しの「アダムとイヴの物語みたいに僕ら 何をこの世界に残せるというのだろう」という歌詞が意味深なものに聞こえる。
02.LOVE 2000
作曲:鎌田雅人
編曲:渡辺善太郎
タイアップ:日本テレビ『劇空間プロ野球』2000年6・7月度テーマ曲
もはや説明不要と言ってもいいhitomiの代表曲です。
一応説明しておくと元々は日テレのプロ野球中継で使われていた楽曲だったが高橋尚子がシドニーオリンピックで自分のモチベーションを上げるためにこの楽曲を聴いていたところから人気に火が着いた。といったところか。
イントロのギターリフからの疾走感が心地よい楽曲である。
ちなみに、シングルリリースはhitomiの個人的3大鬱曲の1つである『体温』の次にリリースされている。一体体温とこの曲の間に何があったんだ。
03.MARIA (Album Mix)
作詞:hitomi・多胡邦夫
作曲:多胡邦夫
編曲:渡辺善太郎
タイアップ:日本テレビ『トヨタ・プリンセスカップ2000』テーマ曲
当時のエイベックスの悪習である「アルバムミックス」の魔の手はhitomiにも迫っていた。原曲が良いだけにもったいない。(なお、後にコンプリートベスト盤である『peace』に原曲が収録されることになる)
楽曲自体は切なさの中に希望を見出すといった感じである。
歌詞の内容から浜崎あゆみの『M』と勘違いされがちだが、リリースはもちろんこちらが先である。(浜崎あゆみの『M』は2001年2月7日リリース、hitomiの『MARIA』は2000年9月20日リリース)
04.PARADISE
作曲:渡辺善太郎
編曲:渡辺善太郎
よく「The Flaming Lips」の『Race for the Prize』のパクリではないかとネタにされている不遇な楽曲。確かに似ている。
しかしhitomiの渡辺善太郎作曲楽曲にハズレがないのは確かである。パクリかどうかはさておいて、hitomiの無邪気さがよく分かる楽曲だ。
05.REGRET
作曲:渡辺善太郎
編曲:渡辺善太郎
タイトルの『REGRET』とは「後悔」という意味。hitomi3大鬱曲の1つである。(残り2つは体温とINNER CHILD)
物悲しいオルゴールのイントロからやるせないhitomiの歌い出しが哀愁を誘う。歌詞は完全に失恋した男性の恋心である。(基本的にhitomiが歌詞の一人称で「僕」を使っているときは男性目線で歌詞を書いているのは有名な話)
こんな失恋ソングだが、『LOVE 2000』のカップリング曲でもある。善太郎さん、なぜ入れたし。(世間一般的には『LOVE 2000』のカップリング曲は『アイドルを探せ』のカバーのほうが有名かもしれないが)
06.Love me darling
作曲:多胡邦夫
編曲:渡辺善太郎
前の曲から嘘のように(?)ポップな曲へと変わるので初見だとビックリすること請け合い。カースケさんのドラムも心地よい。
歌詞を見るとhitomiの本音がダダ漏れである。
ちなみに、LOVE LIFEツアーではこの曲でバンドメンバー紹介が入る。ちょっとした小芝居もあったりして結構楽しい。(DVDにも収録されているがバンマスである守時タツミさんがハンドベルでLOVE 2000を演奏するシーンは必見)
07.FAT FREE
作曲:多胡邦夫
編曲:渡辺善太郎
タイアップ:アデコキャリアスタッフ TVCMソング
派遣会社のCMにも使われていた通りズバリ「強い女」を歌っている。ちなみにピアノは渡辺善太郎さんが弾いている。(ついでにタンバリンも叩いている)
アルバム曲ということもあって知名度はややマイナーだが元気をくれる曲であることは確かだ。
08.キツク愛してよ
作曲:多胡邦夫
編曲:渡辺善太郎
守時タツミさんのブルースハープが印象に残る楽曲。LOVE LIFEツアーの音源だと彼の凄さが改めて分かるかもしれない。
『Love me darling』からこの曲にかけての流れを見るとこの頃のhitomiは相当愛に飢えていたと見える。そんなワガママっぽいhitomiも好きなのだが。
09.OVER THE WORLD
作曲:多胡邦夫
編曲:渡辺善太郎
タイアップ:NTTドコモ関西 「iモード」 TVCMソング
デジロックなのでよく萩原慎太郎作曲と勘違いされるが多胡邦夫作曲である。まあ間奏の口笛を聴けば何となく分かるが。
「世界を越えていけ」というタイトルが示す通り、まさしくITバブルだったゼロ年代を象徴するような楽曲だ。
ちなみに(?)hitomiは携帯電話のタイアップとよく縁があるというが、この時点でドコモ関西のCMソングを歌っている。後に三菱電機がオファーを出したのも何となく分かるかもしれない。
10.pray
作曲:多胡邦夫
編曲:渡辺善太郎
hitomiのアルバムに関して、後半がバラードで構成されているのは『huma-rhythm』のレビューでも説明したが本作でもそうである。
「祈り」という単語が示す通り、愛と希望を歌ったバラードだ。
ちなみに、LOVE LIFEツアーではキーを1つ落とした状態で歌っている。コレはコレでレアかもしれない。
11.キミにKISS
作曲:多胡邦夫
編曲:渡辺善太郎
タイアップ:日本テレビ『ストレートニュース』エンディングテーマ低視聴率ドラマの主題歌。むしろドラマより曲のほうが売れてしまったのはhitomiとしても不服なのではないのか。
重厚なピアノとギターがこの曲に味付けを施している。次に説明する『LOVE LIFE』もそうだがさり気なくインディーロックの名曲じゃないかと思っている。
12.LOVE LIFE
作曲:多胡邦夫
編曲:守時タツミ
hitomiにおいてアルバムタイトルがそのまんま曲名になっているというのは結構あったりするのだが、本曲もそのうちの一つである。
守時タツミさんのアレンジもあって「エイベックスらしさ」があまりない。むしろ「UKロックです」と言っても通用するのではないのか。
「愛」ということ、そして「生きる」ということ。両方を考えさせられる曲だ。
後にエイベックスお家騒動のゴタゴタを経てhitomiはプライベートレーベルを立ち上げるのだがズバリレーベル名は「LOVE LIFE RECORDS」である。この曲がトリガーになっているのは言うまでもない。(ただしデジタルシングル『LOVE 2020』の配信元はエイベックスなので色々あったが元サヤに収まったのだろう)
13.孤独な空
作曲:多胡邦夫
編曲:守時タツミ
トリを飾るのは夕暮れ時に聴くと程よいバラード。元々は『キミにKISS』のカップリング曲だった。
hitomiの楽曲と言うのは『体温』を筆頭に基本的に「秋」のイメージが強いが、こちらは11月の物悲しい夕暮れといった感じか。
ちなみにサポートギターとして小倉博和さんが参加しているというさり気なく豪華な楽曲。
終わりに
以上全13曲をツラツラと書いていきました。個人的には前作『thermo plastic』や次回作『huma-rhythm』のほうが好きですが、こちらも中々の名盤であることに変わりはないです。
サブスクでも聞けるし、ブックオフでは100円~300円クラスで売られているので機会があれば聴いてみるのもいいかも。(ちなみに先日四条河原町のブックオフで帯付きで売られていたので思わず購入しそうになってしまいました)
ただしあの際どいジャケ写が物議を醸し出しそうなのは言うまでもないが。