結婚前に葬式について聞いた思い出の駅。

日曜の朝から、羽毛布団を干し、洗濯を干し、エアコンの内部の埃を掃除し、換気扇のカバーを新しいのに取り替えた。掃除機をかけて、Amazonで仕事用と自宅用に卓上加湿器を買った。掃除して、何か新しいものを、生活の質を上げるために買い替えるとか、買い足すって気分良いね。

趣味のクラシックギターの弦を今までずっと、村治佳織さんバージョンという組み合わせの弦を買ってたけど、なんだか最近、高音の弦が出す音がキンキン耳障りな気がしてたので変えたいと思い、さらにネットで検索し、そのままAmazonでパク・キュヒさんバージョンの弦の組み合わせのものを買う。
よく調べたら村治佳織さんバージョンの組み合わせは、高音は細い弦だし、低音はハードテンションとのこと。ハードテンションは上級者じゃないと、セーハとか難しいらしい。わぁ、大ファンというだけで真似て買ってたけど、もしかして弾き難いことしてたのかも。次の弦が楽しみだ。

日々の生活の何かを小さく新しく変えるって楽しい。前までそれで問題なかったことでも、環境が変わったり歳を取ったりすることで、アップデートすることが自然に必要となる。

買い物意欲が高まったまま、アウターコートが欲しくて、やっぱり出かけようと決めて身支度する。アウトレットモールがリニューアルしたというので、そこまで出かけた。途中、降りる駅を勘違いして乗り直したり、送迎バスが混んでるというので、歩いて行ったり、想定外なこともありつつ到着。

ダウンコートを昨年ネットで買って、新しいのを着てたのだが、風が吹くと寒い。歳を取ると重たい服や、かさ張る服はもう無理なんだよね。アウトレットのmont-bellでアウトレット物で安くはなってないけど、軽くて防風機能のあるダウンコートをゲット。
最初に見て試着した時点で、きっとこれだな、と思ったけど、他のお店も見てみたく。混みまくってるモールをぐるりと回り、アウターを見て回ったけど、防風のは無いんだよね。だから結局、mont-bellに戻ってカーキのを買った。良い買い物をした。

このアウトレットがある駅のカフェだったと思うが、旦那さんと結婚前にデートをしていた頃を思い出した。歳も歳なので、結婚前提で話を進めていた。結婚式は全く興味が無くて、むしろこっ恥ずかしいから、絶対やりたくないと思っていた。そういうのがとてもストレスで疲れるタイプだし。そこにお金かける価値を私は感じてないので、それは無しでとお互い了承してた。
むしろ、葬式をどうしたいと考えてるのか、そちらの価値観のすり合わせの方が大事で気にしていた。結婚前にロマンもくそも無いのである。

四十も半ばでお互い初婚。これから子供を持つことも無いし、そもそも子育ての経済力も体力も気力も無いし。この歳で結婚して大きく生活が変わる、そのことだけで精一杯。どちらかと言うと切実にやってくるリアルなイベント事としては、介護や病気や死亡という老い支度なんだよね。
なので、結婚式うんぬんなんかより、どういう葬式にしたい等、そこにこだわりがあるのか無いのか、そこが重要。

親戚や知人友人を全部呼んできちんと葬式やりたい、なんて言う人だったら、付き合いを止めてたかも知れない。仮に私が残されたらひとりで対応無理よ。そんなストレス受けるの嫌だし。旦那さんはこだわり無い派だったから、本当に良かった。

私は死んだら自分の骨だっていらない、捨ててくれと思ってる。旦那さんが先だったら、少しだけ自分用に欲しいが。いずれにせよ、夫婦2人の遺骨を残したところで。甥っ子姪っ子が何とかしてくれるかも知れないけど、迷惑でしかないでしょう。ゴミじゃないけど、要らないものだもの、確実に。

旦那さんの実家はお墓があるから、そこに入れてもらうのもありだけど、お姉さんは嫁いでるし、他の親戚も自分でマンション式の電動？お墓を契約してるし、誰もお墓をみる人いないぞ。リアルお墓、どうするんだろ。墓仕舞いもすごくお金かかると聞くが。結局、継いでいく者がいないと、遺骨すら荷物になるんだよね。現世に骨とか残さず、きれいさっぱり消えたい、片付けたいね、残された人のためにも。

関係性の深い親戚や、もしかしたら子供がいてお墓をみます、という確約があるのなら、そうやってお墓を残すのも良いんだろう。思い出をずっと語ったり、偲んでくれたら嬉しいもの。でもそれは、生きている今だから、そうして欲しい、嬉しいと感じるのであって。死んでしまっては、こちらが何を思おうが、生きてる人たちには関係ないんだなぁ。どうとでもしてくれ、と思う。

結婚前に葬式の価値観の話を持ち出すなんて、非常に聞きにくい話題だったけど、でも事前に聞いておきたかった。もしかしたら、実際におじいさん、おばあさんになってから考えが変わるかも知れないけど。
そんな事を思い出していた駅。買い物の一日。