＃私の旅行記　エルパソで国境パトロール捕まった

私のこと聞いてください　シリーズ

出発：1980年６月30日大韓航空　成田発ハワイ経由ロスアンジェルス行き
登場人物2３歳女性。一人旅。初の海外旅行。
目的：振られた男を忘れる。願わくば当地で職を得る。
総額費用：５０万円。定時制高校当時から貯めていた預金全額。
費用詳細：航空券往復１８万円　当時一番安価だった。
日航やアメリカの航空会社はこの2倍はした。
グレイハウンドバス１ヶ月乗り放題周遊券７万５千円（342ドル）
為替レート：1980年6月１ドル２２６円
トラベラーズチェック1000ドル　約２３万円
残金：お世話になるかもしれない人々への小さな手土産など

3年近く一緒に暮らした男に振られた。
（＊詳しい話は過去のnote『「愛と、利と」を観ながら』参照）
起き上がれないほどのショックだった。
数ヶ月夢遊病者のように生きていた。
できることなら、事故でもなんでもいいから
この世からいなくなりたいと願った。

コレじゃいけない。
何かアクションを起こさないと。
頭のどこかで誰かが囁いた。
もちろん私の声。

アメリカに行こう。
子供の頃からの夢。
ハリウッドで働きたい。
職種は決めていない。
といえ、なんの取り柄も、
スキルももちあわせていない私。

１年前にオープンしたばかりの成田空港。
周囲は真っ暗。出発ロビーもフライトが遅かったせいか、
人はあまりいなかった。
友人が空港まで付き合ってくれた。
もしかしたら、これが最後の別れかもしれない。

出発ロビーで時間を潰す。
中年女性が私に話しかけてきた。(当時私は2３歳）
「あの子がロスのおばさん（日本人）の家に行くのですが、
ロスの空港につくまでの間あの子を「見ていて」くださる？」
彼女の指の先には、子どもでなく、私よりちょっと若めの男性。
はぁ．．．？機内であの青年の面倒を見る？
わかりました。断る理由が見当たらなかった。

ほとんど満席の機内、「あの子」の席は私より２列先。
後頭部だけはシートの間から見える。大丈夫だよね？
機内は夕食後、睡眠の時間となった。
何事もなく、飛行機はハワイに到着した。

これからが、私の緊張劇の始まりであった。

フライトは、ロスアンジェルスが最終地なのだが、
経由先ハワイで米国入国審査が行われる。

女ひとりでアメリカに入国するのは
入管で危険視される。
観光ビザは取得できていたが、
滞在期間は空港のパスポート係官の判断次第。
観光ビザの場合、最長は３ヶ月。
男性係官の質問はくどい。帰りの航空券、
トラベラーズチェックなどをみせた。
観光プラン、滞在先の住所も聞かれた。

結果、私がもらった滞在期間は？
２ヶ月だった。とほほ。
２ヶ月で職探しがはたしてできるのか？

（続く）
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