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児童ポルノ規制改正に反対する場合に必要なエビデンスとは?

児童ポルノ規制、実写だろうが創作物だろうが、小児性愛を肯定的に描いたもの、倫理観に欠けるものは、何らかの規制をすべきと思っている

小児性愛そのものは加害を含まないこともあるが、実写はそのまま加害だし、何の問題も無い行為のように性加害を描写するのも加害だ

コンプラ意識や倫理観には個人差が凄くあって、バレなければ良い、罰せられなければ良いと言う認識の人もいるし、今、他の誰かがやっているから良いと言う思い込みも多いところに、法規制すらないとなると本当に防ぎようも無い

また規制とは、萌え絵やヌードを見たら全て燃やすことでは無い事は普通に考えれば分かると思う
医学資料や芸術であっても、ヌードである必要性があれば認められるし、必要性がなければ描かれない

世界的にも、青少年の性的に見える描写と限定して、社会通念に照らして多くの人が該当すると判断した場合等の基準があるため、医学書が該当する事はまず無いだろうが、絵画は元々、写真発明以前にはポルノの主力だったので該当する事はあるはずだ


今までは医学資料等も含めてゾーニングやレイティング、但し書きなどで済んできた

が、ネットでばらまくバカがおり、それを無限に複製したり改変出来てしまう時代なので、元から断つ必要が出てきてしまったと言うか…
(これは著作権的にもアウトで、海外でも複製、頒布されている点、問題ではある。)


国内現行法の住み分けや意見はこちらにまとめている




なお、世界的に各国の基準で摘発された人は、200点とか1000点とかその手のものを持っていて言い逃れはしにくく、冤罪だとかグレーな事は少ないので、判例として参考になるのは1点の作品をめぐる裁判などのケースだと思う


日本では、児童ポルノではないけど、ろくでなし子さんの作品関連で最高裁まで行っていて、話題になった
裁判を含めて現代アートになった感がある


ざっと調べたついでだけど、一般人の場合は、じたばたしてニュース等で個人情報やSNSを掘り下げられる前に、素直に認めて静かに保釈金を払い、裁判を終える事が弁護界隈で推奨されているようだ
(押収物やそのリストを公開する事は犯罪者や消費者が喜ぶだけなのと、作者の身が危険なのとで出来ないと思う。
※先日の漫画家の関税法違反では公開されていた。
これは双方で違法なせいかもしれないが、海外のニュースでは押収物のタイトルや作者名はあまり出ず、犯罪者のドアップどーんが主流。
manga child pornographyで検索すると、日本の児童ポルノ市場を批判する記事が多く、タイトルもいくつか出てくる)


また、既に実写と創作物の区別なく違法としている国では持ち込めば違法となる
少なくとも関税法があるので送るだけでも違法なはず
これを無視してはいられないのが、国際化の進む今の現状だ


しかし表現の自由も、法と秩序も私にとっては大事だ

文化とは過去の経験や犠牲の上に積み上げられた、人類特有の財産だからだ
もの作りに携わるものとして、文化で食っていると言っても良い

ファッションやアートなんて、そりゃ無くても動物的には生きていける事を承知で業界に居る


だから、児童ポルノ規制に反対する場合、擬似的児童ポルノ規制に反対する場合、何をエビデンスとすれば良いのか、表現の自由派は何をもって戦うべきかも考えてみたい


もちろん、子供の安全や人権を最優先に置く立場からだ


他の記事でも書いてきたものを、別の視点からまとめる形になるので、関連の法律や経緯、実例などはそちらに


※基本的に、調べながらつらつら思考の軌跡のままに書いて最後に自分なりにまとめるためのものなので長いです。シリーズで書いて結論は最後の記事になることもあります。関連リンクを貼っていくので、そちらのリンク集かなにかと思ってください。追記、編集も多いです。



