ブラという取り扱い。

いや、なぜに、こう攻撃的な言い方になってしまうんだろう。ブラジャーを買うという簡単なことなのに。

3年以上前にブラジャーを新調した。試着しないと合う合わないが分からないから、デパートに行って試着して買うのだが、店員さんにアンダーとトップを測ってもらったり、紐の長さを調整してもらったり、はたまたカップサイズの違うのを持ってきてもらったり。そのサービスを受けるのが本当は億劫だったりする。もっと悩みたいけど、妥協してそ…そろ決断しなきゃという空気もしんどいし、だから、新しいのを買いたいと思っても、なかなか足が向かない。

カップの横から見た形、胸のホールド感、服を着た時のブラの形やラインの出方、いろいろ実はブラジャーを着けるということに、気を使うのだ。その上、いきなり知らない店員さんにブラジャー一枚の上半身をさらしながら、あまりあれこれ持ってきてもらうのも、待たせるのも申し訳ない、という気持ちもあって、本当はじっくり試着して、締め付けがないか、胸の形はきれいか、服を着たときに尖った変な目立ち方してないか、などなど確認したり悩んだりがし辛い。

というかつまり、自分の身体を守ったりきれいに見せたり機能的に動かしたいための、一番肌に触れるからこそ優しい良いものを欲しいのに、しかも、おっぱい。このおっぱいの為に、なぜにこんなにレースがゴテゴテしたり、派手な色だったり、尖った形だったりしてるんだよ。誰がこんなデザイン望んでるんだよ。腹が立つ。

何より長年着けてることで肩がこったり、アンダーバストに長年のこすれからくる小さなイボがたくさんできたりしなきゃならんのだ。という、女性であることの気をつけなきゃいけない、バスト、おっぱいという性的に扱われがちな部位への取り扱いの手間、面倒臭さ、怒り?困惑?

普段は意識しないものなのに、いざブラジャーを着けるとなると、こんなに性的にならないよう、おばさんに見えないよう、もしくは強調して若見えなイタイ感じにならないよう、気を使うデリケートな部位。ブラジャーをただ買うという簡単なことのようにみえて、こんなにおっぱいという存在に悩み、ストレスを感じるのが、胸だしブラジャーなのだ。

なので、本心はひとりでゆっくりじっくりいろいろ試着して、着心地とか形とか納得して、もしくは妥協して選んで買いたいわけ。店員さんが居ると、相談できるしブラの機能や素材も確認できるし、装着の仕方も学べるし良いこともたくさんあるけど、自分のペースや推敲する時間的余裕が無いから、だから、買うときに相談するけど、したくないという葛藤でちょっと攻撃的な言い方になってしまう。

「通気性が良くて、カップが分厚くなくて、変に盛ったりしなくて、カップにパットが入ってなくてまたは取り外しできて、レースがゴテゴテしてなくて、色も服に影響するほど派手じゃなくて、アンダーバストを締め付けるようなワイヤーじゃないの、ありますか」という無茶じゃない?という要望になり、でも妥協したくない、というせめぎ合いで、店員さんに話しつつ、自分がモンスターカスタマーみたいで嫌になる。

そうか。お金をかけて、オーダーするという方法もあるよね。好みのサイズや形や素材が無いから、ブラジャーに自分のおっぱいや身体を合わせなきゃならない、妥協しなきゃならないから、イラつくんだ。それならオーダーという手段もありなんだなー。

今日はここ数年、アンダーがきついなーと、そのせいでアンダーバストに小さなイボや、肩紐が当たってニキビみたいなのができたりするのが悩みで。加齢と共に皮膚も弱くなってるので、ネットで見た評判、ばか売れというシルクのブラジャーを買ってみたけど、着けてみたらカップの形も合わないし、何より胸が尖ってて服を着たら最悪。なぜにこんなのが売れてるんだ、詐欺じゃんーと返品も面倒で即座に捨てた。やっぱり試着しないとダメだね。最近はノンワイヤーでも良いのが出てきてるし、新しくしなければ身体に良くないなというのが理由で、新調しに出かけたのだった。

昔のように彼氏に見せたいとか、自己満足のために買うためのブラジャーじゃなくて。そう考えると、若い頃は、胸は他者のためのものというか、性的なアピールのためのオプションでもあったのだな。それは男性なのか誰か他の人が作ったおっぱいへの過剰なイメージ。女性もそれが嫌でたまらないと思いつつ受け入れたり利用したりしていたのだ。余談、上手く利用してるのが叶姉妹だと思う。

アラフィフともなると、皮膚に優しい良いもの、締め付けないけど、きちんと胸をホールドしてラインを整えてくれるもの。そういう理由で買いに行く。海外の女性みたいにノーブラもいうのもありだけど、ブラブラしてると歩いたり動くときに邪魔だし、何より形が丸見えなのも下品だよね、日本じゃ。

一応、下着売場のお姉さま、おばさま達に試着で見てもらうと、何年も前なら、年齢的にはまだ胸が下がってないとか、自分の胸について意見がもらえたりするので、客観的視点を得るには良い機会。今回は胸のトップの位置がどう変わるかで、おばさんに見えるかなど、年齢相応の学びを得られた。あとは、脇の横から胸を寄せてカップにしまうのではなく、もはや私の年齢や身体のおばさん度合いでは、脇の下から上に引き上げて、という何年か前とは違う角度で装着するという段階に入ったのだな、と。それも新たな学びでありました。

これというブラジャーを決めたのは1時間ちょっと。着けたり外したり、大変だったけど、何年か前のときみたいに妥協して買わなかったのは、偉い。もうきついアンダーで胸を寄せて上げて、なんて誰かの決めた基準で無理をせずにいいんだな。
バストの形やライン、どんな色やデサインのブラジャーを身に付けるかで、テンションが上がったり下がったりしてる時点で、まだ自分もおっぱいに関する、女性性に関する見栄?みたいなものを捨てきれていないんだろうな。まー生きてる限り、身だしなみはキレイにしていたい。どんなに歳をとっても、ブラジャーはその一環でもあるんだなー。

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