1000年の歴史を持つ神社で受付に就任した新米猫さん、参拝客を出迎える後ろ姿に勤勉ぶりがにじみ出る
日本各地にいる看板猫。飲食店や旅館などでは接客に励む猫がいる施設も珍しくありませんが、中には神社で働いている猫もいます。
宮城県登米市にある若草稲荷神社では新年早々、サバ白猫の「こみね」ちゃんが受付猫に就任。その3日後には参拝客を積極的に出迎える姿が目撃され、早くも受付猫としての自覚が芽生えてきたことを感じさせる光景がSNSで公開されています。
受付に猫がいたり窓に猫のステッカーが貼ってあったりと、ネコ好きな人には気になるこちらの神社。どのような人が参拝に訪れているのでしょうか。
若草稲荷神社の宮司・櫻戸さんにお話を聞いてみると、平安時代に創建されてから1000年以上の歴史を誇る同神社は、願掛けや御朱印の受領を目的とした人をはじめ、美しい自然風景を撮影しようと一眼レフカメラを持った人も多く参拝に訪れるのだそう。そして、神社では現在5匹の猫を飼っていて、参拝に訪れた人を出迎えてくれることから、ネコ好きな人にも知られたスポット。
受付猫のこみねちゃんは、神社猫メンバーの中でも新入りで、今年から見習いとして働き始めたばかりなのだとか。
そんなこみねちゃんは、活発でお転婆だけど甘えっ子な一面もある女の子。神社での1日は境内にある参集所でお兄ちゃん猫と遊んだり、お留守番したり、お昼寝したりと、猫らしくマイペースな過ごし方。
それでも授与所デビューを果たしてからは受付業務に精進。推定7ヶ月ほどの子猫のためお仕事のボリュームはまだ控えめですが、新しい場所が新鮮に感じているようで日々お仕事を楽しんでいるそうです。
こみねちゃんを神社で飼うことになったのは、境内の中で鳴いているところを数人のライダーさんから教えてもらい、保護したことがきっかけ。なぜライダーさんなのか?実は若草稲荷神社は日本各地にある神社仏閣をバイクで巡拝し、革のバンドに御朱印ならぬ御刻印を打ってもらえる「疾風巡拝プロジェクト」に参加しているため、全国からライダーの人たちがお参りに訪れることも多い神社なのだとか。
ライダーさんに見つけられたご縁から神社猫になったこみねちゃん。参拝に訪れた人々からは可愛いと声を掛けられたり、撫で撫でされたりしながら記念写真に応じるなど、多くの人々に親しまれている一方、先住の神社猫たちも「若草にゃんこ」として活躍。訪れた人におもてなしの挨拶をしたり、接待したり、ライダーさんのバイク点検をしたりと、幅広いお仕事に従事していると言います。
そんな若草稲荷神社にとって猫ちゃんたちはどのような存在なのでしょうか。
宮司である櫻戸さんに聞いてみると「みんな我が家の可愛い子供達です。時には甘え、時には寂しがり。日々、幸せと癒しを与えてくれる存在です。」と回答。家庭で飼っている猫も神社で飼っている猫も、家族の一員であり癒やしの存在であることに変わりはないようです。
また、神社の見どころについも聞いてみると「境内内は市の公園でもありますので、若草山の四季折々の自然豊かな里山の景色を肌で感じていただきながら、猫たちと戯れたり、稀に遭遇するカモシカや狐を見たり、心穏やかな時間を過ごして癒されていただきたいと願っております。」とのことで、運が良いと野生動物の姿を見れることもあるそうです。
その他にも同神社では新年限定やバレンタイン&ホワイトデー限定、結婚や還暦記念など、さまざまな御朱印を領布していますが、犬猫好きな人には注目なのが「わんにゃん御朱印」。
この御朱印は初穂料の一部が動物保護団体に寄付されるほか、参拝客から神社猫たちに贈られたオヤツのうち食べきれない分は動物保護団体に寄付するなど、動物愛護に関する取り組みも行っています。
取材協力:正一位 若草稲荷神社(@wakakusa_inari)【公式】さん
記事転載元:https://cat-press.com/cat-news/wakakusa-inari