まず法がないと取り締まれず、統計データも取れない

しかし、加害者が何らかの影響を受けて犯罪を犯したと証言しているケースが多々あるので、創作物に関してもそう言ったデータは取れる
押収物も精査すれば、犯罪と類似したものが見付かるだろう

それがまとまれば、法改正出来そうに思える

海外ではデータが取れる状態となって、10年20年経つ国も多いので、それなりに結果が出始めているらしい
論文も増えてきた

この加害者の証言という強力なエビデンスを覆すには、やはり相当強力なエビデンスが必要だと思う

ただ、写真が民間に広まり始めたのが1840年頃、漫画が1920年頃、ゲームが1980年頃

写真である児童ポルノの禁止が1990年頃からなので、これはデータを取る時間もそれなりにあるが、ゲームとなるとどう頑張っても40年程しかない

CGを駆使してリアルな表現が出来るようになってからは20年かそこら
賛成派も反対派もそれほどデータはなくて当然と言える
日本はデータを取れと国連に言われてから10年近く放置しているので論外だけど


一応、海外では法整備の際にかなり論文が出ているし、法整備をした以上、当然、捜査や裁判を重ねているのでデータが取れる

それらがある事も考慮しつつ、シンプルに考えてみる



<1>国内の立法を阻止するには、擬似的児童ポルノが与える影響を推進派が証明する必要があり、反対派は影響がない事を証明する必要がある


<2>人権の保護や輸出入の阻止のため、国際協調を求める諸外国に対しては、反対派が擬似的児童ポルノが与える影響が無い事を証明する必要があり、賛成派は特にする事はないが<1>の法整備を進める事で国際的要請に答える事が出来る


それ以外にも徹底した輸出入の阻止を徹底する事で防ぐ事も出来るが、国内では合法の創作物を輸出入やネットでの取引、アップロードに限って100%阻止するというのはなかなか難儀な事だ

元から断つ方が早いに決まっているし、下流からの取り締まりにかかるコストを考えると本来現実的ではない
なにより1人の作者の頒布により、大勢のユーザーが捕まる事になる

海外で日本の漫画をダウンロードして収監される人が増えているらしいが、初犯で半年、前科や余罪が重なると20年とか…
さすがに人生終わるし、刑務所がいくつあっても足りない
この点で、日本が禁止薬物の製造輸出国と同様の立場に居ることは気を付けるべきだと思う

国連から、児童虐待や人身売買の指摘を受け続けている事もある


そんな訳でこの2つ、国内法の成立反対と諸外国への説明責任の両面から考えてみる


・擬似的児童ポルノを読んでも犯罪には走らないエビデンス

これは走ったと証言する犯罪者がいるので不可

・擬似的児童ポルノを読んで犯罪に走った人はごく稀だとするエビデンス

殺人や強姦は件数自体が少ないが深刻、痴漢や暴力は創作物を真似る事は非常に多そうで、これも不可と思われる

あと、「全員が犯罪に走るわけでもないのだから規制の必要はない」と言う主張があるが、見た全員が犯罪に走るようなコンテンツがあったら大問題である

絶対に事故る車とか呪いのビデオのようなもので、議論の余地なく禁止である
世界中が大騒ぎだろう
アルコールでも禁止薬物でも銃火器でも、自制出来る人は出来るのだ、当然である


・人は創作物に影響を受けないとするエビデンス

アートには良い影響があるとするエビデンスは多い
表現の自由派の主張にも、人生を支えるものだとする意見は多く見られる

だが、そこで悪い影響だけは無いとするのは、なかなかに都合が良く、既に禁止されているタバコや禁止薬物、暴力表現などに関連した映画やゲーム、広告物の規制の際に既に証明されていると思う

これも不可と思われる

もの作りをしている人間としても、この主張はナシだ
それを否定したらアーティストは何を作ってるのかと言う話になるし、芸術でのヌード表現も否定する方向に行ってしまう


・擬似的児童ポルノはペドフィリアに影響しないと言うエビデンス

これも加害者本人が影響を受けた、天啓を受けたとまで言っていたりするので不可

海外でも収監された犯罪者が自分で書いたり、絵の上手い収監者に頼んで書いて貰ったりしている(そして服役中の児ポ製造で、再犯として再起訴、刑期がものすごく延長されていた…)
代替になり得るのだろう

ペドフィリアでない人をペドフィリアにするかと言うと慎重な研究が必要だが、ペドフィリアである人には実写も創作物も変わらない事を示唆している

海外の論文で、複数のコンテンツから妄想を膨らませて実行に移した犯罪を検証したものがあった
犯罪の手口が、犯人が所有する小説の誘拐手口に映画や漫画の監禁、強姦方法を組み合わせたものだったりするケースがいくつも紹介されていた

学習や創造性は人類の素晴らしい特性だが、想像はしても実行に移すべきではないことをまず学ぶべきだった


・未成年への性的接触や暴力は違法だと分かっているから、児童ポルノ、擬似的児童ポルノを読んでも問題無いとするエビデンス

先にも書いているが、多くの人が違法性は認識している

故意であれ事故であれ、起きた時のために法律が必要になり整備されている
どんなエビデンスを揃えようとも、現に法律を知っていても実行する犯罪者が大勢居る以上、どうにもならないので不可

ただし、このペドフィリアだが犯罪に走っていない人のデータは取れていない
まずペドフィリアの診断を受けなければならないし、社会的にも簡単では無いのでそうそう名乗り出る訳ないのだが、法改正に反対するなら名乗り出て自らエビデンスになる選択肢もありうる

影響受ける人は受けると思われるので、あまり意味はないかもしれないが…


※未成年の倫理観、常識、コンプライアンス教育について

ついでに触れると、この違法性の認識に関連して、青少年育成条例などがあり、暴力的なコンテンツやポルノなどは創作物であっても明確に禁止されている事が多い
違法性を認識しない人や軽視する人を育てないために、これを取り締まり、目に触れないようにするというもの

一応、コミケなどでも規約があるのに知らない人が多い時点で、違法だと分かっていない人が結構居る事になるので、違法だと分かっているから大丈夫と言うエビデンスは破綻してしまう

・犯罪を犯す人は児童ポルノに関係なく犯罪を犯すので、表現規制は関係ないとするエビデンス

では何が原因なのかを証明する必要がある
小児性愛の医学的な解明が必要となるけど、それはまだ出来ていないのに、生まれつきだとか決めつけてしまうのは人権侵害だ

さらにその過程に児童ポルノ、擬似的児童ポルノが関係なかったかも証明する必要がある
児ポ法成立が1999年、成立前から刑法や条例である程度、実写は規制されているので、創作物主体で入手している人は少なくないのではないだろうか

今の世代の性犯罪者は、30代後半以上ならポルノも児童ポルノも擬似的児童ポルノも持っていて影響を受けた可能性は高いが、擬似的児童ポルノの影響だけは無いと証明するのは難しい
データを取ると賛成派を応援する結果になりそうな気もする

医学的な証明はさらに難しい
現状、不可と言える

・擬似的児童ポルノが溢れている日本の性犯罪率が低いので、擬似的児童ポルノは関係ない、または規制の必要はないとするエビデンス

性犯罪率が低いかどうかは単純比較が難しい
裁く法律が無いものを訴え出る事は出来ないからだ

セクハラが性犯罪だと言う判例が出て初めて、セクハラを訴える事が出来るようになり、有名な判例や事件が続いて届出や告訴が出来るようになった
また、性犯罪の届出期限が6ヶ月から無期限になって、認知件数は激増した(認知件数とは届出件数とと思っていい。検挙件数は微増なので一見意味が無さそうに見えるが、犯人に調査が入るだけで抑止効果のあるものも多く、被害者には大きな意味がある。初回では検挙されなくても、2回目は前回の記録もあって検挙の可能性が上がる。)

犯罪白書から引用
2000年、性犯罪の届出期限が撤廃された


夫婦間の暴行などでは、スウェーデンのように1人のDV被害者が訴え出たものを複数件にカウントする場合と、日本の様に何年にも及んでも1件とする場合でとんでもなく数が変わってしまう
検挙率があまりに高い場合は、確実な証拠がないものの届け出を受理していない可能性もある

エビデンスは日本より性犯罪が多い国全ての司法システムやメンタリティに精通して、個別に分析して比較しなければならない
さらに犯罪率の低さには、治安維持のためのコストの多寡や教育レベルも関係する

分析出来る人には出来るだろうが、読んだ限りの論文では、2、3国間の比較、多くてもEU諸国と他の国の比較位だった
本当に難しいのだと思うが、単純比較では本質が見えない事が分かる


また、規制をしている海外で犯罪が減っていないとする意見もあるが、実写児童ポルノの場合は被写体となる児童の被害件数は減っていても、通報件数自体は増えるはずなので比較しにくい

創作物の与える影響は、直接被害ではなく性的指向または嗜好に影響した後、被害に繋がると考えられるので、すぐに減らす事は出来ない
即効性があるのは児童虐待の厳罰化など直接的な法改正なので当然と言える

倫理観のアップデートは少なくとも1世代か2世代、入れ替わらないと無理だろう
それでも今の若い世代がデジタルネイティブであるように、人権についてもネイティブは違うだろうと思う

一応、アメリカでは良い変化が出てきたとする統計や分析があるようだ
創作物に関しては1996年から法規制があるので、20年以上経てデータとして見えてきた事になる
この論文が正しいかを検証するにも今後のデータや他国のデータが必要だ




なにより治安の悪い国と比較して数が少ないからと言って、現に発生している犯罪を防がなくて良い理屈にはならないので、ゼロにしてから言うべきとなってしまう
下と比べてマシだから、と言うのは、犯罪者や被害者を軽視する発言だ

少なくとも、擬似的児童ポルノに影響を受けた犯罪はゼロにしないと反論にならない

※自国は問題ないからと児童ポルノを輸出して儲けていたら非難は免れない


ドラッグはまだ使う本人が被害を引き受けるが、性犯罪の被害者は無関係の他人、それも児童だ

これを各国に説明するには、擬似的児童ポルノが性犯罪を起こさないとするエビデンスを出す必要があるが、既に挙げたように加害者本人が証言しているし、既に取り締まっている国ではデータが取れている

アメリカは立法後の調査をかなりやるらしいし、行きすぎていれば緩和もする国だが、日本に対応を迫っている時点で緩和の兆しはない
オーストラリアも暴力や薬物表現(1部地域では大麻合法)は緩和したが、児童ポルノはそのままだ

とりあえず、G7の要請に関してはエビデンス殴りっこになるはず


・擬似的児童ポルノに影響を受けて性犯罪を犯す人が居ても、表現の自由は守るべきとする場合のエビデンス

エビデンスと言うか、児童の生存権と、表現の自由を天秤にかけることになる

日本国憲法第25条
第1項
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する
第2項
国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

※児童福祉法(児童虐待防止法)等がここに関連する


日本国憲法第21条
第1項
集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
第2項
検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

解釈として、Wikipediaにもこうある(Wikipediaが正しいかは別にして、検索してすぐに出てくるものなので、これだけでも読んでから考えるべきと思う)

“表現の自由の制約

日本国憲法の下でも、表現行為が他者とのかかわりを前提としたものである以上、表現の自由には他人の利益や権利との関係で一定の内在的な制約が存在する。内在的制約とは、第一には人権の行使は他人の生命や健康を害するような態様や方法によるものでないこと、第二には人権の行使は他人の人間としての尊厳を傷つけるものであってはならないことを意味する。”

この時点で表現の自由より生存権が上な気がすると言うか、まあ名前だけ見ても上だ
(ドイツの裁判では、明確に青少年保護を表現の自由の上に位置付ける判断がされている。他の国でも基本的に同様。)


だから、どれだけ生存権に譲るべきかの話になるが、痴漢(強制わいせつ罪)位なら許容すべき、な訳はないので、この点で議論して全面的に表現の自由を認めさせるのは不可だろう

他の記事でも書いたけど、被害者が何人程度だから無視して良いとか言えば言う程、言語道断であり人品を疑う状況になる

政治家がこれを言ったら政治生命を断たれるので、国会でもそのような主張は出ていない


・作品が擬似的児童ポルノには該当しないとするエビデンス

ポイントとしては、性的でないか、児童ではないかの2点
どちらも主観的になるが、アメリカにはミラー基準があったり、イギリスも判例を元に様々な例示がされている


どちらにしても、普段そんな絵を一切描かない(持たない)人のグレーな絵について、逮捕まで行く事は少ないだろう
漫画や小説の場合、ストーリーがあるのでより分かりやすい

萌え絵はポルノではないと言うなら規制もされないので心配も要らないと思うが、痴漢と違い、現物を前に議論出来るのでそれほど冤罪にはならないと思われる

実際、上記の別の記事に書いた通り、漫画やアニメの全てがポルノな訳はない


他の法律と同じく、疑わしきは罰せずなので、ギリギリ成人にも見える絵1枚で処罰はされないはず
海外で漫画1冊で捕まった人は、明らかに児童相談所ポルノと言える作品だとか、自宅やデータで他に多数所持しているとか、再犯や余罪があるケースが多かった

法の不遡及の原則もあり過去に作成した事については罰せられないが、国会答弁によれば、それを所持、頒布する事は違法になるらしい。(これは実写の話で、創作物については作るだけで誰にも見せなければ問題無いかも、と言うのは表現の自由関連で書いた)


どちらにしても法改正の場では歴然とした擬似的児童ポルノを所持している場合の話になるので、エビデンスもなにもない

法改正が成立する時の児童ポルノの定義に関する書きぶりと、実際に逮捕された場合の解釈や求刑の判断に関わるもので、改正阻止の議論の主軸とはなりにくいように思う


■総括■


<1>国内の立法を阻止するには

国内法の改正では、推進派がどれだけのエビデンスを出せるかだが、これは犯罪の調書や裁判記録があり、海外の論文も利用出来るし、各国の法改正時のエビデンスもあるので補強材料もあるだろうと思う

反対派はエビデンスが出なければ反対するだけで良いが、出てきた場合は挙げた通り、かなり不利と言える


子どもの人権のために表現の自由を制限する事は許容されるだろうが、表現の自由の為に子どもの人権、それも心身の安全を制限する事はトンデモだ

反対派が出すべきエビデンスは、性犯罪者や児童虐待者は擬似的児童ポルノの影響を一切受けていないと言うものかと思う

少しでも受けている人が居るなら、n=1の特殊事例でもない限り、反対のエビデンスにはしにくい
当然、世界的に複数の犯罪者が影響を受けたと言っているので難しい訳だ

表現の自由を守りつつ子どもも守る為には、NG表現をきちんと決めて、それを社会通念として一般化する事

それによってNGでない表現を守る事だと思う


<2>人権保護や輸出入の阻止を訴える諸外国に対して

国際的な対応としては、既に各国で擬似的児童ポルノも性犯罪に影響があるとして規制している

人権保護は個別の国の事情に関係なく、国連などが世界的に平等に求めているもの
それはつまり投票権や政治的発言権のない子供に変わって、各国の代表者が議論して決めた取り組みのこと

輸出入の阻止は、国民が他国の禁制品によって国内で犯罪者になる事を防ぐためでもある
またそれによる犯罪が起きた際に、製造者や密輸業者を裁きたいと感じるのは被害者にとっても当然だが、片方で合法では裁けない

同等の刑法を持つべき、もしくは容疑者を引き渡すべきとして条約などが結ばれる
子どもの権利条約、犯罪人引き渡し条約などがあるが日本も結んでいる


反対派は、諸外国の立法根拠をひっくり返し、擬似的児童ポルノが無害、無影響であるエビデンス、または表現の自由が児童の安全に勝るエビデンスを揃えなければならないが、国内で規制されていないため反対するにもデータが少ない

これについては、先日、こども庁を作って児童虐待に関するデータを集めるとか言っていたが、2023年以降に見送りとなった(こども庁自体は厚労省、文科省、内閣府に分散して連携が取れなくなっている縦割り行政を解消する目的。3重行政が4重行政になる気もするが…)
2014年に改めて擬似的児童ポルノも含めてデータを集めろと言われてから、はや7年

2019年に国連に怒られ、2020年にG7に怒られて、まだやっていないとは言えないだろう
圧倒的やる気の無さを、政府の児童虐待への無神経さ無責任さと取ると深刻だ
(前回の法改正後に集めかけたはずなのだが、附則削除で中止していたら最悪だ…)

そしてデータはどこが取るんだとなるが、これはもう、バリバリの個人情報とセンシティブ情報なので、警察、検察、児相など、公的機関が取ったり集めたりするしかなく、政府の指示が必要となる

大学、病院、非営利団体、報道機関辺りが協力してデータを取ることも出来るが、調書や裁判記録は基本的に被害者の開示請求でしか見られない

各供述の中にどれくらい、創作物の影響を受けたと言う記述があるか、件数だけなら個人で開示請求も出来るかもしれないが、国民の安全がかかっており、日本も批准済みの条約に関係する話である
政府がやらないで個人が進めたらさすがに恥ずかしい…
勿論、こども庁を待っている場合ではない

今の日本政府の対応は法改正はせず、輸出(ネットからの海外流出含む)をなんとか遮断する方針のようであり、デジタル庁の設立もネット犯罪関連で国連、G7などが求めていたものだったと思う

しかし、超ITよわよわの日本国官公庁である…
ぐずぐずしているうちに、デジタル密輸で日本人が捕まりまくるのではないだろうか…



本来、守られるべき表現の自由とは、政権批判や宗教批判、歌うことを禁じるとか、女性だけ行動や服装を制限されることに反対する言論等が大きく、児童ポルノに限ったものではない

明治大正の倫理観であれば、ミニスカートなどとんでもなかったが、ツイッギー来日で破壊された事により、ミニスカートはポルノや公許良俗に反する自己表現ではなくなった


漫画やアニメ等の創作物についても、時代と共に行き過ぎた表現を当然とする人が出てきた上に、CGによる複製、インターネットによる頒布、国際化と、個人の趣味と見逃すには深刻過ぎる課題が出てきた

さらに商業的に行う場合、反社の財源ともなる
自主規制をする気がないなら法規制となる

コロナウイルスの対策でも、影響が分からないうちはロックダウンなど可能な限り厳しい規制を取り、マスクや手洗い、換気が有効と分かって徐々に緩和した

実際に被害を受ける人が居る以上は、データが取れるまで厳しい措置を取るのは割と普通の事である

基準が時代とともに変わる事は大きな視点で見れば当然の事であり、世界的に影響し合っている事も当然の事だと思う

そしてこの件について、しっかりしたエビデンスで議論するには、どうしても国がデータを出すよりなく、国際的にも要求されている立法を前提とした議論にするのが妥当(なところまで来た。放置していたから。)


公文書改竄や統計改竄など残念なニュースの多い日本だが、推進派も反対派も、データなしには議論にならないのでさっさと調査を進めて欲しい

違うなら違うで他の対策が打てる

大切なのはこれ以上の被害を出さないことだから、早ければ早いほど良い

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